ニュースレター7月号になります。今回は眼科サージカルについてご紹介します。当院では硝子体手術を数多く行っており、その手術件数は年間700件を越えています。最近は術者も増加し、さらに手術件数の増加を見込んでおります。また新病院となり眼科専用手術室が確保されておりますので、マンパワーさえ確保できればいつでも手術できる環境が整っています。急患には以前より手術室としては対応し易くなっておりますが、病床稼働率が上昇しており、急患を受け入れるベッドがない、3万円以上の有償ベッドしか空いていないなどの問題が発生し、ご紹介して頂いた先生にご迷惑をお掛けすることがあり、対策を急いでいます。
さて、最近の硝子体手術の進歩については先生方も耳にされることが多いのではないでしょうか? 硝子体手術は1970年初頭にMachemer らの17ゲージ(G)(1.3㎜)1ポート硝子体手術に始まり、1975年から20G(0.89㎜)の3ポート硝子体手術が完成し、約30年に渡り継続されました。そして2002年にJuanらによる25G(0.5㎜)硝子体手術、2005年Eckardtらによる23G(0.63㎜)硝子体手術が開発され、これらMIVS(Micro-incision vitrectomy surgery)が一気に普及し、硝子体手術は低侵襲化されました。今年からは日本人により発案された27G(0.4㎜)硝子体手術が開始されています。当院でも積極的に27G手術を取り入れています。器具の剛性が弱いといった問題点はありますが、大きな未来を感じさせてくれる新しい手術です。硝子体手術の発展には、もう一つ、広角観察システムの進歩を忘れてはいけません。鋸状縁までを観察しながらの手術が可能であり、MIVSとの相性が良く手術の安全性が高くなっています。特に術後網膜.離の減少にはこれらの要因が大きく関与していると考えています(中静 他:黄斑疾患に対する25ゲージ硝子体手術後網膜.離の頻度.日眼会誌119:402-409, 2015)。さらに付け加えれば、硝子体手術装置の進歩です。現在の27G硝子体手術では5000回転/分で硝子体を切除しています。これにより網膜.離でも網膜挙動も少なく、安全な硝子体切除が可能となっています。
硝子体手術の進歩により、今後増加する高齢者にとって、低侵襲で安全な手術を提供できると考えています。手術の進歩に伴い、手術適応も時代により変化します。今後のニュースレターでは各疾患についての当院の治療方針なども含めてご紹介したいと思います。
今後も紹介患者さんに対して最善の治療を行っていきたいと考えておりますので宜しくお願い致します。