先生方におかれましては、新型コロナウイルス感染症により、診療から日常生活に至るまで多大なる影響が生じ、大変なご苦労のなか、常々、患者様を多数ご紹介下さりありがとうございます。
当院では加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症に対する加療の実績が多く、製薬企業から新規治療薬の臨床試験の依頼があり、これまで様々な臨床試験に多くの患者さまにご協力頂きました。
最近の傾向では、抗VEGF注射については、バイオシミラーの依頼が増えてきております。バイオシミラー(バイオ後続品)は、厚生労働省のホームページからの引用になりますが、薬事承認上は新薬ともジェネリック医薬品とも異なる取扱いを受けるもので、国内で既に承認・販売されているバイオ医薬品の特許期間・再審査期間満了後に、異なるメーカーから販売される、先行バイオ医薬品と同等/同質の製品で、薬価は原則として先行バイオ医薬品の70%に設定されるため、患者アクセスの向上や医療費の軽減につながることが期待されているとあります。現在の加齢黄斑変性に対する硝子体注射の抗VEGF剤は高価で、継続的に複数回投与が必要な患者さまも多く、高価であることが、治療中断の理由の一つになっております。既存の薬剤と同等の効果と安全性が確認されたバイオシミラーの抗VEGF薬の早期使用が実現できるために、日本大学医学部の治験審査委員会の審査、承認を得られた臨床試験には、積極的に参加していきたいと考えております。
臨床試験に参加して頂く患者様のメリットは、臨床試験ではありますが、既存の薬剤と同等に近い効果と安全性が得られる可能性が高い薬剤を一定期間計画的に投与でき、かつ費用が掛からないことです。患者様の参加の基本条件は、これまで抗VEGF注射を含め加齢黄斑変性の治療を行っていないことになりますので、患者様をご紹介下さる先生方へのお願いは、抗VEGF注射の適応のある患者様がいらっしゃいましたら、無治療の時点でご紹介頂けると、臨床試験に参加できる基準が一つクリアになります。ただし、まだ視力良好であったり、黄斑部の滲出が軽度である場合や、あるいはすでに進行して出血が高度であったり、病変が大きすぎる症例は、患者様が参加を希望されてもエントリーできないこともあります。
さて、本年1月号のニュースレターでお知らせいたしました、アイセンターの病診連携の会である第10回 Surugadai Ophthalmic Clinical Conferenceが4月3日(土)にWEBにて開催されましたが、院外の156人の先生方に御視聴頂きました。改めて感謝申し上げます。来年も開催いたしますので、ご参加よろしくお願いいたします。
最後にカラーアトラス 眼底図譜 第7版の出版のお知らせです。湯澤美都子名誉教授と川村昭之先生が第6版を執筆されていますが、今回、第7版については、私も執筆メンバーに加わりました。日本大学病院アイセンター(旧;駿河台日本大学病院)は、私が入局する遥か前から眼底疾患の診断と治療に特化してきました。現在も、患者様をご紹介して下さる先生方のおかげもあり、アイセンターの医局員とスタッフの団結力で、日々の診療や研究ができ、それを引き続くことができています。その結果、第7版が刊行できたと思っております。第7版は、OCT angiographyを含め多量のきれいな画像が、最新の内容とともに収載されています。きっと皆様のお役に立つ一冊になるかと思います。是非、お手元に一冊、置いて頂ければ幸いです。
国内の新型コロナウイルスのワクチン接種が遅れてはいますが、この状況が一日でも早く終息へ向かいますことと、皆様のご健康をお祈り申し上げます。