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留学・国際交流

オーフス大学 佐竹壮一郎さん(法学部)

オーフス大学派遣区間留学報告書

私にとって留学をする人のイメージとは基本的に外向的で勉強熱心で何でもできるという完璧人間であった。事実そのような人間が世の中には溢れかえっている。一方私は内向的でかつ勉強は可もなく不可もなくといった、何か物足りない自分が気に食わない人間であった。いわゆるできる人々と常に比較し、その理想に向かって努力していたタイプである。留学前にオーフス大学を選択した理由というのは正にその理想・欲を叶えてくれる場を提供していたからである。多くの世界大学ランキングで100位以内に位置し、多くの留学生が在籍し、イベントが数多く用意され、さらにヨーロッパに位置しているため多様性を肌で感じることができる。
しかし留学後の今となってみると結論として一年前の私は非常に窮屈な人間であったということができる。10か月という比較的短期の留学ではあるがこの経験は私を精神的な意味で変化させたのではないかと考える。第一に自分なりの幸せを優先するようになったという心の変化である。スカンジナビア圏の国は一般的に世界の中でも幸福なエリアとされている。その中でもデンマークは世界一幸福な国とされている。調査によると教育や福祉制度だけでなく人々が互いに信用している点といった国民性が理由であるらしい。確かに何度も自分がデンマーク人であればと考える機会がある。特に私に影響を与えたのは彼らの「やりたいことをやる」である。当然のことであるがこれが未だに私はすることが難しい。例えば休みたいときに休むという小さなことから、転職・転学・結婚離婚という大きなことまでデンマークの人々は瞬時に行う。どうやら彼らは「しなければならない」「他人または自分自身との比較」といった概念をあまり持っていないようである。そしてこれらが、彼らが幸せである理由の一つと考える。そのような人々に囲まれていると人間変化するもので詰め込む傾向にあった私も明日の自分を信じて睡眠を優先したり、就活ではなく進学を選択したりできた。なぜなら「やってみたい、やってもいい」と不思議に自分の中で納得できたからである。
第二に無理して完璧人間になることはないと考えるようになったことである。留学当初は外向的な人間になろうと多くのイベントに参加し無理してでも話しかけていった。しかし慣れないことをすると人間疲れるもので初対面の人と会うこと限度無く繰り返すうちに精神的に参ってしまった。勉強面でも二か国語しか話せない自分が情けなくなるという日々を繰り返し、どんなに努力しようと成績は下から数えた方が早いということを繰り返していた。この結果として私の出した結論は「もう少し息を抜いてもいいかもしれない」ということである。自分のペースで新しい人と出会い、言語を学び、研究をしても良いと考えることでデンマークでの私の生活は好転していったように考える。
最後に学びを続けると決断したのはデンマークでの生活が要因である。上記にも記載したが留学当初は就活を視野に入れていた。留学経験者用のイベントが世界のいたるところで開催されており、更に条件も良い。したがって留学は就活の良い道具になると考えていた。しかしデンマークでの生活がこの考えを変えた。私は世界でデンマーク人が一番勉強熱心ではないかと考える。アジア圏の学生は(受験)勉強熱心と認知されているがこれは彼らの人生が掛かっているからである。一部を除き多くの学生はその研究が好きだからというよりも将来が不安であるがゆえに勉強をしていると私は勝手に考えている。したがって大学の名前(ランキング)が重要視されているように私には感じられる。一方デンマークでは自身の専攻選択に時間を掛ける人々が多い。したがって中学または高校卒業後に1年もしくは数年時間を空ける学生が多い。事実私のクラスメイトの殆どが年上であった。彼らに聞くとやはり専攻が難しくとも自分でしてみたいことであったからと皆言う。だからこそ勉強熱心であるし、自分の専攻について聞かれたとき嬉しそうに話すのである。またオーフス大学の講義は質が高く、情報は常に最新である。これまでヨーロッパに関してあまり詳しくなかった私もみっちり基礎から近年の課題まで学ぶことができた。そのような環境にいるとこれ以上学びたくないと考える方が難しいのではないだろうか。
日本からデンマークに留学する学生は増加しているもののまだ少数派である。しかし私は留学するならデンマーク、更に言えばオーフス大学が最適であると断言する。日本とは極端に異なる文化をその肌で体験し、世界一幸福な国と呼ばれる理由を自分自身で発見してほしい。大学生になってから本格的に英語を学び始め、何かの縁でデンマークに行き、多くの友人と出会い、濃密な講義を受け、自分なりに彼らが幸福である理由を見つけ、自分自身が挑戦してみたいことを発見できたこの10か月は私の宝物である。ぜひとも今後の学生にも同じくデンマークの独特の世界観に触れ、自分自身を常に変化させて頂きたい。
現在日本大学に留学している友人とオーフスにいたときの一枚。デンマークで、そして日本でも会えたことは感慨深い。
私が所属していた学部のキャンパスである。比較的新しいもので現在も工事が行われている。
大学の公園で開催されたボートレースであるが、実質は大規模なパーティである。ボートなど全く気にせず朝から深夜まで飲み続ける彼らに圧倒された。
日本語学科の学生とコペンハーゲンの桜祭りに行った時の一枚。次は誰が日本大学に留学するか楽しみである。

