ときどき感じる胸の痛み:原因と検査方法について
【ときどき感じる胸の痛み:原因と検査方法について】
皆さんは、時々胸が痛くなることはありませんか?その痛みが一時的で、すぐに収まる場合もあれば、継続することもあります。この胸の痛みにはさまざまな原因があります。この記事では、その原因と、必要に応じて循環器内科で行われる検査についてわかりやすくご紹介します。
【胸の痛みの原因】
胸の痛みは、心臓や血管の病気だけでなく、筋肉や骨、さらにはストレスが原因となることもあります。
特に、次のような症状がある場合は、循環器内科での診察が勧められます。
運動時や階段を上るときに痛む
心臓を動かすための血液が不足する「狭心症」や「心筋梗塞」の可能性があります。
じっとしていても痛む
心臓の周りに炎症が起こる「心膜炎」や、心臓を覆う血管がけいれんする「冠動脈れん縮」が考えられます。
痛みが肩や顎に広がる
これも狭心症や心筋梗塞の症状のひとつかもしれません。
これらの原因を正確に調べるためには、専門的な検査が必要です。
【循環器内科で行う主な検査】
循環器内科では、症状や身体の状態に応じてさまざまな検査を行います。以下はその一部をご紹介します。
心エコー検査
心臓を超音波で観察する検査です。心臓の形や動き、血液の流れをリアルタイムで確認でき、心臓の筋肉や弁の異常を見つけるのに役立ちます。痛みはなく、体への負担も少ないため、最初に行われることが多い検査です。
冠動脈カルシウムスキャン(非造影CT)
心臓の血管にカルシウムがたまる「動脈硬化」の程度を調べる検査です。造影剤を使わずに行うため、腎臓の負担が気になる方やアレルギーのある方にも適しています。心筋梗塞のリスクを評価するうえで役立ちます。
冠動脈造影CT
造影剤を使って心臓の血管(冠動脈)を詳しく調べる検査です。冠動脈がどの程度狭くなっているかを正確に評価でき、動脈硬化が原因の狭心症や心筋梗塞の診断に欠かせません。
心筋シンチグラフィー
放射性物質を使い、心筋(心臓の筋肉)への血液の流れを画像化する検査です。運動中や薬剤を使って心臓に負荷をかけたときの血流の変化を調べることで、狭心症や心筋梗塞の診断に役立ちます。
心臓MRI検査
磁気を利用して心臓の詳しい画像を撮影する検査です。心筋の状態や心臓内の血流を評価するほか、炎症や心筋症などの診断に用いられます。造影剤を使うことがありますが、患者さんの体調に応じて調整します。
【胸の痛みを放置しないで】
胸の痛みの原因は多岐にわたりますが、特に心臓が原因の場合、放置すると重大な病気につながることがあります。早めに循環器内科を受診し、適切な検査を受けることが大切です。検査によっては痛みや負担の少ないものも多いので、心配せずに相談してみてください。
あなたの健康を守るため、私たち医療スタッフがお手伝いします。胸の痛みが気になる方は、ぜひ一度ご来院ください。