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留学・国際交流

山東大学 鈴木良一さん(文理学部)

山東大学交換派遣留学報告書

約1年間の交換留学を終えた今、この留学報告書を書くにあたってまず先に述べておきたいことがあります。
私が交換留学の選考試験に合格してから、出発前の準備に始まり、留学中の色々な相談、そして無事に帰国するまで全面的なサポートやアドバイスをしてくださった日本大学国際交流室の皆様、そして山東大学の国際事務部の皆様、本当にありがとうございました。皆様のおかげで心の底からおもいっきり留学を楽しむことができましたし、本当に留学に行ってよかったと思いました。留学生活で得たものを後輩やこれを読んでくださっている方々に伝えるためにしっかりと報告書を書いていきたいと思います。
私がこの留学で得たものはたくさんありますが、そのなかでも最も大きかったものが「アイデンティティーの確立」だと思います。留学中はいい意味でも悪い意味でも自分が日本人であること、そして日本大学から来た留学生であるということを強く自覚させられました。私は以前にも何度か中国を訪れたことがありましたし、また旅行などで海外へ行ったことがある方は同じような経験をされたことがあるかもしれませんが、約1年という長いスパンで海外生活をしたのは初めてだったので、より強くそれを自覚させられました。
山東大学で知り合った世界各国の留学生たちや中国人本科生の友達からよく言われたのが、「私にとって君が初めての日本人の友達だよ!」といった言葉でした。もちろん過去に日本人と話をしたことのある留学生もいましたし、日本人との交流会に参加したことのある中国人学生もいました。彼らの意味としては、休日に遊んだり、食事をしたり、お互いの国の言葉を教え合ったりと長い時間を一緒に過ごした本当の意味での日本人の友達は君が初めてだという意味です。私がそういった多国籍な環境で授業を受けたり、生活をしたりしていると必然的に一日本人としての意見を求められますし、そこに日本人が私しかいない場合では特にそれが日本人の“総意”といった捉えられ方をします。私はこの経験をしたことで、自分の考えをとことん突き詰めていく習慣がつきましたし、他人が言ったことが間違っていると感じたら積極的に異議を唱えることができるようになりました。
私は留学前半に中級3班という、授業レベルでいうと上から3つ目のクラスに在籍していて、留学後半は高級2班という1番上のクラスに在籍していました。中級3班はクラスメートが20名いて、国籍も日本・韓国・モンゴル・アメリカ・フランス・イタリア・ロシア・ウクライナの8ヶ国と非常に幅広く国際色豊かなクラスでした。このクラスの日本人は私を含めて2人と少なく、もっと言えば山東大学に留学している日本人学生が全部で10数名と非常に少ないです。私は大学3年の夏に1ヶ月間だけ北京語言大学へ語学研修に行っていた経験があるのですが、北京や上海などの大都市にある大学とは比べ物にならないくらい山東大学には日本人の数が少ないです。
しかし、北京語言大学でも山東大学でもその人数に関係なく共通して言えることは日本人は自己主張が非常に控えめで、言い換えるならば自己主張が下手だということです。留学中に特に感じたのが周りの日本人留学生の積極性のなさです。日本人と一緒にいれば居心地がいいのかもしれませんが、それでは留学の意義が半減します。現在のグローバルな社会を生き抜いていくには相手の顔色を窺っているばかりでなく、日本人もより強く自己主張していくべきだと思います。
私は約300名以上いる留学生たちの中で多くの友達を作っていくために色々な努力をしました。クラスの班長に立候補したり、年に一度の学生交流イベントで司会進行を務めたりしました。そういった場でステージに立つと皆が顔を覚えてくれるので、友達作りにおいて非常に有効でした。
また、普段の授業の内容としては、中級3班では実践的な文法や使える言い回しなどを集中的に学びました。先述の通り、非常に国際色豊かなクラスだったので1つのテーマに対し、それぞれの国の考え方や慣習を知ることができ、新しい発見がたくさんありました。留学後半の高級2班ではクラスメートが10名の少数精鋭で、主にプレゼンテーションやディベート、長文読解を行っていました。毎週テーマが与えられ、それについて各々がPPTや映像資料を準備して発表に臨むので緊張感がありましたし、先生がどんどん掘り下げていってくれたり、学生同士で議論しあったりしたので教室全体に非常に一体感がありました。
