臨床検査部

血液検査室

血液検査室では、臨床血液学に基づく検査を行っています。炎症で増加する白血球、貧血で減少する赤血球、悪性腫瘍や血栓で減少する血小板は代表的な検査項目です。さらに、脳心血管障害時の治療に用いられる治療薬の効果を判定するのに重要な役割を果たす凝固検査も当検査室で行っています。

骨髄検査による白血病の診断も行っています。臨床検査医、主治医、臨床検査技師の協調により最終診断を行います。

正常骨髄画像
正常骨髄画像
慢性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病
正常骨髄に比較して細胞の密度が
増加し、さらにさまざまな細胞が
一様に増加しています。
悪性リンパ腫
悪性リンパ腫
同じ系統の細胞が増加しています。

血球検査(白血球数・赤血球数・血小板数など)

全自動血球計数装置
(全自動血球計数装置)

血液検査室では、全自動血球計数装置UniCel DxH800(BECKMAN COULTER 社) (処理能力:1時間当たり100件)を2台導入し、検体到着から20分以内の報告を行っています。

血液形態検査

機器データからの情報を基に顕微鏡を用いた検査の様子
(機器データからの情報を基に
顕微鏡を用いた検査の様子)

白血球には、主に幼若好中球、成熟好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球があり血液形態検査では主にこの分類を行っています。これらの細胞は疾患や治療により増減し、疾患や治療と密接に関連するため迅速で正確な報告が求められます。当検査室では、機器からの情報を元に迅速で正確な報告を行っています。

凝固検査

術前検査(血液の凝固能を測定し手術を安全に行うための検査)や脳心血管異常時の抗凝固検査を主に行います。投薬に関する情報を提供するので、正確かつ迅速なデータの提供が求められます。血液検査室ではCP3000(積水メディカル社)を用いて検査を行っています。検体をセットしてから最短で約3分で測定が終了します。

第一化学検査室

第一化学(尿一般)検査室では尿定性、尿沈渣をはじめ、胸水や腹水などの体液、関節液、髄液、精液の検査、便潜血検査、感染症迅速検査などを行っています。

尿検査

尿定性

患者さんに非侵襲的であり、スクリーニング検査として広く行われており、自動分析装置で測定しています。項目は蛋白質、ブドウ糖、潜血、ビリルビン、ウロビリノーゲン、ケトン体、亜硝酸塩、白血球、pH、比重の10項目を測定しています。

尿沈渣

まず、自動分析装置を用いて測定します。その結果により、異常成分が出現しているなど詳細な再検査が必要な検体は「尿沈渣」検査を行います。尿を規定量(10 mL)試験管に採り、遠心をし、その沈渣成分を顕微鏡で観察する検査です。
観察される成分として、赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、真菌、腎機能が低下してくると出現してくる円柱、異型細胞(悪性細胞)、結晶などがあり、他にも多くの種類の成分が観察されます。
この尿検査により、腎臓、膀胱や尿道を含む尿路系の疾患である、腎炎、腎不全、尿路感染症、結石症、悪性腫瘍などを調べることができます。腎・尿路系以外にも肝疾患、糖尿病などを調べる検査にも利用されます。

全自動尿分析装置
(全自動尿分析装置、
全自動尿中有形成分分析装置各2台)
尿沈渣を観察する顕微鏡
(尿沈渣を観察する顕微鏡)
尿沈渣例:異型細胞
(尿沈渣例:異型細胞)
尿沈渣例:硝子円柱
(尿沈渣例:硝子円柱)

便潜血検査

大腸癌のスクリーニング検査として、免疫便潜血検査が広く用いられています。
感度を上げるために、主に2日法で検査されます。

感染症迅速検査

感染症迅速検査の多くの検査は約15分で検査結果の報告ができ、インフルエンザに関しては、約10分で検査ができます。また、当院では11項目が24時間対応しています。

24時間対応している感染症迅速検査

  • インフルエンザA型抗原B型抗原
  • RSウイルス抗原
  • ヒトメタニューモウイルス抗原
  • アデノウイルス抗原
  • A群溶血連鎖球菌抗原
  • マイコプラズマ抗原
  • 尿中肺炎球菌抗原
  • 尿中レジオネラ・ニューモフィラ1型抗原
  • 髄液中肺炎球菌抗原
  • 便中ロタウイルス抗原
  • 便中アデノウイルス抗原

第二化学及び免疫血清検査室

生化学自動分析装置
(生化学自動分析装置)
免疫血清自動分析装置
(免疫血清自動分析装置)

