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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2020年12月号

血管外科医長の石井です。本院の日本大学医学部附属板橋病院より日本大学病院赴任し、3年目となりました。近隣の先生方には大変お世話になっております。
今回は腹部大動脈瘤に関してのお話をさせていただきます。 

2020 年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインにおいても、疫学では『本邦における大動脈瘤と大動脈解離に関する全国統計 はいまだなく,その正確な発症率は不明である。』との記載となっております。

私見ではありますが、この要因として、腹部大動脈瘤の診断(発見)の難しさによるものと考えられます。腹部大動脈瘤は基本的に症状はないため、患者様の症状から発見することは難しいです。また、腹部拍動性腫瘤を触知するのも、体格がいい患者様であるとなかなか難しくかなりの大きさにならないと触知できないこともあります。また、健康診断も腹部大動脈瘤をルールアウトする検査項目はありません。

直近1年間での腹部大動脈瘤の手術症例の初回発見の契機ですが、他疾患での他科での経過観察中にCTで指摘されたのが9割以上であり、その他は健診で腹部超音波検査での指摘、胸部X線にて胸部大動脈瘤疑われ胸腹骨盤CT施行し指摘された症例等でした。残念ながら診察所見や症状からの診断は1例もありませんでした。

以上よりCT・腹部超音波検査等のデバイスも用いた診断には必要となります。ドックではありませんし、患者様全員を行うのは困難でありますが、先生方の外来にて、心血管リスクの高い患者様がおりましたら、当院にて精査させていただきますので、お気軽にご依頼ください。先生方の患者様の中にも、隠れ動脈瘤の患者様がいらっしゃるかもしれません。

患者様のためにも、ご協力よろしくお願いいたします。

放射線検査となると少なからず被爆のリスクはありますので、避けられがちではありますが、メリットも少なからずあります。私の外来でも心血管精査のため撮影したCT検査にて他疾患が指摘され、他科での治療介入を早急に行えた症例もございます。他疾患のスクリーニングも兼ねてご検討よろしくお願いいたします。

動脈瘤以外にも、下肢閉塞性動脈硬化症・下肢静脈瘤・深部静脈血栓症等の疾患も当科にて診療を行っております。少しでも疑わしい患者様がいらっしゃいましたらご紹介よろしくお願いいたします。今後ともよろしくお願いいたします。

循環器病センター

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