2016年6月9日

午後4時の光景が午後11時となり、夏の訪れを感じました。

こちらの図書館兼自習室には本当にお世話になりました。

海沿いにはこのような建物が建設されています。

こちらはDOKK 1 と呼ばれる複合施設に併設されている図書館です。こちらも最近できたもので非常に綺麗です。

帰国前最後の観光はこちらのLEGOLANDでした。デンマークに来たからには一度行きたかったので満足です。

試験が先日終了し、部屋の掃除もほぼ完了し、残すところは帰国のみとなってしましました。やはり1年とは早いもので気が付けば再び11時となってもまだ明るい季節となりました。デンマークにも夏が来るとともにお別れのようです。最後は私にとってのデンマークにおける“試験期間”を振り返りたいと思います。
今期の試験は12ページエッセイ×2そして口頭試験×1でした。日程は授業終わりが12日、口頭試験が19日、エッセイ提出日はそれぞれ30日そして6月6日でした。このエッセイの特徴として、前者は授業で扱ったテーマの中から自分で好きなものを選択して良いという点、また後者は30日に問題が出され、それに沿ってエッセイを一週間で書き上げる、といったものでした。
既に前者のエッセイは4月中から参考資料を読み漁り書き始めていました。この過程がなかなか面白いもので想像していたよりも書くスピードが速かった覚えがあります。後者のエッセイは改めてテキストを全て読み直したのですが、これもまた面白い作業でした。シラバスのテキストを順番どおりに読み直すとこれが一つの物語となっているように感じられ楽しむことができました。口頭試験に関してはまだまだディスカッションに課題が山積していると痛感しました。プレゼンだけが上手くいっても仕方がないと反省です。しかし最後に教授が1年間お疲れさまとおっしゃってくださったので非常に嬉しかったです。
確かにこの試験期間は充実していました。しかし決してこれらが簡単なものであったとは思いません。時間的には毎日8~10時間図書館で過ごし、帰宅後も資料を読んでいました。私がデンマークの学生ならではと思う点は、多くの学生が、何があろうとも8時前には大学に来て、そして遅くとも4時から5時に帰宅するという点です。6時過ぎには各自習室に数人見られる程度で、ワークバランスというのでしょうか、学生でさえもそれらがしっかりしている点がデンマークらしいです。もしくは国民全員が若いうちからこの生活習慣で生活してきたため、職場であえてそれを変える理由が見つからないのかもしれません。日本では学生のころから塾やアルバイトと、朝から夜遅くまで詰め込む生活習慣が身についているからこそ, “働き過ぎ”の癖が身についているのかもしれません。
時間だけでなく精神的にもこの期間は大変な時期でした。やはりこれまで数千ページ読んできただけあり、授業の内容は膨大です。大切な点を振り返るだけでも多くの情報量を頭の中で整理する必要がありました。楽しいとともにこれを結果に出さなければいけないストレスは私が想像していたものより大きく、眠れないことも多々ありました。それでも無事提出することができました。結果はまだ確定していませんが、自分なりの最大限の努力はしたので悔いはありません。
さてオーフスの生活も残り数日となりました。今後もオーフス大学は留学生が増加し続け、英語で行われる授業も増加の一途であるそうです。街は現在開発の最中であり路面電車の整備や多くの新しい施設が海沿いを中心に建設されています。こういった面では今後オーフス大学に留学する学生がうらやましい限りです。
オーフス大学はどの需要にも対応できる稀な大学です。英語に関しては、自信がない学生も問題ありません。勿論授業内容は難しいものもありますが、教授たちは英語を第二言語として扱う学生の苦労をよく理解されている方ばかりです。彼ら自身もその一人なのですから。私もその面では安心して授業を受けることができました。一方で、既に英語に何の心配もない学生も問題ありません。授業のレベルは世界でも競争力のあるものです。しっかり苦労できます。またデンマーク語も無料で学ぶことができます。第3・第4言語を身に付ける良い機会です。
“多様性”という言葉はどの大学でも聞くことばですがそれを本当に実現できている点もこの大学の特徴です。学食では英語デンマーク語だけでなく聞いたことのない言語も溢れています。インターナショナルセンターも常にイベントを用意しているため留学生同士でも充実した日々を過ごすことができます。さらにデンマークがヨーロッパに位置しているという点も旅行等新たな刺激を得られる良い点であると思います。
最後に、この留学生活は勉強面でも日々の生活においても盛りだくさんでした。デンマークに来たからこそ悩めたことや学べたことや楽しめたこと、そして得られたことが数多くありました。ここで1年を過ごすことができて本当に良かったと思います。多くの学生とこの経験を今後共有できることが楽しみです。

