早春の候、皆様におかれましては益々ご清栄の事とお慶び申し上げます。
今回のニュースレターでは、病棟医である私が、病棟管理で導入しておりますクリニカルパスの内容につきましてご紹介させて頂きます。
現在、外科スタッフは科長 林 成興をはじめ、教育医長 宋 圭男、病棟医長 五十嵐雅仁、外来医長 萩原 謙、病棟医 蛯澤記代子、宮国泰己、砂河由理子の7名で構成しております。
少ない人数でも、コメディカルのサポートを受け、日々大きなトラブルなく日常診療を進めることができております。その中でも、症例数の多い、胃切除、大腸切除、ヘルニア手術、胆嚢摘出術に関してはクリニカルパスを導入しております。
基本コンセプトは、早期離床および腸内環境安定です。術直後の腸管環境の改善目的にGFOを導入することにより、早期経口摂取の開始、術前からの整腸剤投与による腸内環境安定化を測っています。
以下に標準的な術後経過をお示しします。すべての経過において検査は適宜行います。
≪胃切除≫
手術2日前に入院し、(都合によっては前日)入院時より整腸剤服用開始します。前日の夜まで食事をし、当日手術を受けて頂きます。
手術翌日に水分開始。2日目よりGFO開始。4日目に患者様に画像を見て頂きながら造影検査を行い、視覚による理解を深め、食事指導の一環とさせて頂いております。食事は同日より開始し、徐々に食事形態を上げ、管理栄養士による栄養指導を受けて頂いた後、手術後10日前後で退院となります。
≪大腸切除≫
手術2日前に入院し、入院時より整腸剤服用開始します。手術前日より食事を中止し、下剤を服用して頂きます。
手術翌日より水分開始。2日目よりGFOの摂取、4日目より食事を開始し、徐々に食事形態を上げ、問題無ければ術後10日前後で退院となります。
≪ヘルニア修復術≫
手術前日に入院。手術翌日朝より食事を開始し、鎮痛剤を服用して頂きます。創部に問題無ければ手術翌日退院も可能です。平均手術後2日目で退院しております。
≪胆嚢摘出術≫
手術前日に入院。手術翌日昼より食事を開始し、鎮痛剤を服用して頂きます。採血等に問題がなければ、平均手術3日目で退院しております。
その他にも虫垂切除術も現在クリニカルパスを導入しようと模索している段階です。
何かご指摘・ご質問がございましたらご連絡いただければ幸いです。