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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2016年12月号

心臓の検査というと、みなさんはどんな検査を想像されるでしょうか。なんだか怖い、と漠然と感じている方が多いのではないでしょうか。現在当院では様々な検査機器を用いて、最先端で短時間、安心、安全な心臓画像診断を実践しています。

本稿では、当院で行っている心臓画像診断についてご紹介致します。現在当院では、心エコー、経食道心エコーの他に最新の320列CT装置, 心臓核医学診断装置として半導体ガンマカメラ, PET-CT, および心臓撮影に最適な3テスラ/1.5テスラの各MRIを使用しています。いずれも患者様の主訴や病態に合わせて最適な診断ができるように選択して画像診断を実施しています。

循環器疾患として最も重要な狭心症を含む虚血性心疾患の診断は、胸痛などの典型的な症状がないことも多く画像診断によって治療が必要な疾患を適切に見つける必要があります。狭心症が疑われる患者さんにおいて、心臓の筋肉に十分な血流がゆきわたっているかを確実に診断し、治療が必要かどうかを判定できる検査が心臓核医学検査(心筋スペクト検査)です。当院では国内で5番目に半導体ガンマカメラD-SPECTを開院当初より導入し、最新の診断法を用いて虚血性心疾患の診断に役立てています。D-SPECTは椅子型のコンパクトな撮影装置で、従来の心臓核医学診断に用いられていたアンガー型のガンマカメラに比べて高解像度、高エネルギー分解能を有しており高画質で短時間の撮影が可能となっています。この特性を最大限活かした撮影プロトコールを当院で開発し、昨年より臨床に導入しています。従来の装置を用いた場合、虚血性心疾患の診断のための検査時間は3~4時間を必要としましたが、当院で全体の検査時間は70分程度となっています。検査当日のスケジュールは、検査室に入室後、負荷検査を行って1回目の撮影を行う前半部分と、食事休憩をはさんで撮影だけ行う後半部分から構成されています。検査当日は朝食およびカフェイン類を含むお茶・コーヒー・コーラなどは摂取をしないで来院していただきます。それぞれの撮影1回当たりの所要時間は10分以内で完了することが多く, 前半は体の血流を良くする薬や運動による負荷検査を行ってから撮影をしますが、検査の前半までの所要時間は30分前後となっています。後半の2回目の撮影は食事休憩をとっていただいてから約10分程度検査装置に座って撮影するだけですので、2回目の撮影を受けられる方はみなさんリラックスして検査を受けています。撮影された画像はすべて心臓核医学の専門医が読影を行い直ちに詳細な読影結果レポートを作成しています。

当院では心筋スペクト検査の他に心臓CT検査も用いて、心臓の動脈硬化の診断に役立てています。当院で使用している最新の320列CT装置は、高画質で短時間の撮影が可能です。心臓CT検査は、従来のカテーテルを用いた冠動脈造影検査に代わって15分程度の検査時間で鮮明な心臓の3次元画像を撮影できます。造影剤使用量やX線被ばく量は標準的な64列CTを用いた場合と比べて約30%以上減少しています。

心不全で入院された方や、重篤な不整脈を経験された方の中には、心筋症と呼ばれ心臓の筋肉の疾患がみつかることがあります。心臓MRI検査はそうした疾患や心臓サルコイドーシスという心臓に炎症がおこる疾患を診断するのに最適な検査です。検査の所要時間は1時間程度で詳細な心臓の形態、動き、心臓の筋肉の性状を調べることができます。心臓サルコイドーシスの診断については更にPET-CT装置を用いた診断を併用して、炎症の活動性や治療効果判定にも役立てています。

心臓の詳しい検査をご用命の際は是非、当院循環器内科にご相談ください。

循環器病センター

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