2016年5月2日

オーフス大学の公園は美しいです。ここを晴れた日に散歩するのは至福の時です。イベントもこの公園で行われます。

桜まつりの様子です。この公園の近くには有名な人魚姫像があります。

デンマークに来てから初めて寿司を頂きました。こちらのセットで約3000円です。それでも安い方だそうです。デンマーク人が外食をしない理由も納得です。

4月中も雪や暴風雨等全く先が読めないデンマークの天候にはただひたすら驚くばかりでした。デンマーク人が天候に関する不満を言い続けることに納得です。私もその一人かもしれませんが。それでも春は確実にこちらにも訪れ、来週には15-18度に達する見込みだそうです。桜もようやく満開となりました。
さて私は4月中2週連続でプレゼンテーションを担当していたため正に多忙でした。さらにエッセイも書き始めていたため生活リズムが狂いに狂っていました。プレゼンテーションにはまだまだ課題がありますが、それでも無事乗り切ることができました。人を納得させるものを作り上げることはやはり難しいものです。こちらに来て変わったことの一つとして質疑応答に対する考えの変化が挙げられます。1年前までの私は、プレゼンテーション後に質問があることに不安を覚えていました。しかし今は反対に他の学生や教授からの質問が少ない時に「自分の発表内容が関心を引くものではなかった・もっと改善できたはず」と考えるようになりました。オーフス大学にようやく慣れてきたのだと思います。しかし残念ながら講義はそれぞれ残すところ一回ずつとなりました。10日後には最後の講義、そして試験へと突入します。今期の私の試験内容は口頭試験×1、12ページエッセイ×2となっています。最後の最後まで気を抜かずに突破していきたいです。
先日再びコペンハーゲンへ訪れました。桜まつりが行われていたためです。デンマークでは4月末から5月上旬が桜の季節です。太陽を久しぶりに見ることができたことは本当に良かったです。またこれまでしっかりとした花見をしたことがなかったのですがそれをデンマークで実現できたのでよい経験となりました。
また21時となっても少し明るさを感じるあたりが日本とは異なる点でしょう。この不思議な感覚をもうしばらく味わえることは何ともいえない喜びです。
さて、私の留学も残すところ約40日となりました。講義に関していえばあと10日で終了します。私にとってはこの講義が非常に充実したものでした。諦めずに講義を受けたことが結果として今の自分を作り上げていると実感します。勿論私は決して優秀でもなくむしろ平均にも達していない学生ですが、ヨーロッパの“今”をヨーロッパで勉強できたことは最大の喜びでした。本当にオーフス大学に来て良かったと思います。5月は試験そして大きなイベントが大学の公園で行われます。様々なことが私にとって“最後”となっていきます。全力で頑張ります。

