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日本大学病院

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ニュースレター

2025年3・4月号

アピアランスケア シリーズ第4弾「抗がん剤による眉脱毛に対してのアートメイク」

【アートメイクとは】

アートメイクとは、皮膚の浅部に専用の針で微細な穴を開け、同時に専用の色素を入れて定着させていく技法です。刺青(タトゥー)とは使用する道具や色素をはじめ皮膚に入れる深さも異なります。アートメイクは女性の方は知っている人も多いと思いますが、美容として眉毛やアイラインやリップの施術があります。眉毛のアートメイクでは、以前のようなベタ眉と呼ばれる海苔のような眉ではなく、現在の美容医療の技術では、まるで毛が生えているように見えるヘアーストローク法(3D)や、毛が立体的に見える2D4Dと非常に高度な技術へと進歩しています。

【抗がん剤による眉脱毛に対してのアートメイク】

乳がんの治療の1つとして抗がん剤治療がありますが、その副作用として脱毛は必発です。この脱毛は抗がん剤を開始してから23週間後に始まり、その後、頭髪はほとんど脱毛するのが一般的であります。頭髪の脱毛がイメージとして強いですが、実は、全身の体毛が脱毛しますので、眉毛やまつ毛も脱毛します。頭髪とは細胞サイクルが異なるので、眉毛やまつ毛の脱毛は、抗がん剤を開始してから約3ヶ月後に始まります。この脱毛の対策としては、頭髪に対してはウィッグ、まつ毛に対してはつけまつ毛、そして眉毛に対してはアートメイクがあります。2021年版の『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン』でFQ38「化学療法による眉毛脱毛に対してアートメイクは勧められるか」に対しては、

「アートメイクにより、がん患者のQOLが改善するエビデンスも、反対に、がん患者を対象とした合併症やMRI検査への支障などの害のエビデンスもほとんどない」と記載され、現在は科学的根拠のある治療法ではないですが、今後のアートメイクによるQOLへの効用や、色素素材の改良などによる安全面の研究が期待されています。

【当科における美容医療機関との医療連携】

当科では、乳がんの抗がん剤治療を受ける患者さまで眉アートメイクを希望した際は、当院と医療連携をしている横浜の元町にある『女性医療クリニックLUNA』の美容医療機関に紹介しています。美容医療としての最新の高度なアートメイク技術を提供してもらい、患者さまの満足度も高く、感染症などの合併症は認めず、QOL向上と整容性の維持に貢献出来ていると思います。最後に、アートメイクを美容から医療へのかけ渡しをすることが、これからの自分の仕事であり、アートメイクを通して、少しでも多くの患者さまの笑顔に貢献できるように努力していきたいと思います。

現在のアートメイクの施術法  抗がん剤による眉脱毛に対してのアートメイク 小関が監修したガイドブック

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