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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2017年4月号

消化器内科として外来、病棟診療を担当させて頂いております三浦隆生と申します。昨年10月より1年半ぶりに出張病院より戻り、当院の理念であります「病院は病者のためにある」を基に日々診療業務に奔走しております。本病院も今年で移転より3年目を迎えますが、外来・病棟患者数、検査数も伸びており、これもひとえに移転前より変わらぬご支援を頂いております先生方のお陰と考え、心より感謝申し上げます。

進化する超音波検査

今回は先生方も日々の診療で用いられております超音波検査の現状に関してお話させて頂きます。

これまでCTやMRIと比較し分解能に優れるものの、検者、読影者の習熟を要し、客観性という意味では他検査を上回っているとは決して言えるものではありませんでしたが、近年におけるその進化はすさまじく、検査としての向上のみならず、小型化による“聴診器替わり”としてのポケットエコーや、他検査も含めた統合画像診断を行うための精密診断装置と、重要な診療におけるmodalityとして位置づけられるようになりました。

2010年10月に超音波診断装置の新しい形として“ポケットに入る”携帯型超音波検査装置が発売され、当科では現在消化管・胆膵・肝臓と各領域の病棟グループに一つポケットエコーを持たせ、様々な診療の場において活用しております。病棟での患者様の症状に対してその場ですぐに出来る画像診断として、また、外来診療における適正かつ迅速な検査計画を立てるためのPoint of care USを積極的に行い、患者様の訴える症状に対してできる限りの迅速な対応を努めております。

また近年より、撮影したCTやMRIを超音波装置内に取り込み、同期させることによりfusion imagingとして現在観察している超音波画像断面と同じ断面のCT, MRI画像を映すことが可能となりました。これまで超音波検査としての弱点とされていた客観性を補うのみではなく、CT, MRIを超音波装置上で自在な断面で観察を行う事で、より精度の高い再読影をする事が可能であるため、当院では過去の画像情報を最終的に超音波診断装置を用いて統合画像診断を行い治療方針の決定をしております。

超音波検査装置は日進月歩で進化しておりますが、簡単に撮影することの出来るCT, MRIと比較してその習熟にある程度の修練が必要であるため、近年若い医師のいわゆる“超音波離れ”が進んでおります。また、すでに開業されている先生方におきましてもこれまで超音波検査の経験がない方の中には「いまさら勉強する機会もないし…」と思われている方も多いと思われます。当院の超音波室は数多くの日本超音波医学会専門医を有しており、超音波教育に関しても積極的に取り組んでおります。

研修医に対する超音波教育として、先ほどご説明させて頂いたポケットエコーを取り入れております。各病棟Groupの研修医にポケットエコーで撮像した画像を用いたプレゼンテーションをする超音波勉強会を週に1回行い、若年医師の超音波に接する機会を増やすよう試みております。また、開業医の先生方を対象とした腹部領域の超音波ハンズオンセミナーを当院超音波室主催で年2回、領域ごとにわけて行っております。中々新たに超音波検査を行う事にためらいを持たれる先生方も是非参加して頂き、日々の診療にお役立てて頂ければと考えております。

超音波検査は低侵襲で、簡便な数多くの情報を取得できる画像診断です。また、その活用の仕方でより詳細かつ精密な病態評価も可能な時代となっております。検査予約から精査依頼含め随時承っておりますので、ぜひ当院超音波室をご活用いただければ幸いです。

消化器病センター

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