2016年4月1日

オーフスにもようやく春が訪れ、気温も10度前後となることが多くなりました。またサマータイムが始まり日本との時差は再び7時間となりました。私にとってこの3月はオーフスでの課題だけでなく帰国後のことも考えていたため、非常に混乱が続いていたと思います。複数のことを同時にすることが苦手な私にとってこの一か月は困難なものでした。ただ、自分の中で決断できたことが多々あり、あとは実行に移すのみです。
今月の学習における成果はプレゼンテーションを無事こなせたことです。それ自体は特筆することではないですが、今回のプレゼンテーションは初めて2人で行うというものでした。これまでは4人ほど、もしくは1人でプレゼンを行っていましたが、2人ですることが一番責任を感じかつ面白いと実感しました。準備の段階では意見を言い合い、またお互い自分たちがしていることが大丈夫なのかと不安になりながら作業をしておりました。当日のプレゼン後における教授との質疑応答も無事乗り越え一安心でした。パートナーに「本当によくやったよ!」といわれたのは何とも言えない嬉しさでした。自分がまだ戦っていけると少しだけ自信を持てました。留学により経験を重ねた1つの成果であると考えます。4月もプレゼンや試験の準備等で慌ただしい日々が続きますが何とか乗り越えていきたいところです。
3月といえばイースターです。授業も一週間お休みがあり、私はオーフス探検をしました。凝縮された街であるため、道を一本入ると大通りとは異なる、しかし色あせない姿を見せるのがこの町の特徴だと思います。新旧のデンマークの街並みの違いを感じられました。またパーティやイベントも楽しめました。日本でもこの温かな雰囲気作りを実践していきたいです。私はデンマークに来てから人とのつながりを感じることが数多くあります。デンマークが世界一幸せな国である理由の一つは彼らがコミュニティづくりに長けているからかもしれません。人生を楽しむことが非常に上手な人たちであると常に思います。
春学期も既に後半戦に入りました。大変なこともあるでしょうが落ち着いていきたいところです。そして春のイベントも楽しんでいきたいです。
大きな通りと小さな通りと、どちらも魅力的です。

デンマーク人の友人に夕食を作って頂いたときの風景です。バターをナイフで切り、小さな方を鍋に入れるのではなく…でした。 バターは日本よりかなり安いのでこのような料理ができるのでしょう。

2016年3月2日

3月に入りましたが、気温が零度以下になることも珍しくなく、時には雪が降り、北欧を感じます。春学期も3分の1を終えてしまいました。気づけば試験の話も聞こえ始め、時間の流れの早さを感じます。先学期と異なるのは自分がこちらのシステムになれたこと、そして対応が遅くとも待つ!という点でしょうか。そういった面では焦りを感じることは無くなりました。
さて、そのシステムに慣れたとはいえ、そして先学期に引き続きヨーロッパ学を専攻しているとはいえ、授業の難易度が上がったため、今月も終わりの見えない課題と格闘していました。しかし、授業も5週目となると、慣れるもので、内容がつかめてくるものです。周りの学生に依存していることは否定できませんが、自分なりに進めていると思います。
今学期私にとって良かったことは留学生が格段に増加したことです。先学期は私が知る限り25人中3,4人しか留学生が居ませんでしたが、今学期は10人以上いるクラスもあり、妙な安心感があります。国籍がどこであろうが、元気な人は元気、静かな人は静か、という当たり前のことを実感しています。それでも、デンマーク人は比較的元気な人が多い気がしますが。
デンマークに来てから、日本では考えもしなかったことや、避けてきたことに向き合わざるを得なくなり、悩む日々が多かったと思います。例えば、私の知る限りでは、日本の中高で留年をすることはあまり良い印象はありませんでしたが、こちらではそれがよくあることです。また、高校卒業後に1年から、人によっては数年ギャップイヤーと呼ばれるものを取り、ボランティアや、語学留学、アルバイトをする人がこちらでは多いです。また、学費もかからず、政府が個人に対して補助をしてくれるので、大学に入りなおすことや、学部の変更も珍しくありません。そのため、経験が豊富な方が多く、年齢層もバラバラです。時には学生が教授より年上ということもあります。大学の位置が日本とは異なることを実感します。
その中で、レールに乗らなければ、今やらなければ、次はない、という気持ちが常にあり、そのレールに乗ることに一生懸命になっていた自分を知りました。限られた時間というものを意識し、その中で体裁を整えること、ある一定のラインを越えることだけに集中する結果、あまり中身のない私と、自分のやりたいことに向き合い、経験を積み重ねて能力・意志のある彼らとの差を見せつけられたのは、自分の考え方を変えざるをえない瞬間でした。教育システムも異なるでしょうが、それでも “できる”や “したい”と自信をもっていえることが少ない自分が少し寂しい時があります。こう比較して一喜一憂することをやめないといけないです。比較する癖をやめることが今もなお私の課題です。