中国語を使ってのディベートは初めての経験だったのですが、段々と言いたいことをスムーズに伝えられるようになり、相手の矛盾点を突けるようになったので、大きな収穫があったと思います。中級3班でも高級1班でも共通して言えることなのですが、先生方が皆明るく、情の厚い方々ばっかりだったので授業自体の雰囲気が毎回とてもよかったです。
また、授業以外の時間の使い方も重要です。私は中国人学生の友達と一緒にいることも多かったのですが、中国には56の民族がいます。普段日本人は「中国人」という一括りでしか見ていませんが、あの56もの民族を一括りで見るのは不可能です。私が中国に着いて初めて友達になったのも遼寧省出身の満族の子でしたし、仲の良かった友達に多かったのは新疆ウイグル自治区出身の維吾尓族の子たちでした。彼らはムスリムといってイスラム教を信仰し、豚肉を口にせず、飲酒もしません。食事は「清真」の表示のある店でします。「清真」とは料理に豚肉、ラードを使用せず、主に羊肉や牛肉を使う店のことです。大学の食堂にもムスリムのために「清真」のコーナーがありました。彼らは、現在政府当局が注視している新疆出身ということもあり、パスポートを申請しても発行してもらえません。また過去に少なからず差別を受けてきたこともあり、政府に対しては不満を持っていました。同じ中国の国民であっても受ける待遇が違うのですから、漢族の人とはまるっきり違う意見を持っている人もいます。こういったところからも13億人以上の「中国人」を1つに見るのは相応しくないと感じました。
私は留学期間中の長期休暇を利用して、広大な中国各地の文化や人間と交流するため高速鉄道や、普通列車に乗って色々なところへ出かけました。数えてみると北のハルビンから北京・済南・青島・烟台・泰安・西安・鄭州・登封・開封・上海へ行きました。中国は高速鉄道も日本の物価感覚からいうと比較的安く乗ることができますし、もっとお金を節約したければ火車と呼ばれる普通列車での旅をおすすめします。北京から済南まで高速鉄道で2時間を切り料金は200元(現在のレートで4000円)程度です。しかし、普通列車では70元(1400円)で行けてしまいます。時間は6時間半ほどかかりますが、市民の足となっている列車なので一度は体験してみるといいと思います。遠くの地方へ行く場合も寝台列車が出ているので、夜に出発し翌朝に到着といった移動もできます。
私が訪れた中で1番感動したのは、陝西省の西安です。西安は中国の古都で、様々な歴史的建造物があります。なんといっても世界文化遺産の兵馬俑が有名ですが、市内の約13kmをぐるりと一周している城壁が圧巻です。この城壁は明代に造られたもので、上に登り自転車をレンタルしてサイクリングすることも可能です。私は韓国人の友達と一緒にサイクリングをしましたが、上からの眺めは最高でした。城壁の内側の街には未だに昔の建物が保存されていて、映画のセットのような雰囲気がありました。夜になると城壁全体がライトアップされてとても綺麗で、昼間とはまた違った表情を見せてくれます。「百聞は一見にしかず」ですので、ぜひ時間とお金を有効に使って、自分自身の目で中国各地を見てほしいと思います。
今、振り返ってみると本当に22歳という若いときに留学へ行けてよかったと強く感じました。私の場合は中国でしたが、それぞれ学生時代に興味の持った国や場所を訪れてみると、すごくいい経験になります。私は実際に中国へ行き今まで話をしたこともなかったような国の人たちと交流をして、自分にとってプラスになったことは数え切れないほどありますが、マイナスになったことなど1つもありませんでした。日本・中国・韓国この3ヶ国はいつも色々な面で比較されますが、中国や韓国の学生は本当に優秀です。もちろん全ての学生がそうとは言いませんが、勉強に対する情熱や英語力、行動力は日本人学生と比較になりません。私はこの現実を直視して危機感を覚えました。日本人の留学者数は海外のそれと比較してかなり少ないです。就職活動の時期への影響を考えて留学をためらっている学生も多いかと思いますが、幸いなことに私の代からその解禁時期も夏にすこしずれましたし、帰国後の就職活動では留学経験が自分の大きな武器になりました。まだまだ改善する必要のある箇所はありますが制度的にも留学を支援する体制は整ってきています。LCCなどの台頭もあり、お金をかけずに海外へ行くことができますし、もしその気になって周りを見渡せば、この日本大学本部やそれぞれの学部が募集している留学枠、また外部の様々な団体・財団が公費で留学をバックアップしてくれる制度が予想以上にたくさんあります。そういったものをどんどん活用して、より多くの学生が留学へ旅立って語学的にも人間的にも成長してくれることを心から祈っています。
学生交流イベントで司会を務めたときにクラスのみんなと

