2018年4月より、放射線治療専門の常勤医として勤務しております相澤拓也です。
当院の放射線治療常勤医は私1人でありますが、日本大学医学部附属板橋病院より2名の放射線治療専門医が非常勤医師として週1日ずつ診療しております。これにより治療方針の確認や治療計画のダブルチェックをしっかり行ったうえで、安全な放射線治療を提供することを心がけております。
がん治療における放射線治療の役割は、根治的照射(集学的治療の一端としての補助的照射も含め)、姑息的照射、緩和的照射に大きく分けられます。色々な科から照射の依頼を受けるのですが、目的や患者さんの状態により照射のスケジュールは大きく変わります。たとえば、前立腺癌に対する根治的な放射線治療としては、37回程度の照射を行いますが、骨転移などに伴う疼痛緩和の放射線治療では、10回程度の照射を行うことが多いです。週5日で照射することを基本としておりますので、短期の照射でも毎日の通院となれば肉体的・精神的な負担が大きくなります。当科では、スタッフと連携し毎日の通院が負担にならないよう努めており、照射時間を決めて来院していただいています。通院しながら仕事をされる患者様も多いので、患者様の希望に沿って時間を調整し、できるだけお待たせせずに治療を行っております。入院中の患者さんに対しても、各科の医師や看護師と連携し、患者様の状態に合わせた照射を心がけています。1回の照射にかかる時間は5分程度と短いのですが、正確な治療を行うための位置合わせを丁寧に行います。
放射線治療はほかの診療科と異なり、1つの科で診療が完結することはまずなく、今後も他科との連携し、がんに苦しむ患者様の一助になるよう努めて参ります。