2016年4月より1年間、ニューヨークのコロンビア大学に留学させていただいております。博士論文が「加齢黄斑変性と感受性遺伝子」であったため、網膜の遺伝子疾患を学びため、Stargardt病の原因遺伝子を発見したAllikmets教授の研究室で勉強しております。臨床も忘れないよう黄斑疾患の大家であるYannuzzi先生のカンファレンスに毎週参加したり、硝子体手術の大家であるStanley Chang教授の手術の見学、外来の陪席等も行っています。ニューヨークは多くの人種が集っているため、まれな遺伝疾患など日本では見ることのない疾患をみることができ、勉強になっています。アメリカと日本の違いは、全てが資本主義と合理性によって進められていくところです。例えば保険制度の違いから富める者は教授に診てもらえるが、貧しい者は研修医が診察するといった格差があること、手術は完全分業制で日本のように白内障+硝子体の同時手術はしないこと、白内障手術は耳側切開のみ、硝子体内注射は診察室で手袋もマスクもせず担当医がその場で行うことなどが挙げられます。日本と比べてどちらの制度がよいかは結論は出ませんが、それらを経験できたことが一番の宝となっています。また、様々な国から研究者が来ているため、その国の制度を聞けるのも勉強になっています。私は現在、Stargardt病の画像解析と遺伝子型、網膜血管腫状増殖と遺伝子型について研究を行い、論文を書くことを目標にしております。
そして余暇ですが、ニューヨークということもあり、エンターテインメントを満喫させていただいております。ミュージカル、オペラ、ゴスペル、演劇など今まで日本でほとんど観たことのないものから、4大スポーツやテニス、サッカーなど一流の試合を観戦することができ、得難い経験をしています。不満は、物価が高いことでしょうか。昼ごはんを食べるのに1500円ほどかかりますし、家賃も日本の2~3倍します。そのため、自炊も多いです。
ニューヨークはお金さえ出せば何でも手に入りますが、一方で物乞いにも多く出会います。日本はなんて均質で平和な国だろうと実感しています。4月から日本に戻りますが、培ったことを生かせるところは生かし、日本の良い所も噛みしめながら診療に当たらせていただこうと思っています。