日本人女性の9人に1人がなるという乳がんですが、40歳以上の年代に多く、40歳から50歳代の女性のがん死亡原因のトップです。乳がんは早期発見が重要視されている病気でもあり、早期発見・早期治療による10年後の生存率は90%以上です。
乳がんが発生した小さな部分に留まり自覚症状もない状態なら、乳がんの手術も恐れる事はありません。早期発見のためには40歳から2年に1回、定期的に乳がん検診を受診することが大切です。日本大学病院では、10月の乳がん月間にあわせて乳がんや乳がん検診について知っていただき、乳がん検診の受診をお勧めしています。乳がん検診には3Dトモシンセシス(3Dマンモグラフィ)をお勧めします
日本大学病院に最新鋭マンモグラフィ装置 MAMMOMAT B.brilliant(ドイツ・シーメンスヘルスケア社製)が導入されています。従来の2D撮影よりも、3Dトモシンセシス撮影は乳がんを明瞭に描出しています(画像)。
皆様が検診に求めていることは、高い精度で“乳がんは無い”と判断されることでしょう。本装置の3Dトモシンセシス撮影は、50度という広い角度から乳房を多面的に撮影しており、病変の有無や良悪性の判断にとても役立っています。その撮影は5秒で済み、検診受診者や患者さんに大変好評です。
とくに以下に当てはまる方には3Dトモシンセシス撮影をお勧めします。
1. 乳がん、卵巣がん、膵がん(男性含む)にかかったご親戚をお持ちの方
2. 乳がん検診で経過観察や精密検査、追加検査が必要と言われたことがある方
3. マンモグラフィで高濃度乳房と言われたことがある方(超音波検査の併用もお勧めです)
検診日当日でも従来の2D撮影から3Dトモシンセシス撮影に変更でき、乳がん診療の高度施設で経験を積んできた放射線診断専門医2名がマンモグラフィーを判定しています。万が一、検診で乳がんが疑われた場合でも、乳腺外科医と乳がん診断を専門とする病理診断医がきめ細かな診療をしています。
是非3Dトモシンセシスを活用した乳がん検診を受診され、自身の身体と生活を守り皆様の愛する人たちを悲しませないために検診を受けましょう。
皆様のご利用を心よりお待ちしています。
(注:20代の方には、放射線の感受性と生涯における線量を考慮し、マンモグラフィを用いた検診は行っておりません)
3Dトモシンセシスでは腫瘍と周囲組織の引きつれが明瞭に分かります。