泌尿器科【尿路結石について】
今回は泌尿器科の中でも一般的な疾患のひとつである尿路結石について紹介いたします。
2005 年の疫学調査では,上部尿路結石の年間罹患率(2005 年1 年間に尿路結石に罹患した人の割合)は人口10 万人対134 人(男性:192 人,女性:79 人)で,1965 年の第1 回調査時と比較して約3 倍,第4 回調査時(1995 年)と比較しても約1.6 倍増加しています。生涯罹患率(年間罹患率×平均寿命×100)は男性では15.1%,女性では6.8%となり,男性では7 人に1 人が,女性では15 人に1 人が一生に一度は尿路結石に罹患することになります。
治療方法ですが、一般に、尿路結石の治療は、体外衝撃波結石破砕術 (ESWL)と経尿道的尿路結石砕石術 (TUL) とがあります。両者とも開腹の必要なく速やかに日常生活に戻れます。ESWLは比較的簡単な治療法ですが、結石の位置や硬さによって破砕効果にばらつきがあり、破砕できても摘出することが出来ないことと、複数回の治療が必要になることがあります。一方、TULは結石を内視鏡で直接確認してレーザーで砕石するので、ほぼ確実に結石を砕くことができ、同時に破砕した破片を特殊な鉗子を用いて摘出することが可能です。その詳細について説明すると、細い軟性(もしくは硬性)の尿管鏡を全身麻酔下で、外尿道口(尿の出る穴)より膀胱、尿管、腎まで挿入し、結石を確認しながら、レーザーを用いて破砕します。破砕された結石はバスケットカテーテル(結石をつかむ器具)で回収するため、安全かつ確実に破砕から摘出が可能です。さらに術前に尿の停滞を起こしていた腎臓にステントカテーテルを同時に留置することが可能です。さらにステントカテーテルは外来で入院の必要なく局所麻酔下で内視鏡的に抜去が可能です。
しかしながら入院加療ができない場合、ESWLのある施設に連絡をとり迅速な対応が可能です。