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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2017年6月号

 日本大学病院消化器内科の岩塚邦生と申します。 平成28年4月から日本大学病院でお世話になっております。常日頃、近隣の先生方からたくさんの患者様をご紹介いただき、大変光栄に感じております。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。現在私は多くの先生に指導していただき、胆膵内視鏡の研鑽中です。今回はコンベックスタイプ専用機を用いた超音波内視鏡(EUS)、超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)および、interventional EUSに関して御紹介させていただきます。


超音波内視鏡(EUS)

 当院では、内視鏡検査、超音波検査を合体させた超音波内視鏡検査(EUS)を駆使して消化器疾患の診断を行っています。EUSは内視鏡的に消化管の内腔から、近接する粘膜、臓器を観察する検査です。消化管の癌の深達度の評価や膵臓などの深部にある腫瘍を詳細に観察することが可能です。


超音波内視鏡下吸引生検(EUS-FNA)

 超音波内視鏡にはコンベックスタイプとラジアルタイプがあります。コンベックスタイプの超音波内視鏡では検体の採取(EUS-FNA)が可能です。通常内視鏡では、消化管粘膜の観察および粘膜の採取を行い診断しますが、粘膜下腫瘍や膵腫瘍などは通常の内視鏡では組織診断が困難です。このようなケースではEUS-FNAが良い適応です。具体的には超音波内視鏡で診断したい病変を見ながら、内視鏡の先端から細い針を出し、病変に針を穿刺吸引して組織を採取します。


Interventional EUS

 Interventional EUSとはEUSの手技を応用した治療手技です。経乳頭的アプローチが困難な閉塞性黄疸症例における十二指腸・経胃的胆道ドレナージや、急性膵炎にしばしば伴う膵嚢胞ドレナージが代表的な手技です。これらは治療手技としては確立されつつあるものですが、施行するにはEUSの多数の経験と高度な技術を要します。これらの先進的手技についても、当院の客員教授である山雄健次教授の技術指導のもと、症例数を増やしていこうと思っています。


 当院では超音波内視鏡検査が必要な場合には迅速に対応、施行させていただくことができます。消化器内科一同、診療に役立つべく日々精進しております。もし該当される患者様がいらっしゃいましたら、医療連携総合センター(地域医療室)を通じてお気軽にお問い合わせ下さい。

 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。



コンベックスタイプの超音波内視鏡です。このように側管口を通して内視鏡の先端から穿刺針を出すことができます。



膵尾部の5mmの内分泌腫瘍に対してEUS-FNAを行っているところです。



胆膵グループメンバー: 岩塚 邦生、高橋 利実、山雄 健次*、中河原 浩史、武井 章矩

*EUSの世界的な先駆者の一人である山雄 健次教授です。当院の客員教授であり、高度な技術を要する先進的手技などを中心として技術指導をしていただいております。

消化器病センター

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