今年の日本大学病院放射線科のニュースレターをお届します。当科の役割は放射線治療と画像診断に大別され、各々の現状と今後見込まれる新しい話題をお知らせいたします。
放射線治療は、坂口雅州(さかぐち まさくに)医師が中心となって担当しています。放射線治療は外科手術と化学療法(抗がん剤)に並ぶ癌治療の柱です。他の治療法と比べると放射線治療には、身体への負担が少なく、容姿を変形させない、副作用が少ないなどのメリットがあります。また当院はJRお茶の水駅や東京メトロの複数の駅から近いといった便利な立地にあり、外来あるいは紹介医院に通いながら、放射線治療を受けて頂けます。現在は、身体の外から放射線をあてる、いわゆる外照射という標準治療が行われていますが、今後は放射線を含んだ薬剤を投与することで特定の腫瘍、とくに骨への転移を標的として治療することができるようになります。前立腺癌の骨転移などはその体内放射線治療の代表的な対象疾患です。当科でもこの新たな放射線治療に向けて準備を進めてまいります。
画像診断は私をふくめ4 名の医師が主に担当しています。CT, MRI, 核医学, PETなどを用いて、いろいろな臓器の悪性腫瘍や胆石、尿管結石、脳梗塞などの多種多様な疾患の写真を読影し、主治医の先生方に診断報告書を提出しています。このような疾患に対する画像診断とともに、我々が担当しているのはPET癌検診です。このPET検診には国外からの受診者も来られています。健診センターにおける胃カメラや胸部レントゲンあるいはCT、腹部エコーなどと併用して頂けると、PETの利点を有効に活用できるのみならずPETの欠点(早期胃癌や肺癌、肝癌は見つけにくい)を補うことができます。健診の本来の目的は、癌の早期発見とともに、治療が早急に必要な腫瘍がないことを確認することです。当院では03-5577-3541の専用電話でもPET受診者の予約を承っています。
以上、日本大学病院総合診療センターの放射線科に関して、新たな話題を中心にご紹介いたしました。今後とも皆さまのご来院・ご利用をお願いいたします。