心臓血管外科の鎌田と申します。
当科は科長である秦医師を中心とした5人で構成されており、皆診療への情熱を持ち日々勤務に当たっております。
心臓疾患、大動脈疾患は一人で立ち向かうには大きすぎる敵であり、循環器内科ドクター、循環器ナース、麻酔科ドクター、臨床工学技士、リハビリテーション士、等さまざまな専門職とともに日々奮闘しております。
このような循環器病センターとしてのチーム医療を行なっている中、当科心臓血管外科のターゲットとしている疾患は、狭心症、心筋梗塞、弁膜症、大動脈疾患、末梢動脈疾患など多岐にわたりますが、その中でも大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離)に特に力を注いでいます。当科科長である秦医師の考案しましたオリジナルの大動脈手術であるL I Q R(Less
Invasive Quick Replacement)とLIQS(Less
Invasive open Stenting)の他、下行大動脈人工血管置換術も循環停止と呼ばれる高侵襲な過程を行わずに施行するなど大動脈低侵襲手術に力を入れております。
このような大動脈手術の他、大動脈弁狭窄症に対するTAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)といった低侵襲手術にも尽力しております。現在大動脈弁置換術は65歳以上の2~3%が罹患しており、最もよくみられる弁膜疾患であり、年々増加傾向にあります。この病気は一旦症状が現れると急速に進行すると言われています。現在は外科手術が主体になっていますが、TAVIの出現から手術に耐えることのできないようなご高齢な患者様も治療できるようになりました。TAVIの適応は依然として制限はあるものの、その制限も下がってきております。侵襲の大きい外科手術ではなくカテーテル治療による開胸や人工心肺を使用しないで治療できる画期的な治療方法と言えます。
上記の他、閉塞性動脈硬化症と言われる下肢動脈疾患に対しても、内科、外科共に積極的なカテーテル治療も行なっております。
我々は、さきほど申し上げた通り、さまざまな職種の協力があってこその現在の循環器病センターがあると考えております。当院は心臓リハビリテーション指導士、手術看護認定看護師、集中ケア認定看護師など有資格者も在職しておりさまざまな角度から患者様の治療にコミットできる環境を整えています。心臓疾患、大動脈疾患へ少しでも良い医療を提供できるよう日々チーム一丸となり精進しております。