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アウトローと呼ばれた画家―評伝 長谷川利行

著者は本学芸術学部中退のノンフィクション作家。本書は放浪と貧困の画家で、激情と純真さにあふれた作風から「日本のゴッホ」とも称される長谷川利行(1891-1940年)の悲哀に満ちた生涯を描く。

利行は京都の警察官の家に生まれ、29歳で上京。日暮里、浅草近辺のドヤ街や公設宿泊施設に住みながら、毎日下町を歩き回り、目に映った庶民の姿や風景を詩的に絵に描き、夜はその絵を眺めながら安酒を飲むといった生活を送った。無頼画家と言われるゆえんだ。「岸田国士像」や「ノアノアの女」など数々の作品を残し、二科展で樗牛賞を受賞。49歳でがんで孤独の死を遂げるまでの軌跡を、彼の詩や短歌、文集を織り交ぜながら詳細に記述している。

書籍名 アウトローと呼ばれた画家―評伝 長谷川利行
著者名 吉田 和正・著
月号 2000年秋季号 No.85
価格 1,800円(税別)
出版社情報 東京都千代田区一ツ橋2-3-1、小学館