卒業生インタビュー
生産工学部土木工学科を卒業後、大成建設へ入社して今年で15年目になります。わが社は「地図に残る仕事。」をキャッチコピーに掲げており、中学生の頃から抱く私の志しでもあります。きっかけは建設業に携わっていた父が、建設中の東京湾アクアライン「海ほたるパーキングエリア」を見学させてくれたこと。海の中からトンネルが現れるスケールの大きさに度肝を抜かれ、「こんなでっかい仕事をしてみたい」と、土木への道を歩もうと決意しました。
大学進学は、もちろん土木工学科です。わが国の建設業界には「土木の日大」という言葉があり、多くの優秀な先輩たちの功績、多大な影響力で知られています。私は迷わず、日本大学の生産工学部土木工学科を選びました。 大学の授業は実践的でおもしろいけれど、勉強を常にしていないと理解できません。夏休み中も設計製図の課題のために学校に通ったり、ずいぶんと真面目に勉強していた学生だったと思います。当時、木田哲量教授の研究室に所属し、公共構造物を見学する機会がありました。行き先は「海ほたる」。奇しくも土木の道を志そうとした原点の地であり、改めて志しが続いているのだと感慨深いものがありました。
入社後すぐに上信越自動車道のトンネル工事に携わったのを皮切りに、東海北陸自動車道や圏央道のトンネル工事など、2年から4年の期間で全国各地の公共構造物の建設現場に赴きます。土木工学は「経験工学」ともいわれ、安全と品質、工程管理と利益という複雑に絡み合う要素をバランスを取りつつ仕事を進めるには、経験に勝るものはありません。
しかし、大手ゼネコンの社員になると、新入社員であろうとも現場では作業する大勢の人たちを監督する立場になります。私も初任地で年長の作業員から「宮崎さん、どうしますか」と聞かれました。困った時に頼りにしたのが、同じ現場にいらした日本大学の先輩でした。6歳上の先輩は共同企業体の別の会社所属でしたが、「人が人を動かす現場で、人の心を掴むにはどうすべきか」など、現場監督のイロハを教えていただきました。こう考えると、どの現場にも必ず日本大学出身の先輩がいて、同門の後輩だと分かるや親身に接してくださる。日本大学のつながりの強さを社会に出てしみじみと感じています。
私たちの仕事は、1つ何かを作れば50年100年とそこにあり続ける、作ったものが長く残る、とてもやりがいのある仕事です。大学での学びを土台に現場経験を積み、新たな任地で頑張り続けたいと思っています。