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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2018年1月号

新年あけましておめでとうございます。本年度もアイセンタースタッフ一同、先生方からご紹介頂いた大切な患者様を丁寧にそして迅速に診察及び加療していきます。どうかよろしくお願いいたします。
さて、アイセンターでは、これまで多くの滲出型加齢黄斑変性(AMD)の患者様を先生方からご紹介頂いております。その中で日本人のAMDの半数以上を占めるAMDの特殊型であるポリープ状脈絡膜血管症(PCV)は、歪みの症状のみで視力良好な状態で受診されるケースからすでに中心暗点を自覚し高度の視力低下を来たした状態で受診されるケースまで様々です。初診時に視力良好なため加療を希望せず経過観察となる症例もありますが、多くの症例は時間の経過で悪化していくことが多いため早期治療を推奨しております。PCVの治療は抗VEGF薬硝子体内投与を第一選択として行ってきました。しかし、これまでも指摘されていることですが、頻回に施行しなければならない抗VEGF薬硝子体内投与は、患者様にとって精神的、経済的な負担になっています。抗VEGF薬硝子体内投与の治療回数を減らすための光線力学的療法(PDT)と抗VEGF薬硝子体内投与の併用療法ですが、視力良好症例に関しては治療後の視力低下のリスクが不明の為、積極的には行っていませんでした。しかし、今回、当院の患者様も何名か参加していただいたアジア数か国で行われたPCVに対する無作為化比較試験(第Ⅳ相国際共同試験)である<EVERSTⅡ試験>の結果が論文化されたことから、PCVの視力良好症例に関しても抗VEGF薬硝子体内投与とPDTの併用療法を行うことになりました。抗VEGF薬硝子体内投与単独治療の時は初回から導入期として月1回連続3回投与を所見に係わらず施行していましたが、今後は初回治療の翌月から所見に応じて必要な時に投与を行うPRNとし、毎月の診察を1月から開始する毎週木曜日と金曜日の午後の黄斑疾患専門外来で可能な限り行い、抗VEGF薬硝子体内投与を最小限となるようなプランで加療していく予定です。


下記はこの論文のタイトルと概要です。日本人の患者は約30%です。
<Efficacy and safety of ranibizumab with or without verteporfin photodynamic therapy for polypoidal choroidal vasculopathy: a randomized clinical trial. >
Koh A et al; EVEREST II study group. JAMA Ophthalmol. 135:1206-1213. 2017


目的は、視力良好症例を含めた無治療のPCVを対象にしたルセンティス単独療法(以下、単独群;154眼)、又はルセンティスとPDTとの併用療法(以下、併用群;168眼)による有効性と安全性を検討することで、主要評価項目は、12ヵ月後における最高矯正視力(BCVA)スコアのベースラインからの変化量と12ヵ月後におけるポリープの完全退縮率です。結果は、併用群は、単独群に比べ、12ヶ月後のBCVAの平均変化量(併用群8.3文字、単独群5.1文字)、およびポリープ退縮率(併用群69.7%、単独群33.8%)において優越性を示しました。また、12ヶ月後までのルセンティス総投与回数は、導入期3回を含み単独群7.0回、併用群4.0回で、12ヶ月後までの併用群の約33%は導入期の3回投与のみでした。また、PDTで危惧されてきた硝子体出血の発現率は併用群で0.6%(1/172例)、単独群で2.0%(3/149例)でした。
PCVに対するルセンティスと初回PDTの併用治療はルセンティス単独治療に比べて、良好な視力改善とポリープ完全退縮率を示し、又より少ない注射回数で実現できる可能性が示唆されていました。

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