奥が霧で隠れていて、珍しいと思い撮りました。17時ごろに夕方を感じられるのは久しぶりです。日照時間の大切さが身に沁みます。後は気温のみです。

こちらに来てからこれまでの自分を見つめなおす機会が格段に増えました。人によって留学による影響は様々であると思いますが、私にとってはこの経験がこれまでとは少し異なる自分を作っていく契機であると思います。速度を落とすこと、できないことに焦りを感じないようにし、着実に経験する生き方をしていきたいです。日本では忙しいことを理由に考えることを放棄していましたが、こちらで、学生である間に様々なことを考える機会を得られ心から良かったと思います。3月もパーティやプレゼンテーションなどイベント・課題共に盛りだくさんです。楽しんでいきたいです。

2016年2月1日

1月12日に行われたテストを終え、私の前期は無事終了しました。毎月それまでのことを振り返っておりますが、今月は、私にとって困難であった側面を中心に書きたいと思います。
改めてオーフス大学に来てからの学習生活を振りかえってみると、苦難の連続でした。授業時間は少ないものの、課題の量は膨大であり、気づいたら夜、そして翌朝ということも珍しくありませんでした。課題に臨む以前に基礎知識を検索しなければならないことも多々あり、一般のオーフス学生についていくことが難しく、憂鬱になることもしばしばありました。ただその生活を繰り返すうちにカギとなる情報を掴むコツを徐々にですが身に着け、そして膨大な課題も仕方ないと割り切るようになりました。事実、全て読まないと授業についていけないと私は思います。最終的に、口頭試験もなんとか乗り切り、ようやくオーフスの学生として認められた気がしました。私の場合、あまり表現は良くないですが、何度も叩きのめされるうちにそれに慣れ、それが普通になったのではないかと思います。結果として試験を乗り越え次の学期を迎えることができて安心しています。

テスト終了後にBerlinに行きました。バスで国境を越えるのは新鮮でした。

さて、私にとって、オーフスにおける生活で困難なことは天気とお酒との付き合いでした。まず天気ですが、秋以降は荒々しいことが多く、晴れた日は感動するほどです。私の交通手段は主に自転車ですが、雨や、嵐の日が多く風に吹き飛ばされたことも何度かありました。また、冬は日照時間が少なく、デンマークではそれを理由に鬱病になる人が非常に多いそうです。事実私自身も気分が滅入ることが多々あります。早く春を迎えたいというのが正直な今の気持ちです。
また、オーフスの学生として気を付けなければならないのはお酒との付き合いです。というのも、デンマーク人とお酒は切り離せない関係であり、デンマーク人と仲良くなる絶好の手段がパーティーです。お酒なしに関係を深めるのは不可能といっても過言ではありません。私も学期期間中は少なくとも隔週でイベントに行き、繋がりを作っていきました。ただ、彼らと同じペースで飲み続けると間違いなく失敗します。また、私は日本においてサークル等に属しておらず、そもそも飲み会やパーティーという経験がほとんどなかったため、こちらに来てからパーティーというものがなかなかつかめずはじめは慣れませんでした。ただこれも経験を繰り返すことで乗り越え、自分なりに楽しめるようになりました。日本でやっておけば良かったことは私にとってはパーティーであったと思います。
人によって大変なことは異なると思います。オーフスにおける学生生活は困難なことがたくさんあります。それでも私は様々な経験をすることができて嬉しく思っています。180度人生観が変わることは私にはありませんが、それでも少なからずこの生活が影響を与えていることは確かです。明日から春学期が始まります。私は先学期に引き続きEuropean Studiesを専攻し、更にヨーロッパを今度は異なる側面から学びます。先週から既に課題との格闘が始まっています。この学期も無事に乗り切りたいです。