2015年6月5日

嵩山少林寺入り口の門

済南全体が本格的な夏の暑さに包まれ、宿舎ではエアコンをつける回数が増えてきました。あと少しで帰国なので、毎日を有意義にと考えながら過ごしています。5月は国際労働節休暇などがあり、その休暇を利用して中国・韓国・モンゴル人の友人たちと河南省、鄭州・登封に旅行へ出かけました。鄭州は中国の内陸の交通の要所で、鄭州高速鉄道駅は全国でも有数の規模です。また、地元の人たちが話す中国語も、声調が北京などとは全く異なる河南訛りがあり、聞き取りにくく感じます。今回の旅行の私たちの最終目的地は鄭州ではなく、登封の嵩山少林寺です。日本でも有名な少林寺ですが、実際に自分の目で見てみたかったので、本当に楽しみでした。

少林寺は、インドから中国に渡来した達磨によって禅が伝えられた発祥地として有名で、少林武術の中心地としてもその名を知られています。よく誤解されていますが、少林寺拳法は日本で生まれたものであり嵩山少林寺の武術とは別物です。当日の天候はあまり良くなかったですが、それでも多くの観光客が訪れていました。
私は勝手に少林寺では至る所で武術の訓練をしている人間に出会えると思っていたのですがそれは大きな間違いで、現在では写真にある一部の施設を除いては観ることができません。少林寺武道館のチケットは200元(4000円程度)でした。中国での感覚からするとかなり高めの設定だと思います。
友人と、雰囲気のある地元の方との写真
少林寺武道館

塔林

塔林はその名の通り巨大な仏塔が林立している場所で、ものすごい数の仏塔を見ることができます。これらは歴代の座主のお墓でその数は240にも上るそうです。注意してみると一つ一つに微妙な違いがあり、それぞれに個性があります。西安の兵馬俑でもそうですが、壮大な数の兵馬俑でもよく見ると一つ一つに違いが見受けられ、全く同じものはありません。中国の世界遺産や遺跡、様々な歴史的建造物は壮大なスケールと細部にわたる繊細な作りがあるからこそ、世界中から多くの人々を引き寄せているのだと実感しました。

2015年5月5日

まだ夏前ですが、毎日半袖で過ごせるほど気温も上昇してきました。済南には春がほとんどないと友達から聞いていたのですが、身を持ってそれを体感しました。4月の16日から20日までの5日間、山東大学が用意してくれた文化体験活動で西安へ旅行に行きました。費用は交通費とホテル代、そして博物館などのチケット込みで1000元だったのでかなり格安で行くことができました。
行きは飛行機で、帰りは火车で帰ってきたのですが、自費で行く場合は交通費だけで750元以上かかり、泊まったホテルも一泊800元のところで、また観光地などのチケットも高くつくので今回の文化体験活動では多くの部分を学校側が負担してくれたことがわかります。
西安は陝西省の省都で、中国歴代王朝の都となった長安があった場所でもあります。中国の重要な歴史文化都市となっている西安では街の至る所で海外からの観光客の姿を確認することができました。日本の首都である東京は京都から見て東に位置する「東の都」を意味しますが、西安は河南省の洛陽市から見て西に位置する「西の都」を意味します。また北京や南京も洛陽を基準にしてそれぞれ北と南に位置する都を意味します。
私たちが西安に着いてからの日程は本当に盛りだくさんで、华清池,兵马俑,古城墙,清真大寺,大雁塔,回民街,鼓楼,钟楼など本当に多くの場所を見て回りました。

西安についてからまずは回民と呼ばれる少数民族が暮らす回民街に行きました。彼らはイスラム教を信仰するムスリムで豚肉を口にせず、飲酒もしません。1日5回のお祈りをかかしません。街は本当に賑やかで小吃(食べ歩きできるようなおやつ)がたくさん売られていました。

