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日本大学病院

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ニュースレター

2023年3・4月号

乳腺・内分泌外科【乳がんについて】

乳腺内分泌外科 コラム第2弾   『 乳がん検診を受けましょう 』


【日本における乳がんの現状】

日本では、女性の癌の中で罹患数が最も多いのが乳がんです。乳がんの罹患数は年々増え続けており、自分が20年前に医師になった時は20人に1人でしたが、現在は9人に1人の日本人女性が乳がんに罹患しています。さらに、日本では乳がんになる確率が高くなるのに比例して乳がんによる死亡率も増加しています。

一方、欧米では8人に1人の女性が乳がんに罹患しており、日本より罹患率が高い現状にありますが(現在は日本も同じ位の罹患率です)欧米における乳がんの死亡率は、1990年頃から減少に転じています。これは、マンモグラフィ検診の普及と適切な全身補助療法の進歩により達成されたといわれています。欧米の乳がん検診受診率は70~80%であり、早期発見・早期治療に繋がっていますが、これに比べ日本では対策型乳がん検診システムが整っているのにもかかわらず、その受診率は37%前後と低いのが現状であり、乳がんの発見・治療の遅れが、死亡率増加の一因となっています。


【乳がん検診】

乳がん検診は、国の政策として税金を投入して市町村が提供する対策型乳がん検診(住民検診)と、それ以外の個人の自費で受診する任意型乳がん検診(人間ドックや職域検診)があります。乳がん検診は、乳がんによる死亡率の低減を目的として行われています。現在、乳がん死亡率減少効果の科学的根拠が証明されているのはマンモグラフィ検診のみであり、日本人女性の乳がんの好発年齢を考慮して、日本では40歳以上の女性に対してマンモグラフィ検診が推奨されています。しかし、日本人の乳房は乳がんがあってもマンモグラフィで発見されにくい高濃度乳腺が多いこと、また、最近では40歳未満の女性の乳がん罹患率も増えていることから、若い年代からも乳房エコーを併用した乳がん検診を自分は勧めています。乳房エコーに関しては、乳がん検診での乳房エコーの有用性を研究している臨床試験(J-START)が現在は行われています。


【乳がん検診の啓蒙活動】

先日、タレントで元SKE48の矢方美紀さん(30歳)と対談させて頂きました。矢方さんは25歳のときにセルフチェックを機に乳がんの診断を受け、左胸を全摘出。今も治療を続けながらご自身の体験を発信しています。最近では、インターネットの普及もあり、SNSでの乳がん検診の啓蒙活動も自分は必要と考えています。ご興味があれば下記を見てもらえると嬉しいです。




▶ YouTube  

https://www.youtube.com/watch?v=x1nPtwkY55E-

▶ タレント矢方美紀さん&乳腺専門医小関淳先生の対談記事

https://www.lettuceclub.net/news/article/1102879/



                          

内科系・外科系診療科

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