検査している項目

  • 肝臓機能検査
    AST〈GOT〉、ALT〈GPT〉、ALP(アルカリ性フォスファターゼ)、γ-GT(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)、総ビリルビンなど
  • 糖尿病の診断や血糖値のコントロール指標になる検査
    血糖(グルコース)、HbA1c(ヘモグロビンA1c)、グリコアルブミンなど
    ※血糖値は現在の、グリコヘモグロビンは採血時から過去1~2ケ月間の、グリコアルブミンは採血時から過去1ケ月間(特に直近の2週間)の血糖レベルの平均を反映しています。
  • 栄養状態の指標や炎症の有無など、全身状態を調べる検査
    アルブミン(ALB)、総コレステロール(TC)、CRP(C 反応性蛋白)、LD(乳酸脱水素酵素)など
  • 動脈硬化、高脂血症などの検査
    総コレステロール(TC)、HDL コレステロール(HDL-C)、LDL コレステロール(LDL-C)、中性脂肪(トリグリセライド)など
  • 酵 素・・・AST〈GOT〉、ALT〈GPT〉、LD〈LDH〉、CK〈CPK〉、γ-GT〈γ-GTP〉などの他にも数え切れない数の酵素がありますが各臓器由来の酵素を測定することにより、どの程度臓器に障害があるか推定する手がかりとなります。
  • 含窒素成分・・・蛋白質、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、アンモニアなど
    ※人体にとって重要な栄養源である蛋白質、その代謝産物を測定することにより全身の栄養状態、分解合成する臓器の状態が反映されます。
  • 心筋梗塞など心臓機能検査
    CK(クレアチンキナーゼ)、CK-MB、トロポニンI など
  • 腫瘍マーカー・・・AFP、CEA、CA19-9、CA125、PSA、SCC、PIVKAⅡなど
    ※腫瘍細胞が産生する物質を測定し、腫瘍の存在、部位、進行度治療効果などを推定します。
  • 感染症マーカー・・・HBsAg、HBsAb、HCV、HIV、梅毒TP、RPRなど
  • 内分泌学検査・・・甲状腺刺激ホルモン(TSH)、遊離サイロキシン(FT4)、遊離トリヨードサイロニン(FT3)、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリンなど
    ※ホルモンやその代謝産物を測定することにより、機能亢進症や低下症を推定します。
  • 血液ガス検査・・・血液の中に溶けている酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)やpHなど
    ※血液中の酸素や二酸化炭素の量を測定し肺の機能等を調べます。

検査にかかる時間

通常の生化学検査項目は検体が検査室に届いてから30~40分、感染症マーカー、腫瘍マーカーは60分以内に結果を報告します。これにより診察前に検査を行い、その検査結果により処方や治療を受けることが可能となります。

輸血室

全自動輸血検査システム
(全自動輸血検査システム)

より安全な輸血が行われるよう、血液製剤の発注、管理、払い出しを輸血室にて一元管理しています。また、輸血関連検査、自己血輸血、適正使用の推進などを行っています。

血液型

主にABO式とRh式の血液型を検査しています。
手術をする時(小さな手術を除く)、輸血をする時、妊娠した時などABO式とRh式血液型は必ず施行します。また、場合によっては他の血液型検査を行います。ABO式とRh式血液型以外の血液型は100種類以上あると言われています。

抗体スクリーニング

輸血や妊娠をすると抗体を作ることがあります。不規則抗体検査を行い抗体の有無を調べ、抗体があった場合は適合する血液を準備します。

交差適合試験

血液型検査、抗体スクリーニング検査を行った後、患者さんと供血者の血液が適合するかどうかの検査です。この検査を経て患者さんに輸血されます。

自己血輸血

待機的な手術で、不規則抗体陽性や稀な血液型の患者さんや、未知のウイルスなどの進入を防ぐためなど、自己の血液を貯血し必要となった時に返血しています。保存期間は35日です。

細菌検査室

細菌検査室ではヒトに感染症を引き起こす病原微生物(細菌、真菌、ウイルス、寄生虫)を検出するために、塗抹検査、培養検査、抗原検出検査、結核菌遺伝子検査を実施しています。

塗抹検査

各種検体や血液培養ボトル培養液をスライドガラスに薄く塗り広げ、染色をして顕微鏡で観察し、病原細菌の推定を行います。細菌の染色にはグラム染色、結核菌などの染色にはチール・ネルゼン染色があります。最新型の顕微鏡で観察し、画像を院内ネットワークに載せています。

顕微鏡
大腸菌
(大腸菌)
ブドウ球菌
(ブドウ球菌)

培養検査と同定検査

検体に存在する細菌を目で見える集落(コロニー)に育て(培養)、菌名を決めることを同定検査といいます。血液は液体培地が入ったボトルに入れ、自動培養装置で7日間まで培養します。寒天平板培地に発育した細菌の中で、病原菌を検索し、全自動細菌同定/薬剤感受性測定装置で検査をします。

培養検査と同定検査
培養検査と同定検査
培養検査と同定検査

薬剤感受性検査

感染症の原因菌と推定できる細菌が検出された場合、薬剤感受性試験を実施します。上記の自動機器を用い、治療のために有効な抗菌薬を調べます。

抗原・毒素検出検査

検体に存在している微生物を免疫学的検査法により、検体から直接検出する検査法です。ノロウイルス抗原、CD(Clostridium difficile菌)の抗原と毒素の検出を短時間で行うことができます。

結核菌遺伝子検査

病原体の特定の核酸塩基配列を検出・解析する検査です。当検査室ではLAMP法で結核菌の核酸増幅検査を行っています。臨床症状やレントゲン撮影で結核の疑いが強い場合には、培養検査と同時に、この短時間で検出できる核酸増幅検査を実施しています。

細菌検査室の重要な役割

近年、多くの医療施設で薬剤耐性菌の検出が問題になっています。耐性菌の検出や病院内感染の原因となりうる微生物の検出を、最初にキャッチできるのは細菌検査室です。私たちは、その情報を担当医と感染対策室に迅速かつ正確に伝える役割を担っています。幸いにも細菌検査室と感染対策室が隣接しているため情報伝達を円滑に行うことができます。

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