2016年最初の循環器科からのお知らせをさせていただきます。
旧駿河台日本大学病院時代から当院は千代田区近隣や23区内のCCU(coronary care unit)の拠点病院として、心臓性心肺停止例を含めた心筋梗塞、不安定狭心症の急性冠症候群の治療にまい進してまいりました。
2013年4月より私が救命センターのCCUに勤務させていただくようになってからも、緊急で加療をできる医師を増やすべく救命センターや循環器の医師たちと切磋琢磨してまいりました。現在では、緊急CAG(冠動脈造影:coronary angiography)を行い同時に緊急PCI(経皮的冠インターベンション:percutaneous coronary intervention)も行える技量を持つ医師が救命センターに私を含め5名、そして現在循環器で緊急のon call体制を5名の医師で組んでおり、合計10名で24時間体制のCCU管理をおこなっております。
新病院開院より放射線技師も新しいメンバーが加わり、夜間on callも5人で24時間のCAGバックアップ体制を確立し、おかげさまで2014年10月から1年が経過いたしましたが、急性冠症候群(来院時 心肺停止、心室穿孔(破裂))症例を除く)の死亡は0件でありました。この結果は救命センターと循環器内科、放射線の良き連携とチームワークで得られた結果と考え、これからもより良いチームを目指して地域の心臓救急に貢献できればと考えております。
胸痛症候群に関しても、循環器の一般外来と、2次救急外来で診察させていただき、緊急を要する場合は上記チームに速やかに連絡があり加療させていただいております。胸痛でお困りの際は外来受診または、電話等でご連絡をいただければ担当スタッフがなるべく速やかに対処させていただきます。
また、チームといえば近年ハートチーム(心臓治療に携わる 内科、外科、放射線科、麻酔科、臨床工学士、看護師によるチーム)が大きく注目されております。これはTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術:transcatheter aortic valveimplantation)治療が2013年10月に日本に導入され内科と外科のチームでの加療が必須となり、さらに脚光を浴びることになりました。当院でも2015年10月31日にTAVI治療の施設認可がおり、現在ハートチームでトレーニングならびにカンファレンスを行っている最中です。また大動脈弁治療外来を1,3,5週の土曜日に専門外来として行っており、心雑音などで大動脈弁疾患の疑われる方の外来受診をなるべく受診しやすくさせていただくようにいたしました。循環器は虚血性心疾患とともに今後大動脈弁狭窄症に対してもカテーテルによる治療に携わっていく新しい年と考えております。最高のスタートが切れるようにスタッフ一同がんばります。今年もよろしくお願いいたします。