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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2016年6月号

消化器内科で診療を担当しています今武和弘と申します。2014年10月に開院して当初は不慣れなことがありましたが、私もようやく外来診療にも慣れてまいりました。開院後より内視鏡件数も順調に伸びており、これも当院へご紹介いただける近隣の先生方のお蔭と感謝しております。今回は日常診療で診ることの多い逆流性食道症について触れてみたいと思います。

逆流性食道症=胸やけ???

食生活の欧米化や肥満者の増加に伴い逆流性食道症が増えてきました。私が医師になった30年ほど前には逆流性食道症という疾患概念がありませんでした。医師になって8年目のころ出張病院から大学へ戻ると内視鏡読影会で盛んにみんなが「逆食、逆食」と言っているのを聞いて驚いたのを懐かしく思い出します。 


逆流性食道症の症状は胸やけが最もポピュラーでちりちりした感じを訴える患者さんが多いです。しかしそれだけではありません。食物がしみる感じや痛い感じ、固形物を食べたときに食道上部がつかえる感じもあります。また胃痛や胃部不快感を訴えたり、症状がひどい場合は焼け火箸をあてられた感じという患者さんもいます。のど・口の中へ逆流する感じがしたり、酸っぱいものが上がってくる、口の中が酸っぱくなる感じ、口の中に苦い水が上がってくると言う人もいます。喉の違和感、咽頭圧迫感、咽頭異物感、声がれ、喉に引っかかる感じを訴える患者さんもいます。喘息様の喘鳴がしたり、痰を伴わない空咳などやひどい時には咽頭痙攣様の症状が起こることもあります。また狭心症と似たような強い前胸部痛背部痛を訴えることもあります。このように逆流性食道症の症状は多彩で循環器科や呼吸器科、耳鼻咽喉科を受診されることも多いようです。受診された診療科で検査をされても異常がない時に逆流性食道症の可能性があります。逆流性食道症と診断するためには内視鏡検査が必要です。逆流性食道症のなかには内視鏡検査で食道下部にびらんや潰瘍を認める逆流性食道炎もありますが、中には非びらん性胃食道逆流症(NERD)もあります。しかし食道癌などの器質的疾患を否定するためにもやはり内視鏡検査は必要です。当院では昨年11月に後藤田卓志教授を迎えその指導のもと患者さんに苦痛の少ない優しい内視鏡をするよう医局員全員で取り組んでおりますので消化器症状のある場合はもちろん上記のような症状を患者さんが訴えられましたらまず消化器内科へ紹介いただければと思います。当院は循環器内科や呼吸器科、耳鼻咽喉科のスタッフも充実しておりますので消化器内科から他の診療科へ依頼することも可能です。是非とも当病院をご活用いただければ幸いです。

消化器病センター

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