2015年9月1日に日本大学医学部附属板橋病院から転任いたしました。12月から、日本大学病院のHPにも掲載され、当病院の乳腺内分泌外科として正式に診療開始となります。当診療科は文字通り、乳腺疾患の患者さんを専門に診るところです。また、隣接する健診センターの乳房診察も当科で対応しております。
乳がん患者さんはご存じのように、右肩上がりに急増している疾患で、現在、日本で女性が罹患する癌の第1になっています。しかし、近年の治療や診断の進歩で、乳がんで亡くなる患者さんの数は頭打ちの傾向にあります。また、同じ理由で、再発してもその後に長期にわたり通常の社会生活が送れるような患者さんが増えています。このため乳腺の専門外来はどこでも混雑している状況です。今回、私も含めて3名の乳腺専門医と専修医の合計5名で診療に従事しています。早期の乳癌診療に欠かせない、マンモトームや乳腺MRI も完備しております。さらに12月からは日本大学医学部附属板橋病院から形成外科の専門医(副島一孝准教授)にも来ていただき、乳房再建の相談や診療ができる体制になりました。これで、乳癌の治療の5つの柱である、乳腺外科医、放射線治療医、外来化学療法室、形成外科医、病理診断医の体制が完備したことになり、充実した乳腺診療が可能になっています。
内分泌疾患は甲状腺疾患が中心です。現在、内分泌・甲状腺外科専門医は1名です。主に甲状腺に結節を有する患者さん、副甲状腺機能亢進症、バセドウ病の患者さんなどを診療しています。
すでに当科の外来は若干混雑し始めている状況ですが、5人の乳腺外科医(3名は専門医)が交代で毎日診療にあたっており、あらかじめご連絡いただければ、午後からでも新患患者さんに対応いたします。乳がん患者さんの場合、初診から1週間で診断をつけ、手術を要する場合には、初診から約1カ月で完結することをモットーにしております。これは、麻酔科の先生をはじめとした、複数の診療科の先生、コメディカルスタッフのご協力なしには達成できません。また、外来の化学療法室も充実したスタッフをそろえており、これらの人々とともにチーム医療のモデル診療科として患者さんのために尽力してゆく所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。