今回は急性心筋梗塞(Acute Myocardial Infarction:AMI)についてお話しさせていただきます。
1985年〜2014年の30年間を10年ごとに3期に分け、AMIの年齢調整後発症率の推移を検討した研究では、1985年〜1994年の10年間は発症率が有意に増加しましたが、その後1995年〜2014年までの20年間はほぼ横ばいでした。さらに、男女別に解析すると、女性では2005年〜2014年の直近10年間に発症率は減少に転じていました。同様に、熊本県のAMIレジストリーであるKACE研究からも、2004年〜2011年にかけてAMI発症率は男女ともに有意に減少したことが報告されています。一方、宮城心筋梗塞レジストリーの年代別解析において、70歳以上の高齢者では,2005年〜2014年の10年間に男女ともに発症率が減少に転じていましたが、59歳以下の若年群では、男女ともに30年間一貫して増加し続けていることが明らかとなりました。本邦では若年者の食生活やライフスタイルの欧米化に伴い脂質異常症の罹患率が増加し、さらに喫煙率が若年男性では約50%、女性でも30%以上と依然として高いことが関与していると考えられます。
今後、現在の若年者が高齢になった際に本邦のAMI発症率は再度上昇に転じる可能性もあり、若年からの生活習慣の是正やさらなる啓発活動などが必要と考えられています。
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