宮﨑乾朗のミンボー事件簿
戦後最悪の不況の原因の一つに、多額の不良債権を抱えて倒産したいわゆる住専問題がある。この問題を一層複雑にしているのは、不良債権のかなりの部分に暴力団が深くかかわっている事実だ。債権の担保となっている不動産に、暴力団などが不当に介入、担保処分をさらに困難にし、債権回収を強硬に進めようとする金融機関に対しては、見せしめ的に暴力事件を引き起こす。危害を恐れて金融機関の担当者は毅然とした態度が取れず、回収可能な債権も回収しない。
著者は民事介入暴力を主に扱う、いわゆるミンボー弁護士。本書は、著者が30余年間に扱った数百件の民暴事件の中から銀行、保険などの金融機関、大手スーパー、中堅メーカーが標的にされた12話を選び出し、ドキュメント風に書いている。暴力団が企業を狙う手口がわかり、民暴対策の基本を知ることができる。
書籍名 | 宮﨑乾朗のミンボー事件簿 |
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著者名 | 弁護士、日本大学OB 宮﨑乾朗・著 |
月号 | 1999年冬季号 No.78 |
価格 | 1,748円(税別) |
出版社情報 | 東京都新宿区南元町19、金融財政事情研究会 |