2日目の午前には华清池に行きました。华清池は楊貴妃が湯浴みしたことでも知られ、西安の有名な観光地の一つとなっています。個人的にはここが一番好きでした。緑と花がたくさんあり山の斜面に沿って造られているので高低差がありますが、上の方まで行くと本当に綺麗な景色を見ることができ、心が洗われるような感じがしました。

左上:清真大寺、左中段:兵马俑、左下: 华清池、右上:古城墙、右下: 兵马俑

3日目には古城墙に行き、歴史のある城壁の上を自転車で移動しました。城壁は西安の中心部を一周しており、高さもある程度あるので眺めがとてもいいです。
西安は中国の内陸部に位置し日本からの距離も遠いので、頻繁に行く機会はありませんが、またいつか必ず訪れたい場所になりました。

2015年4月5日

寒い日々が長く続いた済南ですが、ようやく春の風を感じられるようになってきました。中心校区のキャンパス内には色取り取りの花が咲き、学生たちも時折足を止め、写真を撮っています。数は多くないですが、桜の木も植えられていてとても綺麗な花を咲かせています。
中心キャンパス内に咲く花たち
中心キャンパス内に咲く花たち

視聴覚 テストの結果

3月9日から新学期の授業が始まりました。先学期は中級3班に所属していましたが、クラス分け実力テストを受け、今学期は2つ上のクラスの高級2班に所属することになりました。高級2班は語言生クラスの中で一番上のクラスで教科書も指定の物がなく、授業の際に先生が用意するというスタイルです。科目も語彙・文法・視聴覚・閲読の4科目です。クラスの人数は中級3班の半分に減り、全部で10人です。そこに聴講生が何人か加わりますが、以前のように賑やかに発言して授業が進んでいくというよりは、少数精鋭でじっくりと中国語を学んでいくという印象を受けます。3月の末には早速、視聴覚のテストがありました。個人と小さなグループに分かれての発表の2つがあり、私は大学3年の時にゼミでも研究していた長安についてPPTを作り発表しました。このクラスで初めての発表にしてはまずまずの内容だったと思います。テストの結果は94点を取ることができました。また、高級2班で出される課題はネットでビデオを見てから問題を解くといった科目もあり、今まで以上に長い勉強時間を必要としそうです。

先学期所属していた中級3班

一日一日がとても速く過ぎ去っていき、あと3ヶ月もすれば山東大学とも、先生方とも、そして何より友達・仲間たちと離れなくてはいけないのかと思うとすごく寂しいですが、最後の学期なので毎日を大切に、しっかりと気持ちを切らすことなく頑張っていきます。

2015年3月5日

普通列車車内の様子

春節を故郷で過ごすために皆一斉に移動する“春运”と呼ばれる帰省ラッシュが迫ってきました。一般的に中国では春節の2週間前から人の移動が活発になっていきます。旅客の移動総数は中国の総人口の2倍以上とも言われ、世界最大の人口移動といわれています。この期間中は航空券、高速鉄道の切符、長距離バスの切符も手に入れるのに苦労します。私はこの混乱を避けるために2月9日に北京へ向かいました。以前はいつも高速鉄道を利用していたので、今回は人生初の“火車”と呼ばれるいわゆる普通列車で行くことにしました。

除夕の夜の花火

年夜飯

廟会

高速鉄道では片道190元ほどですが、普通列車だと70元ほどで済みます。時間は高速鉄道で約2時間、普通列車では8時間半もかかります。ですが、中国に来たからにはこの地元市民の足となっている普通列車を必ず体験するべきだと思います。特にこの春節の前後は地方からの出稼ぎ労働者が一年に一度、または二、三年に一度故郷へ帰ることのできる特別な期間で、多くの人が両親や家族のことを思いながら故郷へ帰っていきます。そういった意味でもこの列車に乗ってみる価値はあると思います。8時間半は確かに長かったですが横に座った人と話をしたりして過ごしました。
2月18日の夜、まもなく19日に日付が変わろうという時間帯になると一斉に花火や爆竹の音が響き渡りました。今年は爆竹の数が少ないそうですが、初体験の自分としては想像以上に迫力がありました。この爆竹のせいもあり翌日の大気汚染の数値は跳ね上がっていました。中国の昔からの慣習ですが、環境のことも考えると今後ますます爆竹の数は減っていきそうです。
除夕には年夜飯と呼ばれる料理を食べました。見た目もとても綺麗ですが、それぞれの料理に意味があって新年を祝います。
そして2月20日には廟会と呼ばれる日本でいう縁日に行きました。地壇公園で行われたのですが、春節らしい装飾と音楽、出店を目当てに多くの人が訪れていました。年夜飯を食べたり廟会へ行ったりする慣習は日本の正月の過ごし方に似ていると感じました。
この40日余りの冬休みでは普段できないような体験をたくさんでき、また新たな発見もありました。しっかりリフレッシュできたので、新学期は先学期以上に勉強時間を増やし、帰国までに少しでも中国語が上達するように頑張ります。

