この紙面をお借りして総合診療センター、ペインクリニック外科についてご紹介いたします。麻酔科は中央手術室で麻酔業務を行っておりますが、朝の麻酔の導入が終了した後は、ペインクリニック外科で痛みを訴えて来院する患者の診療・治療を行っております。
当科で治療の対象としている痛みを起こす疾患としては帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、頭痛(緊急性のあるものを除く機能性頭痛である偏頭痛、筋緊張型頭痛、群発頭痛など)、頸椎疾患(変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症)による頸部痛や上肢痛、肋間神経痛、腰椎疾患(変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症)による腰下肢痛、がんによる痛みなど、他の診療科の対象疾患と重複している疾患が多数あります。
また、近年、明確な器質的な疾患がなくても痛みが起こってくることもありますし、精神的ストレス、環境の変化により痛みが増強してくる場合もあり治療に難渋することもあり、通院が長期間にわたる症例が多くなってきているのが現状です。これらの痛みに対し、ペインクリニック外科では神経ブロック(三叉神経ブロック、後頭神経ブロック、星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、腕神経叢ブロック、坐骨神経ブロックなど)、各種薬物療法(各種鎮痛補助薬、医療用麻薬をはじめとしたオピオイド)、光線療法(半導体レーザー、直線偏光近赤外線、キセノン光)、イオントフォレーシス(局所麻酔薬をしみこませたガーゼを痛み部位に貼付し、低電流を流し局所麻酔薬を皮膚、皮下組織に浸潤させる)をはじめとした各種治療を用いて治療を行っております。
ペインクリニック学会では1989年よりペインクリニック認定医制度が発足し、2006年にはペインクリニック専門医制度に改名しました。専門医の資格をとるには5年以上日本ペインクリニック学会正会員で、臨床医として6年以上の経験があることが基本的に必要で、かつ筆記試験、口頭試問に合格しなければなりません。当院ペインクリニック外科ではペインクリニック専門医の資格のある常勤医師5名、非常勤医師4名の計9名が診療・治療に携わっております。
なお、外来診療日ですが、月曜日は午前中のみの診療となりますが、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日は午前、午後に行っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。