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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2022年7月号

脳神経外科【脳卒中は緊急治療が必要な疾患です】

脳卒中は緊急治療が必要な疾患です

脳卒中は突然発症する疾患で、大きく分けて頭蓋内出血と脳梗塞の2つに分けられます。頭蓋内出血は、さらにくも膜下出血と脳出血に分けられます。

症状は、頭痛、意識障害、運動機能障害、感覚障害、構音障害、視機能障害など、病態や発症部位により様々です。脳卒中の重症度は、病態によっても様々で、場合によっては重篤な後遺症が残存し、致命的になる可能性もあります。症状改善や症状悪化予防の目的で緊急手術が必要になることが多く、迅速な対応が必要になります。

脳出血に対しては、症状増悪予防目的や救命目的で緊急で手術が必要な場合があり、開頭血腫除去術や脳室ドレナージ術を行います。当院ではさらに内視鏡を使用した治療も行うことが可能です。脳梗塞に対しては、発症から早期に来院した場合、rt-PA静注療法や経皮的血栓回収療法(血管内治療)を行う必要があります。これらの急性期治療は、発症から施行までの時間に制限があります。そのため、脳梗塞は、脳卒中の中でも最も緊急性が高い疾患と言えます。


くも膜下出血に対しては、原因の破裂脳動脈瘤に対する再破裂予防を早期に行う必要があります。治療には、血管内治療 (コイル塞栓術開頭クリッピング術があります。くも膜下出血に対しては、従来行われてきた開頭クリッピング術以外に、カテーテルを使用したコイル塞栓術を行う割合が増えてきています。開頭を行う必要がなく低侵襲であり、また開頭手術では到達が困難であった動脈瘤に対しての治療が容易になり、治療の選択肢が増えています。しかし、血管内治療に不向きの動脈瘤も存在するため、動脈瘤の部位や形状に応じて開頭治療と血管内治療の適応を適切に判断する必要があります。当院では、患者の病態に合わせた適切な治療方法(血管内治療・開頭治療)の選択24時間365日行うことが可能です。


開頭治療と血管内治療

脳卒中に対する治療において、血管内治療(カテーテルを使用した治療)が果たす役割は大きく、当院でも第一選択治療です。

特に、急性期脳梗塞に対する治療の進歩は著しく、脳梗塞が完成する前にカテーテルを用いて脳の血流を再灌流させることができれば、症状を劇的に改善させる可能性があります。そのため、急性期の脳梗塞患者は、血管内治療が緊急で行える施設に搬送される必要があります。当院には血管内治療専門医と血栓回収施行医がおり、24時間365日緊急での経皮的血栓回収療法(血管内治療)を施行することができます

当院はハイブリッド手術室(手術台と血管撮影装置を組み合わせた手術室)を有し、高難易度の脳血管疾患(開頭治療・血管内治療のどちらか単一の治療法で治療困難な病態)にも対応しています。



都内に26箇所3次救命救急センターの1つとして

脳卒中には発症時から重症な状態も多いですが、当院は最重症の3次救急患者に対応できる千代田区内では唯一の救命救急センターになります。当院の3次救命救急センターには、2名の脳神経外科専門医が在籍しており、3次選定に関わらず救命が必要な重症の脳卒中に対しての緊急治療を、24時間365日迅速に対応しています。

日本大学病院 脳神経外科 

日本脳神経血管内治療学会認定医 梶本 隆太


日本大学病院 脳神経外科では、脳血管障害(血管内治療等)を含めた、脳腫瘍・頭蓋底疾患などの難疾患治療、頭部外傷など、あらゆる脳神経外科疾患治療に24時間365日取り組んでいます。

内科系・外科系診療科

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