2015年2月6日

青島のシンボル:五月の風

1月19日で全ての期末テストが終わり、2月28日までの冬休みが始まりました。
テストの手応えはまずまずだったと思います。また皆この長い休みを利用して帰国する学生もいれば、中国各地へ旅行に出かける学生もいます。私は中国の一番の祝日である春節(旧正月)を体験したことがなかったので、肌で春節を感じるために中国国内に留まることにしました。今年の春節は2月19日で日本の大晦日にあたる除夕は18日の夜です。春節期間中は北京で過ごすことに決めたのですが、それまでは時間があったので中国人の友達と青島・烟台旅行へ行きました。

青島は山東省の省都である済南よりも知名度が高く、観光資源も豊富です。なんといっても青島ビールが有名ですが、海岸都市ということもあって海鮮類が美味しく空気も済南よりきれいです。また歴史的背景により現在も街の中心部にはドイツの建築様式で建てられた教会やホテルなどが数多く残っています。また日系企業も多く進出していて、日本人にも縁の深い場所です。ショッピングモールのなかにはイオンも進出していて日本の食材なども売られていました。
天主教堂
天主教堂
私たちが泊まったホテルも昔から残っている建築物を改修し、去年オープンした所で趣があり、値段もオフシーズンではあったものの2人合計で1泊168元ととても安かったので皆さんにも参考にしてもらいたいです。
泊まったホテル:青島 1903 里院客桟

また劈柴院と呼ばれるグルメストリートは手軽に食べられる“小吃”がたくさん売られていて伝統的な煉瓦造りの佇まいも見られるので皆さんも目的地の一つに加えることをオススメします。

烟台駅

2月5日には3泊した青島を離れ烟台へ向かいました。烟台は日本人にあまり知られていませんが、東は威海に南は青島に接していて山東省最大の漁港を抱える港湾都市です。フェリーが韓国まで出ていることもあって韓国人やハングル文字を街で見かけることも多いです。渤海を隔てた大連にもフェリーで行くことができ、値段は190元でした。機会があればフェリーで大連まで行ってみたいです。

2015年1月5日

SICA インタビューの様子

新年あけましておめでとうございます。中国での留学生活も早4ヶ月が経ちました。去年の9月5日に情熱と期待と少しの不安を胸に済南に降り立ったのが、つい昨日のことのようです。まもなく授業がすべて終わり、そして期末テストがあり、1月20日から2月末までの約40日間の冬休みが始まります。
まず、留学生活前半を心身ともに何のトラブルもなく過ごせたことを報告すると共に、サポートしてくださった日本大学国際交流室の皆様と山東大学の先生方、友達たち、そしてなにより両親に感謝したいです。
12月は本当に多くのことがあり、自分にとって山東大学に来てから1番中身の濃い1ヶ月間となりました。まず12月の頭にSICA(山東大学国際交流協会)のインタビューを受けました。日本の学生のアルバイト状況や、日中の学生の比較、中国人の学生から色々な質問を受けたりとても楽しく撮影できました。
全編中国語でネット配信もされるので少し緊張しましたが、結果的に満足のできる仕上がりになりました。

また12月24日クリスマスイブの夜には、学期末の一大イベント“汉语大舞台”が行われ、すべての班が出し物を披露しました。私は光栄なことにその“汉语大舞台”の総合司会に抜擢していただき、中国人学生と2人で司会を担当しました。この日のために衣装を借りたり、何度も内容を確認して練習したりと、多くの時間をかけて準備してきました。当日は舞台上から来賓の方々や先生方、たくさんの留学生たちの笑顔を見ることができて、本当に言葉で表せないほど幸せな時間を過ごすことができました。自分にとっても中国語で司会をするという貴重な経験をすることができたのは非常に大きかったです。
“汉语大舞台”の様子
“汉语大舞台”の様子

