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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2015年8月号

6月1日より日本大学病院内視鏡室長となりました西山と申します。日頃より当内視鏡室の業務に対しご理解、ご協力いただき感謝申し上げます。今後とも変わらぬご支援、ご指導の程よろしくお願い申し上げます。今回のニュースレターでは、私が取り組んでおります消化管粘膜下腫瘍の診断についてほんの少しご紹介させて頂きます。

中身を知りたい!! “胃粘膜下腫瘍の診断”

皆さんは大福の中身は何だろうと考えながらかじりついたことはありませんか?つぶあん、こしあん、栗入り大福、最近ではイチゴ大福などもあり中身は多彩です。外から中身を判別することが出来たなら安心してかぶりつくことが出来ますよね。

検診における胃バリウム造影検査、スクリーニング胃内視鏡検査など、日常行われる消化管検査でしばしば粘膜下腫瘍に遭遇します。胃粘膜下腫瘍にはのう腫、脂肪腫、平滑筋腫等の良性腫瘍や、GIST、カルチノイド等の悪性のポテンシャルを持つ腫瘍など様々な腫瘍が含まれます。いわば粘膜下腫瘍はかじりつけない大福なわけですが、そんな時に役立つのが超音波内視鏡検査であります。

大福と超音波内視鏡(専用機)

胃の壁構造が超音波内視鏡により描出され、粘膜下腫瘍の局在、腫瘍の内部エコーの状態を観察することで鑑別診断が行われます。当院の最新機器ではドプラを用いた血流評価、エラストグラフィによる腫瘍の硬度の評価なども行えるようになりました。

胃粘膜下腫瘍(症例:穹窿部10mm大GIST) 右は同症例の粘膜切開直視下生検施行時 白色調の腫瘤が粘膜下腫瘍である。

しかしながら10-50mmまでの粘膜下腫瘍が超音波内視鏡検査のみで全て確定診断できるわけではありません。状況に応じて、組織診断が必要になります。紙面に示した10mm大の粘膜下腫瘍ですが、組織診断まで行い、その結果GISTでした。診断後、消化器外科で腹腔鏡下胃部分切除術がおこなわれました。この経験から当院では超音波内視鏡吸引細胞診(EUS-FNA)や粘膜切開直視下生検による組織診断を積極的に行っております。

エラストグラフィ(症例:GIST) 青色はHard massを表している。

院内、院外問わず内視鏡検査のご要望には迅速に誠意をもってお答えする所存です。ぜひ検診後の二次検査、二次検査後の精密検査および治療の必要な症例をご紹介ください。

近隣の先生方からのご紹介の際は医療連携室にお電話いただければ、専門領域担当医の外来予約が可能です。また外来を経ず直接内視鏡/超音波検査枠がとれる予約もお受けしております。ぜひご活用ください。さらにまた急患も可能な限り対応いたしますのでお気軽にご相談ください。

消化器病センター

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