2016年1月2日

1月にはいり、天気予報では今後気温は0度以下が続くとなっています。しかし、今のところ雪が降る気配はありません。12月は非常に忙しい日々でした。あっという間にこの一か月が過ぎてしまったことに驚いています。
最初の大きなイベントは初の口頭試験です。私が受けた試験は24時間前に問題が発表され、時間内に準備をします。そして試験当日は10分間のプレゼンテーションと15分~20分間担当教授ともう一人の教授、計3人でプレゼンの内容に応じたディスカッションをします。この試験は初めてであったため、2週間ほど前からテキストを読み直し、準備を重ねました。試験には無事合格することができましたが、まだまだ改善すべき点があると反省しています。来週には今学期最後の試験があります。こちらも全く同じ形式であるため反省を生かしていきたいです。

クリスマスにはこの様なイルミネーションが施されていました。

やはりデンマークはLEGOでした。

デンマークで一番大きなイベントはクリスマスです。12月になると街中がクリスマス一色となり、イルミネーションなどがとても綺麗でした。ただ、日本と異なる点は、クリスマス当日となると人がほとんどいなくなることです。デンマークでは24日、25日は家族で過ごす日であるため、多くの店が閉まります。
私は友人宅でクリスマスを迎えました。しばらくクリスマスをイベントとして過ごしたことが無かったので新鮮でした。デンマーク料理やプレゼント交換、クリスマスツリーを囲って踊るなど、とても充実した1日でした。
最後に31日です。この日は16時頃からいたるところで花火が上がり、0時過ぎまでなり続きます。デンマークでは花火は打ち上げ形式のものが一般的で、一人一人が31日に花火を上げます。私はこの日パーティーに参加し、新年を迎えました。日本の31日とは異なり、騒いで1日を過ごすことがデンマーク流のようです。オーフスが学生街であることも原因のひとつかもしれません。
これまでにも書きましたが、日々を豊かに過ごす方法をデンマークの人々は知っていると感じます。家族や友人、一人の時間を大切にしているこちらの人々の生活を私も見習っていきたいと思います。刺激的なことや、物質的な満足感、何かを達成することだけでは得られないものがどうやらたくさんあるようです。来月から春学期が始まります。また気合を入れて頑張ります。

2015年12月1日

オーフスにおける初雪です。翌日には消えてしまいましたが。

電車を使用した際に撮影したものです。自転車を車内に持ち込めるのはデンマークならではだと思いました。

オーフスでの生活も100日を経過し、冬が訪れたと実感するこの頃です。8時ごろにようやく太陽が昇り、14時過ぎには気分は既に夕方です。また、雪や嵐など急激な天候の変化には常に驚かされます。風に身体が吹き飛ばされたのは人生で初めてでした。
12月に入り、今学期ももうすぐ終わり、テストシーズンへと突入します。私は12月中旬に一つ、また、1月中旬にもう一つの試験があります。どちらも口頭試験であるので、準備をしっかりして臨みたいと思います。これまでの期間、膨大な量の資料を読み、調べ、プレゼンを行い、復習を繰り返してきましたが、まだまだ大学生としては物足りないと反省しています。
また、デンマーク人のチームワークにはいつも驚かされます。私は日本では、一人で作業し、机に向かい、授業で得た知識を覚えるという学習スタイルでした。つまり、一人ですべての作業が完結しているのです。しかし、ここではそれぞれが得た知識を共有し、全員の能力を向上させるという理念があると感じます。もちろん試験に成績が付くのは日本と同じですが、教育と競争を切り離す考えが根底にはあり、結果としていわゆる‘コミュニケーション能力’の向上につながっていると感じます。私は自分の考えをシェアする練習を日本でしてこなかったので、デンマークでその練習をしている最中です。
オーフス大学には日本語学科があり、日本語を勉強している学生と交流することができます。日本大学に留学経験のある学生やこれから留学する学生とも交流でき、とても良いつながりができていると思います。お互いが言語を学び合うのはとても良い経験であり、彼らのおかげで、私の語学力も少しずつですが改善されています。今度は日本で彼らと会えることを楽しみにしています。
最後に、私は日本では交換留学の目的を語学力や、新たな人間関係の構築を主に考え、これらにとらわれていました。しかし、自分の考えを共有することや、焦り過ぎないこと、無意味な比較をしないことなど、学ぶことは沢山ありました、そして今後もあると確信しています。このような体験ができる交換留学が特別なものではなく、一般的なものになればと心から願います。残り200日も頑張ります。

