2014年10月に開院してから早くも3年半が経過いたしました。先生方にはいつも大切な患者様をご紹介いただき、ありがとうございます。
今回は消化器内科の病棟についてお話しさせていただきます。消化器内科の病棟は、日本大学病院の10階病棟に41床あります。同じ10階のB病棟には消化器外科の病棟があり、消化器外科と併せて消化器病センターとして診療を行っています。
消化器内科の病棟運営について
消化器内科では消化管グループ、肝臓グループ、胆膵グループの3つのグループで病棟を運営しています。各グループは研修医も含めて4人から6人で構成されています。開院以降、年間を通しての入院患者数は増加傾向となっております。(表1)
入院患者の内訳として、多いのは①大腸ポリープの内視鏡治療、②早期胃癌、食道癌、大腸癌の内視鏡治療、③肝細胞癌のカテーテル治療となっています。その他には慢性C型肝炎の抗ウイルス治療などが数多く見られ、最近では膵癌や胆管癌をはじめとした胆膵領域の癌の内視鏡治療や化学療法の患者さんが増加しています。治療目的に紹介となった方や緊急入院となった患者さんの中には、近隣の施設からご紹介いただいた患者様が多数含まれています。
消化器領域は緊急患者も多く、入院患者の30%程度は緊急入院で占められています。緊急入院の内訳は①消化管出血、②総胆管結石や胆管癌による急性胆管炎、③肝不全が多く、特に消化管出血の患者数がとびぬけて多くなっています。その他にもいわゆる腹痛を主訴に紹介、もしくは受診され、入院となる方も多く見られます。この1-2年では胆嚢炎、胆管炎での緊急処置を目的とした紹介入院が多く見られています。
当院は緊急疾患にも対応可能であり、消化器系、胆膵系の内視鏡治療に対しても積極的に取り組んでいます。消化器領域の疾患では時に緊急で外科的対応が必要となることもあり、消化器外科の先生方とは時に相談をしながら治療を行っています。そのため早期の手術を必要とするような急性胆嚢炎や虫垂炎などの患者さんも、入院後に速やかに外科で手術をすることも可能です。増加している急性胆嚢炎の緊急入院の中には当日、もしくは数日以内に手術となっている方も多く見られます。迅速な対応が可能なのも外科との綿密な連携があってのことと考えられます。