残暑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。今月のニュースレターは日本大学病院視能訓練士・河野が、当院での視力検査についてご紹介させていただきます。
当院では5年前の新病院設立時より、従来の「小数視力」と並行して「ETDRSチャート」での視力検査を導入致しました。「ETDRSチャート」の利点は、統計処理に優れていること、低視力領域に細かく視標が設定されているため、微細な変化を測定しやすい点です。
小数視力が最小可視覚の逆数を小数で表した数値で、同じ行に並んでいる視標の過半数が判読可能かにより視力値を決定しているのに対し、ETDRSチャートは、logMARに基づいた視力表で、視標の大きさが等差級配列に変化するように設定されており、可読文字数にて視力を評価します。小数視力における1.0はETDRSチャートにおいては0logMARとなります。
ETDRSチャートの視力表は、視標1文字に0.02logMARが付与されており、その可読文字数にて視力を評価します。可読文字数5文字の増加にて視力の1段階の改善と判定されます。可読文字数にて視力を評価するため、小数視力よりも患者様に読んで頂く視標の数が多くなります。
また、0logMARが小数視力の1.0に当たりますが、小数視力における0.8、0.9に相当する視標がないので、小数視力換算値で説明すると、患者様にとっては大幅な視力低下の様に受け取られてしまうことがあります。
更にETDRSチャートは、視標のサイズの変化と等しく視標間隔が小さくなるよう設定されているため、高視力領域において見えづらさを訴える患者様が多いです。
ETDRSチャートでの視力検査に戸惑われる患者様には、担当視能訓練士が適宜説明しながら検査に当たっております。信頼性の高いデータを迅速に測定できるよう、視能訓練士一同、日々研鑽を積んでおります。