2015年11月1日

11月に入り、10度前後の日々が続いています。青空を見ることもなくなり、オーフスは本格的な秋に突入し、また冬へと一歩近づいています。
私の部屋の同じ地点から撮影したものです。晴れているときは左側のように綺麗ですが、秋になると、右側の写真が示す通り、霧が立ち込めるときもあります。
大学の授業にも少しずつですが慣れ、1週間の生活リズムが固定化され始めました。授業は未だついていくことで精一杯ですが、テキストを読み、授業を受け、復習をするという基本的なことを継続することが大切であると日々実感しています。3週間後にプレゼンを控えているため、現在はそれに関連した資料の読み込みをしています。課題と並行しつつプレゼンの準備を行うことは大変ですが、焦らずに進めていきたいと思います。

夜の大学です。朝は自転車で覆い尽くされています。

デンマークにおいて感じることは、国民が教育を最も重要な要素と捉えていることです。また、教育を競争と捉えていないことも特徴であると考えます。例えば、語学教育は世界でもトップクラスであることは周知の事実であり、若い世代ほど語学力が高いです。英語教育を競争と捉えず、最低限の教養としている認識の違いが最終的な英語力の差に繋がっていると思います。また、デンマーク人は自分の目的を果たすために、自分の好きな勉強をするために大学に来ているため、日本の学生がよく口にする大学の意味や、劣等感、比較をこちらの学生がしているのを私はこれまで見たことがありません。
日本の学生がこれらを感じる原因の一つが焦りではないかと私は考えます。私たち日本人は競争に勝つことを、更にそれをできる限り早い段階で達成しようとするため、無理が起きていると思います。もちろんそれ自体が悪い訳ではなく、むしろ優秀な学生はその競争心があるからこそより良い職業、より良い地位を手に入れていると思います。しかし、その焦りにより、比較により、苦しいと感じるのであるならば考えるべきではない、と私はオーフスでの生活を通して感じました。自分がいかにランキングに縛られていたかをこちらに来てから知ることができました。

さて、大学は10月に一週間の休みがあり、私はようやくオーフスを観光することが できました。大学と寮の往復から少し抜け出し、美術館に行ったり街の散歩をしたりしました。オーフスの落ち着いた環境が私は好きです。異なる文化や感性を自分の肌で感じることができることも交換留学の魅力の一つであると考えます。今後はプレゼンテーションや試験準備のため慌ただしい生活が続きますが、焦らずに着実にこなしていきたいです。

2015年10月1日

オーフスでの生活が本格的に始まり、忙しい日々が続いています。今月も学習面、生活面を軸 に報告をします。
オーフスでの学習に関しては覚悟をしていましたが本当に大変です。毎週課題は 150~200 ペ ージあり、毎日テキストと格闘しています。しかし、勉強時間(授業+自習)の合計は日本と変 わらないです。なぜならば、私の場合、授業は週 3 コマ:計 9 時間のみとなっているからです。 日本は授業数がそもそも多く、また私は日本においても机に向かう時間が長かったので勉強時間 への抵抗はありません。しかし、同じ勉強時間でもすべてが英語のテキストを理解するのは非常 に大変です。従って勉強後に残るのは不安感です。どれだけ準備をしても完全に理解することは 現段階ではできません。寝ても覚めても課題で頭がいっぱいです。しかしこれは仕方がないこと であり、経験を積み重ねていくことが今の私には必要です。

