税法問題事例研究
実務界から学界に転出し、国会参考人や法廷での鑑定証言も多い著者の半世紀に及ぶ租税の法学実践論的研究の集大成。基盤に憲法第三十条(納税の義務)及び第七章財政の研究を置き、二つの基本的な視点を挙げる。一つは判例集に表れない「生ける法」の客観的研究。もう一つはどのような法実践論が最も憲法的価値、応能負担原則等の趣旨に合致するかの考究。取り上げた事例の中には、政党への政治献金と課税、コンビニに係るチャージ契約の違法性、国民健康保険税・介護保険料の違憲性など、身近なテーマが多数。東京都の「銀行税条例」違法判決批判には都知事あての「私信」も併録。著者の人間味があふれている。
巻末の十二章に及ぶ「納税者の権利のたたかいの実践例とその背景」は納税者の味方の証し。全編、納税者本人の立場に立って主張・立証している労作。
書籍名 | 税法問題事例研究 |
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著者名 | 本学名誉教授 北野弘久・著 |
月号 | 2006年冬季号 No.106 |
価格 | 9,200円(税別) |
出版社情報 | 東京都文京区水道2-2-1、勁草書房 |