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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2018年3月号

春の訪れが待ち遠しい季節となって参りました。
大学病院も年度末となり、昨年入局しました榊原拓也、田村和樹、廣澤浩美各先生も逞しくなり、頼もしくなり、目を細めております。一方で4月からは新たに2人の入局者を迎える予定となっております。
さて、毎年恒例の第8回Surugadai Ophthalmic Clinical Conference(SOCC)が来る平成30年3月31日(土)に丸ビルホール(東京駅丸ビル内)で17:00-19:00に行われます。


森准教授:『加齢黄斑変性の治療;光線力学療法を再考する』
滲出型加齢黄斑変性(AMD)において、典型AMDとポリープ状脈絡膜血管症(PCV)の治療の第一選択は、抗VEGF薬硝子体内投与とされてきた。PCVはアフリベルセプト硝子体内投与により良好な治療効果が得られるが、頻回に施行しなければならない硝子体内投与は、患者にとって精神的、経済的な負担になっている。これまで視力良好症例に対して、抗VEGF薬硝子体内投与の治療回数を減らすための光線力学療法(PDT)と抗VEGF薬硝子体内投与の併用療法は、治療後の視力低下のリスクが不明の為、積極的には行っていなかった。しかし、アジア数か国で行われたPCVに対する無作為化比較試験である<EVERESTⅡ試験:PCVを対象にしたラニビズマブ単独療法、又はラニビズマブとPDTとの併用療法による有効性と安全性の検討>の結果が報告されたことにより、当院では視力良好症例を含めてPCVに対して抗VEGF薬硝子体内投与とPDTの併用療法を積極的に行うことを検討している。講演では、PDTを再考し、今後の日本大学病院の治療方針について症例を提示し、解説する。


北川助手:『緊急性の高い黄斑部出血の対応について』
中心窩を含む黄斑部出血は重篤な視力低下をきたし、治療せず放置すると視細胞や色素上皮の不可逆的な障害を生じ、永劫的に視力不良となる。そのため、適切な時期に治療が必要となる。黄斑部出血をきたす代表的な疾患として加齢黄斑変性、網膜細動脈瘤破裂があり、治療として抗VEGF薬療法、ガス注入(血腫移動術)、硝子体手術などがある。その選択は原疾患や出血の形態、大きさ、時期など様々なことを考慮して決定される。講演では症例を提示しながら当院で行っている治療法や成績を振り返り、対応について考えてみたい。


田中助教:『鑑別すべき網膜変性疾患』
 光干渉断層計(OCT)やOCTアンジオグラフィー(OCTA)の登場により、診断できる疾患は増加してきている。しかし、それらをもってしても日常診療において鑑別が難しい疾患は存在する。本講演では、比較的診ることが多い加齢黄斑変性・中心性漿液性脈絡網膜症などと紛らわしい疾患から、遺伝性の網膜変性疾患も含めて、具体的な症例を挙げて、鑑別のポイントを紹介する。
中静アイセンター長:『OCTで黄斑上膜を見つけた場合』
黄斑上膜は50歳以上の約6%にみられるとされ、高齢化社会に伴い増加が予想される。また光干渉断層計(OCT)の普及により無症状の黄斑上膜が発見されることも多くなった。
黄斑上膜は肥厚、収縮により変視症、大視症、視力低下を生じQuality of visionを損なう。硝子体手術の低侵襲化、安全性の向上により手術適応は拡大され、良好な視力回復が可能となった。しかし、変視症は残存することも多く、大視症が術後に悪化することも稀ではない。我々はより高い視機能を求めて視力0.9以上の視力良好例に積極的に硝子体手術を行っている。変視症、大視症の改善度、患者の満足度はどうだったのか?最適な黄斑上膜手術の時期などについて自然経過観察例も含めて考えてみたい。


昨年2月に行われた第7回のSOCCは、お陰様で199名と過去最高の盛況となりました。年度末のお忙しい時期とは思いますが、是非足をお運びいただけますようお願い申し上げます。講演後には懇親会の用意もしております。先生方と直にお話しできる滅多にない機会ですので医局員一同楽しみにしております。忌憚のないご意見、ご指導をいただければ幸いです。


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