皮膚疾患に対する新しい治療法が次々と世に出るなか、大学病院として地域における高度な医療を担うという役割を果たすべく日々の診療に挑んでおります。また、皮膚科では完全予約制というシステムをとることで御紹介患者様の待ち時間を減らし、快適に受診頂けるよう努めております。
　当院では、通常診療はもちろんのこと、腫瘍外来、光線外来、アレルギー外来、レーザー外来を専門外来として設けており、それぞれの担当医が専属して治療・検査にあたります。
腫瘍外来ではダーモスコピーと皮膚超音波検査を積極的に行っており、近年では悪性黒色腫の診断のみならず多岐にわたる皮膚腫瘍で特徴的な所見が得られ、術前診断の精度を高めることが可能となっています。
皮膚悪性腫瘍に対してはPET-CTを初めとする高精度な画像診断，リンパ節生検，治療としては全層植皮，分層植皮，皮弁形成術，人工真皮や陰圧閉鎖療法を用いた欠損創部の治療も行っております。
光線外来では，UVA，UVB，可視光線を用いた光線過敏性試験が可能です。
アレルギー外来ではIgE RAST，金属パッチテスト，Prick test，DLST，内服誘発試験などの手段を用いたAllergenの検索・特定を行います。
また，重症の各種感染症，薬疹，湿疹皮膚炎，炎症性角化症，自己免疫性水疱症の治療のため入院治療も行っております。
近年めざましい発展を遂げる乾癬治療では抗TNFα製剤を初めとし、抗IL-17製剤などの様々な治療戦略がとれるようになり、その有効性を示しております。また膿疱性乾癬に対しては白血球除去療法なども保険適応となり、効果の高い治療法が開発されてきています。他方では、アトピー性皮膚炎に対してもIL-4，IL-13に対する抗体製剤が新たに世に出ており、今後患者様のQOL改善に一役担うことになると予想されます。
現在進行形で発展を遂げていく皮膚科学に遅れることなく、私達は日々学び続け、更なる病態の解明と治療への貢献をしていきたいと日々精進しております。