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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2018年10月号

【最近の乳がんに関する話題】
 乳がん患者へのオラパリブ(リムパーザ○R):PARP阻害剤の適応を判定するためのBRCA遺伝子の診断システム(BRACAnalysis診断システムTM)が保険適応(20,200点)になり当院でスタートしました。
 
 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome:以下HBOC)はBRCA1、BRCA2遺伝子のバリアントを原因とする遺伝性腫瘍であり、乳がんや卵巣がんを主として子孫に遺伝する可能性のある常染色体優性遺伝性形式の疾患です。乳がんでは遺伝する可能性のある遺伝子変化を伴う症例は全体の7-10%であり、そのうち50%はBRCA1あるいはBRCA2遺伝子が原因とされています。確率は低いですが、若年発症が多く悪性度が高く再発・転移の可能性が高く発生します。
 BRACAnalysis診断システムTMができる条件はHER2陰性進行再発乳癌となっています。条件にみあえば保険が適応されるため検査費用が約25万円から約6万円の自己負担となりました。これはオラパリブ(リムパーザ○R):PARP阻害剤のコンパニオン診断システムとして承認されたシステムです。転移・再発乳癌の方でBRCA1あるいはBRCA2遺伝子に疾患原因となるような変化が認められれば、オラパリブの適応となります。
 しかし今後遺伝性乳がんの方の予防切除など適応の問題も抱えており、十分な説明・相互理解が求められます。本システム実施前後において、ご希望があれば臨床検査の専門医の協力のもと遺伝カウンセリングも受け付けています。
 また、10月から月2回(第2水曜日)リンパ浮腫外来が始まります。専門医師の外来を受診していただき、ケア専門看護師による治療(自費)となります。はじめは当院にて治療された方にかぎっての適応といたしますが、ご了承ください。
 乳腺内分泌外科は新しいニーズに対応していきます。
 気軽にご相談ください。

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