“汉语大舞台”の様子

また私たちのクラスの出し物は“非城勿扰”という中国のテレビ番組をアレンジしたもので、多くの先生方に高級班以上の評価を頂きました。この日のためにクラスが一丸となって練習を重ね、当日も無事に発表を終えることができ、本当に良かったと思います。あと1週間でこのクラスでの授業も終わりですが、最後に大きなイベントをいい形で終わることができて、皆充実した表情を浮かべていました。今後は少し時間に余裕もできるので、来週から始まる期末テストに向けてしっかりと対策をして、いい結果を残し、気持ちよく冬休みを迎えたいと思います。

2014年12月5日

今年も残すところあと1ヶ月を切り、少し肌寒い程度だった済南の気温も寒い日で氷点下8度を記録するようになりました。11月は中間テストがあり、口語と精読のテストでクラス1位の96点と94点を取ることができました。自分自身それを目標に頑張って準備してきただけに非常に嬉しかったです。1月末の期末テストでもいい結果を残して気持ちよく冬休みを迎えたいと思います。
口語
精読
今月はクリスマスの前後で“漢語大舞台”と呼ばれる各クラスの出し物があり、今はそれに向けて皆で準備を進めています。班長として構成や脚本、衣装の用意まで先頭に立ってやらなければいけないので少し大変ですが、クラスの雰囲気もとてもよく皆協力的なので助かっています。中級上位班と高級班は内容もより高度なものを毎年要求されるので、期待に応えられるように頑張ります。
クラスメートたちと
クラスメートたちと
また、少し話がそれますが先日中国人と韓国人の友達と済南にある日本料理屋に行ってきました。街の中心部にある恒隆広場という大型ショッピングモールの中にある「京櫻料理」というお店で、済南には美味しい日本料理屋が少ないのですが、ここは味がとても本格的で日本に帰った気分になりました。また、留学に来てから日本料理や日本文化の人気・潜在能力の高さを日々感じています。初めて話す留学生も私が日本人だということがわかると自分はあの日本料理が好きだ、あの映画・アニメが好きだとみんな目を輝かせて言ってきます。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、これは海外に来てこそ実感できることだと思います。中国や海外のほとんどの国々で日本料理は美味しくて高級で洗練されているというイメージで統一されていて、日本人が思っている何倍も人気があります。
恒隆広場 1 階にある京櫻料理
恒隆広場 1 階にある京櫻料理
これから年末年始にかけて、“漢語大舞台”、期末テストなど大きなイベントが続きますが健康に気を付けて、留学生活の前半をいい成績をもって終えられるように頑張りたいと思います。

2014年11月5日

山東大学での留学生活も2ヶ月が過ぎ、あんなに広く感じていた中心キャンパスも、今ではほとんどの建物の位置関係を把握できるようになりました。生活リズムも非常に安定しています。授業にも慣れ、先生からクラスの班長に指名されました。班長になったので成績面で自分にいいプレッシャーを与えることができています。また、10月の頭には国慶節休暇があり、一週間授業が休みになったので、私はこの休みを利用して北京へ旅行に行きました。済南から北京へは高速鉄道を使えば2時間で着いてしまいます。今回初めて高速鉄道に乗ったのですが、日本の新幹線と遜色がなく、走行中も非常に快適に過ごすことができました。運賃は往復約400元で日本円に換算すると約6600円ほどです。
中国高速鉄道 通称:和諧号
車内の時速表示 (時速 303km)
北京南駅 (北京における高速鉄道の主な発着駅)

景山公園から見た世界遺産の故宮(紫禁城)

