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日本大学病院

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ニュースレター

2024年11月号

下肢閉塞性動脈硬化症についてQ and A

今回は下肢閉塞性動脈硬化症についてQ and Aで説明します。

 

Q1.下肢閉塞性動脈硬化症は、なぜ深刻な病気なのですか?

A  間欠性跛行が代表的な症状です。その患者さん100人を5年間調査すると、足の傷が治らなくなり足の切断が必要になった方は5人でしたが、30人の方が亡くなっているという統計があります。亡くなった方の75%は心筋梗塞、脳卒中が原因でした。また、生存しておられる方の25%が心筋梗塞、脳卒中を発病していました。すなわち、下肢閉塞性動脈硬化症が生じると、脚壊疽になり、脚を切断することも深刻ですが、それ以上に心筋梗塞、脳卒中で命を落とす危険が高くなるのです。動脈硬化は下肢血管のみに生じるわけではなく、すでに全身の血管にも生じているのです。また、糖尿病・透析・高齢者の方には下肢症状を有さない無症候性下肢虚血が多いと言われていますので、より早期発見が重要です。

 

Q2.下肢閉塞性動脈硬化症は簡単に診断できますか?

A 上腕に対しての下肢血圧を比でみたABI検査が有用です。通常は下肢血圧のほうが高くABI0.9以上が正常で、それ以下の場合は下肢動脈の狭窄が疑われます。下肢造影CT検査で血管の動脈硬化部位や程度を評価します。腎機能低下や喘息など造影剤使用の難しい方は、非造影MRIで評価を行います。心臓や血管の病気にかかるリスクの高い50歳以上で喫煙歴のある男性、糖尿病、腎臓病をお持ちの方、65歳以上の人には年に1ABI検査を受けてほしいと思います。またABIのみならず、動脈硬化疾患リスクの高い方は、心筋SPECTや頚動脈エコーを含めた、脳・心・下肢の心血管スクリーニング検査も随時行っております。紹介いただければ、2日程度で検査を組むことが可能です(一泊二日入院でも可能です)。

 

Q3.下肢閉塞性動脈硬化症の治療として血管内治療とバイパス術があると聞きますが?

A 一般的には、高齢で全身状態の悪い方、病変部位が短い場合などは血管内(カテーテル)治療、病変部位が閉塞で非常に長い場合や、複数・複雑病変などは外科的手術を検討します。病変状況にて血管外科とのチームで治療方針を検討させて頂きます。

 

Q4.紹介方法はどのようにすればよろしいでしょうか?

A. 間欠性跛行や動脈硬化ハイリスクで心血管スクリーニングのご希望は、下肢動脈外来(月曜午後)、 または循環器内科 松本真明の外来(月・水 午前)にご紹介ください。また、創部処置が必要な足趾・踵の潰瘍・壊疽がある場合はフットケア外来(火曜・木曜日)にご紹介いただければ、下肢閉塞性動脈硬化の精査もさせていただきます。

 

今後ともお気軽に相談いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

循環器病センター

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