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留学・国際交流

慶煕大学校 Jさん(経済学部)

慶煕大学校交換留学報告書

韓国での1年間の留学生活で感じて学んだ。留学といえば主な目的は語学習得だが、私は韓国の大学生活や学生の考え方が日本とはどう違っているのかを知りたいと思い、それらを経験するために留学することを決めました。以下に今回の留学生活を通じて経験したことを述べたい。
韓国は日本と同じく東アジア文化圏であり、日本とは地理的にも最も近い国だ。だから大学生活も日本と似通っていると思っていたが、実際留学して生活してみると日本の大学生活とは違ったことが多かった。一番の違いは学生の大学生活に対する「意識」の違いだ。韓国の大学生は忙しい。韓国の大学生は大学を大企業に就活のための最後のスッテプだと捉えており、そのために大学1年生の頃からやるべきことが非常に多い。まずは大学1年生の時からの成績管理(つまりGPAを高く保つこと)に始まる。少しでも高い成績を取るために、テスト期間となれば皆必死に勉強し、大学側も図書館を24時間解放し、夜遅くまで大学で勉強する学生のために無料の夜食を配るなどのサポートをします。

また、多くの学生は大学を休学し語学を学ぶために海外留学をします。行き先は英語圏が最も多く、次に中国、日本という順です。基本的に全ての学生が経験やスキルを得るために在学中に1、2年休学するので、日本の大学生と比べると韓国の大学生は卒業するまでの期間が長いことです。
何故、韓国の大学生は成績管理をしたり、海外留学をしたりするのかと言うと、その理由の一つとして、韓国の大学生は就活時の大企業志向が非常に高いということが挙げられます。また、何がなんでも大企業に就職しなければならないという周りの期待や社会的傾向が強いのもその原因の一つと言えます。韓国の企業も大学生に求めるものは高く、いわゆる入社してすぐに活躍できる即戦力を求めます。なので、韓国の大学生は他の大学生より高い成績を取り、休学をして海外留学などを経験してより高いスキルや能力を持って就職活動に挑まないといけないのです。また、休学に費用がかからず、無料で出来るため、休学を頻繁に行うことができるというのも、要因の一つと言えます。

このような社会傾向や政府の政策等により、韓国はSAMSUNGやLGなどの大企業は世界的な企業へと成長を遂げましたが、韓国内の中小企業は弱く成長しにくい環境にあります。世界的に見れば韓国経済は成長著しいですが、その成長のほとんどを少数の大企業に頼っています。これは韓国経済が大企業の経営状況に左右されやすい状態になっており問題になっています。また大企業の主な主力製品はスマートフォンでありましたが、今世界的にスマートフォン市場は飽和状態になっているので、更なる成長のためには新しい技術開発等や中小企業の成長が重要になってきていると思います。今韓国で社会問題になっている貧富の格差拡大問題や不動産問題を今回の留学を通じて知る事ができました。
現在韓国と日本は独島•竹島領有権問題や歴史問題で関係が悪くなっていて、今回の安部総理の靖国神社参拝などで更に関係が悪化しています。またマスコミでもその事を大きく報じておりますが、実際に韓国の大学生と話してみると日本に対して悪い感情だけを抱いているわけではありません。日本語を学ぶ学生も多く、日本に留学することを考えている学生もいます。また、韓国には多くの日本文化が入って来ています。食べ物では寿司やラーメンなどが挙げられます。日本で有名なお店も韓国に進出しており、簡単に日本食を食べる事ができます。また、日本のアニメ、漫画、ドラマ、映画等のサブカルチャーも至る所で目にすることができます。このように韓国の学生は日常的に日本の文化に触れており、韓国の大学生と話をしてみると日本について多くのことを知っているのだなど感心することがあります。日本にいるときは韓国の大学生が日本についてあまり知らないと思っていて、彼らは日本のことが嫌いなのだな思っていました。でも、韓国の大学生一人一人と話しているうちにそれは先入観に基づく偏見なのだと感じるようになりました。日本と韓国の人はお互いにお互いのことをよく思ってないと誤解している部分が往々にしてあると思う。お互いもっと交流してお互いの事をわかり合うことで日韓関係はもっと良くなるはずです。日本と韓国は地理的にも近く歴史的にも関わりが深い両国ですので、お互い協力し合えばもっと発展し合うことができます。交換留学制度はその国文化や人々に触れ合う良い機会です。現地に行き生活する中で学ぶことは多いものです。日本にいるだけでは経験できないこともたくさんあります。

最後に、学習面についてですが、慶煕大学校では、専攻である経済学だけではなく、経営学、法学、観光文化学を学び自分の専門知識を広げることが出来たと考えています。また、経済学でも経済学の理論的な基礎は万国共通ですが、実際の経済発展の仕方はその国によって違うということを、授業や新聞などを通じて韓国特有の経済問題や発展モデルについて学ぶことができました。今後は今回の交換留学で学んだことを生かせるよう、日本と韓国の文化交流に助けになる活動をしていきたいと思います。
慶煕大学の友達と地下鉄のホームで撮りました。
雪が積もった慶煕大学のキャンパス。慶煕大学のキャンパスはとても広く麗です。そのためドラマなどの撮影でよく使われます。
お気に入りの韓国料理・タッカルビ(鶏肉カルビ)の写真