中国の高速鉄道はここ数年で急速に整備されたこともあり、どの駅もとても綺麗でした。特に北京南駅は、日本の鉄道駅とは規模が違い、まるで空港のような大きさでした。国慶節に高速鉄道を利用する人は多く、広い北京南駅も人で溢れていました。北京南駅には地下鉄が直結していて、簡単に市の中心部まで出ることができます。北京地下鉄の料金は一律2元(日本円で30円以下)に設定されていて、空港線を除きどこへでも2元で行けてしまいます。運賃の安さに加え、路線数も充実しており、市民の生活の足として機能しています。私はその地下鉄を利用して、まず故宮と景山公園へ向かいました。両方とも過去に訪れたことがあったのですが、景山公園からの眺めが非常に綺麗だったので今回もまた行くことにしました。
景山公園からは故宮を一望することができ、早い時間帯に行けば他の観光客の数も少なくオススメです。故宮は清朝の滅亡まで宮殿として使われ、1987年に世界遺産に認定されました。現在は故宮博物院として一般に開放されています。故宮は、私が過去に訪れたことのある世界遺産のなかで最も感動した場所で、中へ一歩足を踏み入れるだけで中国の壮大な歴史を感じることができます。私があえて言わなくても、故宮は北京、そして中国の象徴となっているのでほとんどの観光客が訪れる場所だと思いますが、北京に旅行へ行く際は必ず故宮を目的地の一つに加えてほしいと思います。

世貿天階

また別の日には、北京の若者たちに人気のスポットとなっている世貿天階へ行きました。迫力のある大型ビジョンが目印で、ユニクロ、H&M、スターバックスコーヒーなど日本でもおなじみの店も出店しています。世貿天階の周辺は北京商務中心区(北京CBD)と呼ばれる経済の中枢地区になっていて、中国中央電視台(CCTV)本社ビルや国貿3期といった超高層ビルが立ち並んでいます。この辺りを見ると東京とそれほど違いがないように見受けられますが、大気汚染の問題や慢性的な渋滞など日本も過去に経験してきた問題と北京はいま直面しています。日用品の物価も以前に訪れた時よりも高くなっていました。次に訪れるときには、どの問題も少しずつ改善していてほしいと思いました。
今回、国慶節の一週間を丸々北京で過ごしましたが、大学3年のときに参加した北京語言大学の語学研修プログラムで知り合った友人たちと食事をすることもでき、とてもいい気分転換になりました。またこれからも引き続き中国語の上達を目指し頑張っていきたいと思います。

2014年10月5日

山東大学南門

黒虎泉 (泉城広場横)

山東省の省都・済南に着き、早くも1ヶ月が経過しました。私が通う山東大学は、1901年に中国における2校目の国立大学として設立され、現在は国家重点大学に指定されています。山東大学には私の通っている中心キャンパスをはじめ、済南だけで6つのキャンパスがあり、それ以外にも青島や威海にもキャンパスがあります。語言生のクラスは初級が3クラス、中級が7クラス、高級が2クラスと全部で12クラスあり面接試験と筆記試験の結果によって自分のクラスが決まります。私は上から3つ目の中級3に決まりました。クラスメートは日本・韓国・モンゴル・アメリカ・ロシア・フランス・イタリア・ウクライナの8ヶ国の学生で構成されており、考え方や文化・習慣の違うこともあり毎日とても刺激的で有意義な時間を過ごせています。授業は精読・口語・リスニング・閲読の4科目があり、それぞれに課題・テストがあるので授業以外の時間の過ごし方も非常に重要です。休みの日にはクラスメートやそれ以外の友人とも出かけたり食事をしたりしますが、もちろん中国語で会話をするので、おのずと中国語が上達します。済南は泉が非常に多く泉の都(泉城)として有名で、街の中心部には数多くの水脈が走っています。そのため済南は人口680万人を超える都市ですが、地下鉄がありません。街の中心部には地下鉄の代わりにBRT(BusRapidTransit)と呼ばれるバスの交通網が整備されているので非常に便利です。済南には観光地がいくつかありますが、そのなかでも大明湖・趵突泉が有名です。私も済南に来てすぐ大明湖に行ってみたのですが、大明湖周辺は市街地の喧騒から離れることができる、とても落ち着く綺麗な場所です。一日の大半を過ごす中心キャンパスは設備が整っていて大学内に複数のスーパーやカフェ、高速鉄道のチケット販売店などもあり非常にいい環境です。また、私たち留学生が住む留学生宿舎は世界各国の学生の交流の場となっており、宿舎の1階にはカフェと飲食スペースが併設されているので、そこで留学生同士で食事をしたり、クラス会をしたりと毎日充実した時間を過ごせています。この恵まれた環境を活かすかどうかは自分次第なので、これから一年間交換留学生として頑張っていきたいと思います。

知新楼 (高さが約 140m もあり、中心キャンパスのシンボルとなっています。)
大明湖入口
大明湖