重症アレルギー性鼻炎の外科的治療につきまして
日頃より当院耳鼻咽喉科にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、暖かくなり、スギ花粉症の季節も終盤を迎えますが、通年性アレルギーや重症のスギ花粉症に悩まされている患者さんは少なくありません。点鼻薬や内服薬、アレルゲン免疫療法など、標準的な治療で十分な効果が得られない患者さんにおかれましては、日常生活への支障も大きく、治療に難渋されているケースも多いかと存じます。
このような重症のアレルギー性鼻炎に対し、当科では「後鼻神経切断術」を治療選択肢の一つとして積極的に行っております。この手術は、鼻腔の奥にある、鼻水やくしゃみといったアレルギー反応を引き起こす神経(後鼻神経)の一部を選択的に切断することで、過敏になった鼻の粘膜の反応を抑制するものです。
特に、内視鏡を用いて行う後鼻神経切断術は、以前に比べて患者さんへの負担が少なく、安全性が高まっております。主な効果としては、頑固な鼻水やくしゃみに対する高い改善効果が期待でき、鼻づまりにもある程度の効果が見られます。既存治療で効果が不十分な方、眠気などの副作用で内服薬の継続が困難な方、根治的な治療を希望される方などが良い適応となります。
手術と聞くと患者様も抵抗を感じられることがありますが、当科では耳鼻咽喉科専門医が患者さん一人ひとりの病状を詳細に評価し、手術適応について慎重に判断しております。また、手術のリスクについても十分に説明を行い、患者様が安心して治療を受けられるよう努めております。
日々の診療で、重症アレルギー性鼻炎によりQOLが著しく低下している患者さんがおられましたら、ぜひ一度、当科にご紹介いただければ幸いです。当院との病診連携にご協力いただくことで、患者さんにとって最適な治療を提供できるものと確信しております。
今後とも、地域の先生方との連携を密にし、地域医療に貢献できるよう努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。