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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2022年6月号

2022年4月1日より日本大学病院消化器内科に赴任しました今津博雄です。


私は1991年に旭川医科大学を卒業後、2003年まで奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科に所属し、消化器内科医として研鑽を積みました。この奈良時代では肝・胆膵内視鏡による診断と治療に傾注し、研究面では門脈圧亢進症の新しい血行動態の診断法と結果に応じた治療ストラテジー(内視鏡治療)の開発を行い、国内外で学会・論文発表を行いました。この仕事がきっかけで様々な国内外の医師との出会いがあり、当時、世界一と思われた日本の内視鏡も胆膵領域では欧米に遅れをとっていることを痛感し、2003年から、ERCPのみならず、当時の日本では保険収載さえされていなかったInterventional EUS(治療的超音波内視鏡)を修得するためドイツHamburg大学内視鏡科(Nib Soehendra教授)に留学しました。ドイツでは多くの手技を行う機会を与えていただき、1年間の実地診療により目的とした胆膵内視鏡を修得し2004年に帰国しました。帰国後はドイツで学んだ胆膵内視鏡を実践し、東京慈恵会医科大学内視鏡科(教授)(2004/10〜2017/1)、日本大学医学部附属板橋病院消化器肝臓内科(内視鏡センター長)(2017/2〜2022/3)を経て、2022年4月1日より日本大学病院消化器内科に科長として赴任いたしました。

胆膵疾患の診断・治療には内視鏡が極めて重要な役割を担っています。対象となる疾患も炎症性から腫瘍性まで多岐にわたり、東京慈恵会医科大学から日大板橋病院に在任中は、年間1000件以上の胆膵内視鏡診療を行うとともに、安全に胆膵内視鏡を行うための内視鏡スコープやデバイスの開発を産学連携で行ってきました。具体的にはERCP関連治療手技では内視鏡的胆道ドレナージ術、内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)・バルーン拡張術(EPBD)・除石術、経口胆道鏡、磁石吻合術、術後再建腸管における小腸鏡を用いたERCPなど、EUS関連の治療手技では超音波内視鏡下穿刺技術(EUS-FNA)による胆膵疾患の組織診、急性膵炎後壊死に対するEUS下経消化管的ドレナージとネクロゼクトミー、閉塞性黄疸に対するEUS下経消化管的胆道ドレナージ術、EUS下肝膿瘍ドレナージ術、癌性疼痛に対するEUS下腹腔神経叢ブロック、EUS下Tattooingなどの高難度新規技術を含む胆膵内視鏡診療を行ってきました。また、EUSは予後が期待できる小膵癌を検出することができる唯一の検査法です。膵癌の危険因子(糖尿病、肥満、アルコール、家族歴、膵嚢胞、膵管拡張など)をピックアップしEUSを行い、EUS-FNAやERP下膵液細胞診による確定診断でStage 0もしくはStage Iの段階で膵癌を発見することにも注力してきました。

日本大学病院消化器内科赴任後は、これまでの自身の経験を生かして、安全で質の高い医療を患者さんに提供できるよう全力で取り組んでまいる所存です。また、日本大学病院には消化器病センターが開設されており、内科・外科の垣根を越えた連携が行われています。消化器外科と密な連携、協力を行い、胆膵疾患の診断、内視鏡治療、そして、化学療法、手術療法の適切な選択と移行を行ってまいります。消化器疾患で何かございましたら、是非、日本大学病院消化器内科をお役立ていただければと存じます。今後とも、より一層のご指導・ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。


消化器病センター

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