【当院のカラー眼底写真検査につきまして】
新緑の候、皆様にはいよいよご清祥のことと存じます。
平素より、多数の患者さまをご紹介いただきありがとうございます。
今回は視能訓練士、神本秀明が当院のカラー眼底写真検査についてお伝えさせて頂きます。
当院では3台のTopcon社製の散瞳型眼底カメラにて撮影をしています。来院された患者様の8~9割は医師からの指示で散瞳後に眼底写真を撮影しています。そのため1日の検査数は再診の患者様と新規の患者様合わせて約130件行っており、1か月の総数は約2750件になりますが、目的に合わせて撮影機種、撮影方法を工夫しています。例えば、後部ぶどう腫や脈絡膜腫瘍などでは、病変部位の深さや高さを強調し鮮明な画像として記録するために、散瞳型眼底カメラのスプリット輝線を利用したオートフォーカス機能を使用せず、検査員自ら、陥凹部や隆起部にピントを合わせています。網膜静脈分枝閉塞症や網膜動脈分枝閉塞症、糖尿病網膜症などは所見が周辺部に及ぶことが多いため広角眼底カメラ(Optos社製 California)で全体像を撮影し、周辺部の各部位の詳細な画像を残す場合は散瞳型眼底カメラで外部固視灯を用いて周辺部をパノラマ撮影しています。また、通常撮影時の画角は50°で撮影をしていますが画角を35°、20°と変更することで視神経乳頭部や前眼部の全体像まで撮影が可能です。
FAF(fundus autofluorescence) 眼底自発蛍光撮影ではコントラストの高い画像が得られるHeidelberg社のSpectralis OCT(SLO型)で撮影をしていますが、中心窩は黄斑色素のキサントフィルによるブロックの低蛍光所見をきたすため、それらの影響が少ない眼底カメラ型で撮影しています。
小児や固視が安定しない患者様には声掛けをして細かく固視を誘導、眩しがる患者様には観察光の光量の調整をして患者様の負担をなるべく減らした撮影を心掛けています。
さらにより良い眼底写真を撮影するため撮影技術の向上と疾患に対する知識を深めていきます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。