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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2015年12月号

昨年10月より新病院となり、先月で1年が経過しました。旧駿河台日本大学病院と同様に救命センターおよびCCU(coronary care unit)が設置され、救急医療に対しても当院は積極的に力を注いでおります。ご存じの通り、救急患者は年々増加しています。その多くの患者が搬送される救急医療の現場では、様々な疾患や病態をかかえた患者が突然舞い込んできます。その領域は多岐にわたり、外傷、中毒、脳血管疾患、そして心臓救急などです。当科では常時救命センターに数名の専門医を常駐させ、搬送されてくる心臓救急患者に対して積極的に治療を行っております。特に旧病院から引き続き積極的に治療を行っている疾患の一つに心原性心停止に対する蘇生治療があります。救急医療の現場で、今まで軽症と考えていた患者が何の前兆もなく重症患者に変貌することは珍しくはありません。その重症患者の中でも最重症なのが、循環動態が破綻したショック患者であり、完全虚脱してしまった心停止患者であります。

このような心停止患者に対し、心臓マッサージや人工換気などの一次救命処置(BLS)や、薬物投与などの二次救命処置(ACLS)といった心肺蘇生法を施行しても、自己心拍の再開が得られないか、再開してもショック状態からの離脱が困難な症例を多く経験します。このような心原性心停止やショック状態の患者には、体外式の循環補助装置を併用した治療を行う必要があります。これは足の付け根である鼡径部より動静脈に送脱血管を留置して行う経皮的体外式循環装置です。当院では1996年頃よりこの装置を用いた積極的な救命治療を行い、そのデータを報告してきました。関東地域における院外心停止患者を対象とした報告によると、この院外心停止患者の30日後の良好な神経学的転帰はわずか1.9%でした。我々は、心原性心停止症例の初回心電図モニターにて心室細動という不整脈が確認できた場合に、積極的に体外式循環装置を導入した救命治療を行っております。その当院での神経学的予後は、およそ20%前後の患者で社会復帰出来ております。

今後も、日常診療はもちろん、救急医療に対しても積極的に診療を行い、これまで以上に地域医療に貢献していきたいと考えております。

循環器病センター

診療受付時間

初診の方
月〜金曜日
/
土曜日
再診の方
月〜金曜日
/ 午後は予約診療のみ
土曜日

休診日

日曜日・祝日,日本大学創立記念日の振替休診日(10月5日),年末年始(12月30日〜1月3日),ゴールデンウィーク(5月3日〜5月6日)

住所

〒101-8309 東京都千代田区神田駿河台1-6 Google Map