最近は景色に注目することが多くなりました。東京とは異なる魅力がオーフスには数多くあります。この落ち着いた雰囲気が一つの幸せであると考えます。

授業はグループ学習をベースに行います。私はここで自分の意見を言うというよりは質問をす るばかりとなっています。ここを改善することが今後の課題です。テキストを理解したうえで意 見を発信することが大切であると実感しました。授業もわかる範囲が徐々に増えましたが、まだ まだです。英語力の不足も実感しました。この学習生活が英語力等を向上する方法の一つと信じ て頑張ります。 次に生活面について触れたいと思います。私はデンマークに来る以前、恥ずかしながらデンマ ークが自分を幸せにしてくれるのではないかと理由もなく期待していました。なぜならデンマー クは世界でも幸福度が高い国と知られているからです。しかしそれは少し違うようです。やはり 幸福を感じるか否かは自分次第であるということです。オーフスに来て 40 日が経過し感じたこ とは日本にいた自分と現在の自分は変わらないということです。日本で生活していた時も具体的 なものから漠然としたものまで不安感は常にあり、オーフスにおいてもそれは変わらないです。 デンマークの学生に幸福かどうかを聞いたところ、制度的に不安はないが、幸福の基準が人によ って異なるのはデンマークにおいても変わらないとのことでした。私自身の性格を変えることは 難しいですが、少しでも「幸せ」と感じられる瞬間を大切にしていきたいです。

2015年9月2日

寮に到着後間もないころに撮影した写真です。20時においてもこの明るさは北欧に来たことを実感させてくれました。

オーフスの全体像です。この町が計画された上で形成されたことが納得できました。

オーフスに到着し、2 週間が経過しました。既に 20 度を上回ることはなくなり、秋が始まっ たと実感しています。オーフスの気候は全く読めず、現地の人々も嘆くほどです。まだ 2 週間 程しか滞在していませんが学習面、生活面の2つを主に報告します。
学習面では、本格的な授業は来週からとなっています。その理由は、私の専攻である European Studies が現在はオリエンテーション期間となっているからです。しかし、既にグループ学習な ど日本とは異なる学習形態を体験しました。やはり大学ランキング100に属しているからでし ょうか、彼らの知識量にひたすら感服するばかりでした。彼らに追いつけるよう頑張りたいです。 課題も来週までに 120 ページほど読まなければならないので忙しい学生生活が始まります。 私がこの大学での生活を始めて苦労しているのは、他の留学生にも共通していることですが、す べてがオンライン化されており、かつそれらがうまく機能していないことです。学生は様々なこ とに登録が必要であり、機械に振り回されています。コピー、シラバス閲覧、本の貸し出し、授 業登録、家賃等の支払い、Wi-Fi 接続、それぞれが異なる手続きを経るため、慣れるには時間が 掛かりそうです。
生活面では,オーフスの良いところはやはり”小さな大都市”という点です。東京と比較はでき ませんが、人々がいかに快適な生活を送れるか、を考えた結果、現在の都市が形成されたのでは ないかと思います。例えば、交通システムはバスにより不自由なく生活できています。また、自 転車大国の名にふさわしく、自転車専用道路が整備されています。この快適な環境は学習に最適 です。また、私は現在スーパーの目の前に住んでいるので物に困ることなく生活できています。
一方オーフスでの生活で大変なことはやはり物価です。例えば、コーラ 500m はコンビニだと 360 円から 400 円です。日本で気軽に利用できたコンビニも、こちらに来てからは縁遠い存在 となりました。デンマークの学生は基本的に水、またはコーヒーしか飲まないようです。日本の 飲食文化がいかに多様的なものであるかを実感しました。一日の出費が日本での生活の 2 倍ほ どになっているので節約を心掛けたいです。パスタやジャガイモなどは比較的安いためこれらが 今後の主食となりそうです。
最後に、この 2 週間を総括すると、自分自身の英語はまだまだですが、確実に伸びているの ではないかと考えています。留学する前は、母国語として英語を使用していない国への留学は楽 しみでもありつつ、不安でもありました。さらに、授業以外で英語を使用することは日本におい てはほとんどなかったことも大きな不安要素でした。しかし、これらの不安はオーフス到着後す ぐになくなりました。留学生、デンマークの学生の英語は言うまでもなく素晴らしく、また自分 自身の英語に関しても過度に心配する必要はないとわかりました。ただ私に必要なことは時間だ と考えます。これからもオーフスで自分を成長させていきたいです。