不整脈を見逃さない!新しい長時間記録心電計が拓く早期治療への道
近年、携帯型・装着型心電計は日常生活中で長時間の心電図記録が可能な検査ツールとして、不整脈疾患特に心房細動の早期発見や診断精度の向上に貢献すると注目されています。2025年、日本不整脈心電学会および日本循環器学会より、これらの機器の適正使用に関するコンセンサスステートメントが発表されました。
現在使用されている心電図装置には、リード付き携帯型(ホルター心電計)、貼付型、手操作型、スマートフォン連携型、時計型などがあり、時計型や着衣型は装着型と呼ばれ、貼付型は両者の中間的存在といえます。それぞれの特徴と利便性および精度についてご説明いたします。
① 携帯型:従来のホルター心電計:24~48時間記録、多誘導可能、検査精度が高い
② 装着型:腕時計型 着衣型 貼付型心電計:患者さんの負担が軽く、長期間(最大14日)連続記録可能。装着型は「貼るだけ」「着るだけ」で操作不要なものも多く、高齢者や多忙な患者にも適しています。
③ 貼付型・着衣型心電計:最大14日間の長時間連続記録が可能。従来のホルター心電図よりも3倍の検出率を達成できるケースもあり、無症候性の心房細動の発見に有効。
④ 手操作型心電計(オムロンなど):短時間(30秒)の記録で感度99%、特異度96%と高精度。ただし、症状がない場合は見逃しやすい。
⑤ スマートウォッチ(Fitbit®, Apple Watch®, HUAWEI Watch®など):PPG(フォトプレチスモグラフィー)を利用して常時監視が可能。通知精度は70〜90%程度だが、体動・肌色・肥満など環境要因で精度が下がる。
※ 注意点:フォトプレチスモグラフィー(PPG)は,発光ダイオード(LED)と光検出器を使用し心拍に伴う脈波の情報を得ることで、脈の乱れを検出するものであり、心電図そのものではありません。正確な診断には医療用心電計と医師の解析を要する場合があります。
当院で使用中または導入予定の着衣型・貼付型心電計をご紹介します。
【JSR社製Heartnote®】
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薄型・軽量・コードレス設計で最大7日間記録可能。防水仕様でシャワー・半身浴もOK。加速度センサー搭載。不整脈解析に加え、AIによる心房細動解析も対応。検査終了時に被検者は郵送で返却し外注解析される。 |
【eMemo WR-100(フクダ電子)】
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eMemo WR-100は、最大7日間の連続記録が可能な貼付型心電計で胸部に直接貼り付けるリードレス設計で検査終了時に病院へ返却し解析される。 |
【東レ・メディカル社製hitoe®】
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最大14日間の記録可能。着衣型で粘着剤不要のドライ電極を組み込んだ専用ウェアを心電計と組み合わせて使用する。通常の衣類と同様に着脱して入浴することが可能であり,心電計を取り外したウェアは家庭で洗濯できる。自宅等へ郵送され記録終了後に郵送で返却し外注解析される。 |
今回のコンセンサスステートメントでは発作性心房細動の診断に携帯型心電計,貼付型および着衣型心電計,手操作心電計の使用が強く推奨されました。
携帯型・装着型心電計の使用には、①医師や医療従事者の指示の下で使用し、②測定結果に基づく自己診断を避け、③結果だけでなく自覚症状も医師に報告することが重要です。確定診断に難渋する動悸症状、健診の2次精査および患者さんからのスマートウオッチデータに関するお問い合わせなど、病診連携を通してご紹介をうけたまわります。
循環器内科 横山勝章(月曜日午後 金曜日午前午後)大塚直人(月曜日午前)の外来までご紹介ください。今後ともお気軽に相談いただけますよう宜しくお願い申し上げます。


