心房細動治療における生活習慣管理の重要性
今回は心房細動治療における生活習慣管理の重要性についてお話しいたします。
心房細動は、全身性血栓塞栓症とりわけ脳卒中の発症による生命予後の悪化や、心不全の発症、動悸症状によるQOLの低下、認知症や筋力低下、フレイル発症の要因となります。
治療としてのカテーテルアブレーションや適正な抗凝固療法だけではなく、心房細動患者さんの併存疾患を適切に管理、指導し食生活習慣を改善することで,心房細動の発症および進行に関連する心血管イベントのリスクを減少させることが重要といわれています。
心房細動患者における合併症の発症には,併存疾患(高血圧,心不全,冠動脈疾患,糖尿病,睡眠時呼吸障害など)の存在や肥満,喫煙,過度のアルコール摂取,運動不足などの生活習慣が大きく関係しています。体重減少,禁煙,過剰なアルコール摂取減量,定期的な身体活動など修正可能な危険因子を改善することは,心房筋の線維化、リモデリングの抑制をもたらし、心房細動治療後の再発抑制にも関係します。
肥満とそれにともなう高血圧や糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は心房細動発症のリスクを増加させます。食生活およびアルコール摂取量改善の指導管理や、適度な運動指導や身体活動を積極的に行うことも重要です。一方で50 歳以上の場合において一部の負荷が大きい過度の持久運動(マラソンや長距離トライアスロン、スキーなど)は心房細動発症を増加させるという報告もあり、適切な運動療法が必要といえます。
心房細動と診断された場合、OSASの存在がその後の治療にも影響を及ぼします。OSASは睡眠中の低酸素血症、胸腔内圧上昇、自律神経系の変動から心房細動のみならず心血管系疾患の発症を増悪させる。カテーテルアブレーションを施行するに際して、肥満やOSAS合併例では術中呼吸管理が困難となり安全性が損なわれる危険性や、アブレーション施行後の再発率を高めると報告されていることからも、OSASの診断および治療介入は極めて重要といえます
当院でのカテーテルアブレーションの特徴としては全症例を全身麻酔管理下で施行しております。麻酔専門医による麻酔管理下での治療手技により、高齢者や重症肥満、呼吸器疾患合併症例などの高リスク患者さんに対してもより安全な治療が提供できます。
心房細動と診断された折には合併心疾患の精査加療を行います。生活習慣の指導が必要であれば、栄養指導や心不全に対する心臓リハビリテーションを併せて行っております。
循環器内科 横山勝章(月曜日午後 金曜日午前午後)の外来までご紹介ください。今後ともお気軽に相談いただけますよう宜しくお願い申し上げます。