寒冷の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
日頃は大変お世話になっております。早いもので残すところ今年も1か月となりました。今年もたくさんのご紹介を頂きありがとうございました。来年も引き続き宜しくお願いいたします。
さて、来年はいよいよ東京オリンピックの年になります。これまで以上にスポーツ気運が高まることでしょう。そこに水を差すつもりはありませんが、スポーツと眼外傷は密接な関連があります。『スポーツ眼外傷』の特徴は正常視力の人が一瞬にして重篤な視力障害を生じることです。しかも、多くの眼科疾患と異なり、若年者に生じやすいということです。私は現在『日本の眼科』の編集委員を行っており、11月号では『スポーツ眼外傷』を取り上げています。是非ともご一読頂ければ幸いです。
『学校におけるスポーツ眼外傷の実態』として眼外傷は他の部位の外傷に比べ後遺障害を残しやすいこと、特に、野球、サッカー、バトミントンなど球技に多いことが知られています。
そこで、『スポーツ眼外傷の予防』が重要になります。スポーツサングラスをはじめとする防護用具の重要性が分かります。私も時々野球をしますが、必ずスポーツサングラスを付けるようにしています。また、自打球による眼外傷が多いのでインコースのボールは打たない、引っ張らないようにしています。やはり基本はセンター返しです。最近、プロ野球で頬部から口元を覆うフェースガード(正式名称;C-FLAP)をつけたヘルメットを多く見ます。安全性が向上し眼外傷予防においても有効と思いますが、何故か高校野球では見かけません。C-FLAPを付けたヘルメットは改造ヘルメットとみなされSG基準に合わずアマチュア野球では使用できないのです。SG基準の変更や規則の見直しなど迅速な対応が必要と考えます。余談ですが、フェースガードを付けるようなになったプロ野球選手が多くなった理由は安全性だけでなく、視界が狭くなることによる集中力向上やフォーム矯正による打撃開花も理由のようです。
スポーツ眼外傷は若年者に永久的視力障害を生じ得る疾患です。しかし、環境整備や防具着用により多くの眼外傷を防ぐことができます。2020年東京オリンピックが近づき、様々なスポーツが話題となる今こそ、眼外傷に対する啓蒙を我々眼科医から行っていくべきと考えます。