昨年10月に旧駿河台日本大学病院から日本大学病院に移転、新規開院してから、電子カルテやその他のシステムの導入など慌ただしい混乱の時間が過ぎ、最近は軌道に乗り診療、研究、教育に携わることができるようになり、地域のみなさまとの信頼関係もより一層強いものになっていると確信しております。
病床利用率も目標まであと少しのところまで上昇し、病院のスタッフのモチベーションが上がり、病院全体の雰囲気も良くなっていることを実感しています。これもひとえに当院の近隣関係医療機関の方々のおかげと深く感謝申し上げます。
我々循環器病センターも診療内容が日々充実してきております。虚血性心疾患に対する冠状動脈バイパス術は手術死亡率全国平均で1.0%(100人に一人)すが、当院では0.5%以下と手術の成績も良好です。特に当院オリジナル低侵襲手術である、胸部大動脈瘤に対する軽度低体温ステントググラフト内挿術(LIQS:リックス法)は手術時間を従来の方法より大幅(1/3)に短縮し(約2時間20分)、術後の入院期間を短くし、また死亡率も低い優れた手術術式として認められ、今年3月26日付けの読売新聞にこの手術が紹介され、全国から見学者が来るようになり、また出張技術指導も行うようになりました。
また、腹部大動脈瘤、胸部大動脈瘤に対する低浸襲手術として大動脈ステントグラフト挿入術も積極的に行っています。この術式は鼠径部の数センチの傷で手術が可能で、従来の手術方法より体への負担が大幅に軽減、手術時間も短縮される優れた術式です。東京都大動脈スーパーネットワークにおける、緊急大動脈疾患の救急受け入れ件数、緊急手術件数ともますます増加しています。
従来はリスクの高い大手術と言われた大動脈疾患に対しても、患者さんの体にやさしい低浸襲手術を追求し、高齢者でも安心して手術を受けていただいております(最高齢92歳、手術後12日で退院)。手術のみならず退院までの患者さんの心のケアにも重点を置き、真心こもった診療を心がけております。