新機種OCTA<SOLIXの導入>について
若葉の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
常々、多くの貴重な患者様をご紹介頂きありがとうございます。
今月のニュースレターでは、日本大学病院視能訓練士・後藤肇より、当院で新たに導入したOptovue社製のOCT angiography(OCTA)機器「SOLIX」についてご紹介させていただきます。
OCTAは登場から数年が経過し、当初は新生血管や無灌流領域の検出を目的とした検査として、蛍光眼底造影検査の代替手段に位置付けられていました。しかし近年では、OCTA内部ソフトウェアの改良により、特に新生血管においては蛍光眼底造影検査以上に明瞭な描出が可能な病変も多く確認されるようになっています。検査時間が短く、さらに非侵襲的であることから、アレルギー体質の方や高齢者、高血圧・腎機能障害を有する患者様にも施行できる検査として、網膜硝子体疾患の診断には欠かせないものとなっています。
当院においても、月平均約700件のOCTA撮影を実施しております。
SOLIXは過去のニュースレターでご紹介したRTVue XR_Avantiの後継機でさらなる機能向上が図られた最新機種です。網膜OCT、OCTAに加えて、前眼部OCTの撮影が出来る機種です。性能面ではピクセル数の向上により高画質な画像となり、スキャンスピードの上昇により検査時間がより短縮し患者様への負担が減りました。OCTAの最大撮影画角が前機種の最大8mmから最大12mmへ、更にパノラマ撮影で合成することで17mmと拡大し、これにより、視神経乳頭を含む領域の描出が可能となり、糖尿病網膜症や網膜血管閉塞疾患における広範な無灌流領域の評価に非常に有用です。また、前機種にはない広角レンズが装着可能となり、網膜OCTでは最大16mm、スキャン深度6.25mmとなったため病変部が広範囲に及ぶ様々な疾患にも有用です。前眼部OCTにおいても、最大スキャン幅18mm、スキャン深度6.25mmとなり、1スキャンで両端の隅角さらに水晶体後面までの撮影が出来るため狭隅角や水晶体混濁の有無や程度の診断に有用です。
日本大学病院の視能訓練士一同は、より質の高い画像をお届けできるよう、日々技術と知識の向上に努めております。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
SOLIX
12mm×12mm
9mm×9mmのパノラマ画