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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2020年12月号

脳神経外科【脳神経外科 診療科のご紹介】

12月号の担当は、総合診療センター【脳神経外科】です。日大病院 脳神経外科は、10月より診療体制を一新し、頭頚部疾患に対するより高度な専門性を追求した診療を行っています。これまで以上に、先生方からのご紹介、ご相談をお待ちしております。東京圏(東京・埼玉・千葉・神奈川など近県)の先生方と地域連携を強固に、頭頚部疾患を疑われる患者さまでお困りの近隣病院の各科先生方、開業の先生方、眼科、歯科の先生方、ぜひお気軽に日本大学病院 脳神経外科をご活用ください。


日本大学病院では、先生方の紹介状をお持ちの患者さまは、初診から電話で予約をすることができる便利な予約センター(03-5577-3778詳細はHPをご確認ください)を設置しております。交通アクセスも便利で、土曜午前も外来診療を行っています。患者さまにとって利便性のよい大学病院です。また、病院などで緊急を要する脳外科疾患が発症し対応にお困りの場合などに、先生方よりご連絡いただければ24時間365日、脳外科オンコールが対応しております(手術中など対応が難しいやむを得ない場合もございますが、誠心誠意対応いたしたく思っております)。今後とも、患者さまのかかりつけ医である先生方にとってのバックアップ脳外科として、安心安全な最新治療を目指す日大病院 脳神経外科をぜひお気軽にご活用ください。(HP外来表の専門分野は関係なく受診していただけます。その後のスケジュールに関しては最善で適切なご案内をいたしますのでご安心ください。)


【日大脳神経外科講座のご紹介】

当講座は、あらゆる頭頚部疾患に対応し、<日大板橋病院><日大病院>両大学病院ともに血管内治療と開頭手術のどちらでも対応できる医療体制を取っております。患者さまにとってより適切な治療を選択、ご提案することができる講座一丸のチーム医療が大学の特徴ともいえます。大学病院脳神経外科の根幹ともいえる血管内治療・脳の深部の疾患(頭蓋底)治療・定位脳外科の治療と研究、教育に日々邁進し取り組んでおります。

また、両大学病院ともに日本脳卒中学会が認定した<一次脳卒中センター>施設に認定されています。(2020年4月に全国の施設が一般に公開され、救急隊や地域医療の関係者だけでなく患者、家族も、どこで組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)による積極治療を受けられるかが分かるようになっています。)

脳神経外科担当号のニュースレターでは、今後日常診療で重視されたい脳外科疾患について適宜ご紹介させていただきたく存じます。また各主治医先生方に置かれまして、頭頚部疾患が疑われる症状について患者さまの紹介などございましたら、お気軽に日本大学病院までお問合せください。今月号では日常に遭遇する4つの症状について簡単にご紹介いたします。


① 繰り返すTIA(主な治療:STA-MCA bypass、CEA、CAS)

失語や運動麻痺を繰り返すTIAですが、1次救急などで搬入されてくる患者の多くはCTなどで大きな変化もみられないことから落ち着けば経過観察とされます。実は原因の多くに、頭蓋内主幹動脈の狭窄に依ることがあり、定量性脳血流検査(SPECT)で外科的治療の適応の有無を評価し、必要に応じて血行再建が考慮検討されます。また近年の健康診断では、心エコーに加え頚動脈エコーなども行われています。2次検診では頚動脈狭窄の結果を受けて来院される患者も経験されることではないでしょうか。そのような

症例は、今後高い確率で脳梗塞を引き起こす可能性や脳梗塞を発症された方の再発予防として

CEA、あるいはCASが考慮されます。頭蓋内主幹動脈狭窄・頚動脈狭窄ともに脳CTなどでは所見がないので、脳外科?と思われるかもしれませんが、手術症例は多く、手術手技も洗練化され安全に行われるようになっており珍しい手術ではありません。手術が前提の疾患ではありませんが、患者さまの状況や狭窄症の進行度合いによる治療適応の有無や治療の選択肢を知りたいなどのご要望がございましたら、お気軽に日大脳外科をご紹介いただければと思います。


② 長引く顔面の痛み、電撃痛(主な外科治療:内科的治療が無効時にmicrovascular decompression)

主に歯科医院や口腔外科から紹介される場合が多い疾患です。

三叉神経痛の患者は、顔面の痛みに対し歯痛と感じ歯科治療に通われることが多いようです。ほとんどは実際に歯科病変があるため治療を受けますが、歯科治療終了後も顔面の痛みが改善されず、口腔外科などを受診したのち脳外科に来られる場合が少なくありません。患者の中には、三叉神経痛と診断されるまで数か月かかった方もいらっしゃいます。その間に症状が穏やかに経過していれば良いですが、顔面の激痛や、つらい状態が続いてしまう場合があります。第一選択は内服治療ですが、次第に症状が増悪し内服では痛みのコントロールがつかなくなってくる場合には、外科的治療が検討されます。MRI(CISS image)所見で、責任血管による三叉神経への圧迫・変位が確認される場合が多くみられます。外科的治療では、こうした責任血管を三叉神経から移動させて圧迫を解除させることで痛みが消失します。


③ 血管内治療か開頭手術か(主な疾患;クモ膜下出血)

くも膜下出血の90%以上は破裂脳動脈瘤に起因します。大きく2つの処置法があるのは一般にも知られるころです。第一選択肢となった血管内治療法は、開頭せずに治療ができるうえ、入院期間も短く患者にとってメリットの多い治療です。しかし実は全ての治療がカテーテルで行えるわけではなく、際どい症例などでは専門医によって闊達に検討される必要があります。特に、血管内治療が優先されない症例ほど(大型瘤、血栓化瘤、あるいは親動脈の温存が困難な瘤など)開頭手術の難易度は高いとも言えます。難易度の高い症例の場合、どちらの方法で行うか、治療手技だけでなく術後のメリット・デメリットや患者の病態から判断される最良の治療とは?といったことを鑑みる高度な判断と技術が必要になります。日大脳外科チームはどちらにも対応できる医療体制で患者の治療にあたっています。


④ 急速に進行してくる視力・視野障害、複視、頭痛・嘔気(主な疾患:脳腫瘍)

脳腫瘍は、眼科医からの紹介が多い疾患です。

急速に進行する視力・視野障害、複視などは、頭蓋内の視神経近傍に脳腫瘍や、動脈瘤などが存在する可能性があります。患者の多くは、動眼神経周囲に病変があるため焦点が合わず物が2重に見えたり、羞明感、片側の眼瞼下垂があります。頭部MRIやMRAにて器質性異常病変がみつかります。異常病変には脳外科治療(開頭摘出、ガンマナイフ)が必要です。


日大脳外科は、地域医療との協調・連携を強固に、今後も脳外科医学の発展に貢献していきます。

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