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留学・国際交流

アラバマ大学バーミングハム 八巻莉緒さん(文理学部)

最終報告書

 8月から約9か月間、交換留学生としてアラバマ大学バーミングハム校(UAB)に行ってきました。長期留学は長い間私にとっての大きな目標であり、達成できたことをとても嬉しく誇らしく思っています。TOEFLや面接等様々な壁はありましたが、9か月間の素晴らしい経験と比べると、これらは些細な苦しみだったと思います。
 アラバマ州はアメリカ南部に位置する州で、バーミングハムはアラバマ州最大の都市です。都市と言っても東京のように大きくなく、時間はゆっくりと流れ、州立公園等の自然にも囲まれています。南部というと南部訛りや田舎のイメージを思い浮かべる人が多いでしょう。確かに、私も最初の頃は南部アクセントに苦戦しました。しかし、今ではこのアクセントを聞くと、温かく懐かしいような気持ちになります。日本に帰国してから、ある教授に「南部アクセントがうつってるよ。」と言われ嬉しくも思いました。このアクセントにも表れていますが、南部の人たちは温かく優しい人が多いです。「Yes, ma’am.」や「Yes, man.」は北部ではあまり使われない南部特有の敬語のようなものです。人々は初めて会う相手にも挨拶は当たり前、フレンドリーに話しかけてくれます。もちろん、大きな都市での留学は様々な長所があると思いますが、バーミングハムのような小規模な街やあまり日本人が訪れないような場所では、よりユニークで素敵な発見ができるかもしれません。
 日本とは異なる文化や習慣の中で、多くの刺激を受けました。とくに印象的だったものは政治問題や社会問題に対する人々の関心の違いです。日本では若者の政治離れが話題ですが、アメリカでは政治や社会に対する自分の意見をしっかりと持っている生徒が多いです。私もこれは自分の反省点だと思っています。11月の大統領選の時期には、キャンパス内で多くの生徒が意見交換しているのを見かけましたし、女性の権利を訴えるデモに参加していた友達もいました。アメリカでは人種や宗教等は深刻な社会問題です。特に南部はアフリカ系アメリカ人の人権運動が盛んに行われた場所なので、その背景を今でも感じることができます。日本人はアメリカにあるような人種や宗教の多様性を意識しないため、主観的に考えることは難しいと思います。私も初めてマイノリティになるという経験をして、「日本人」というアイデンティティーを深く考えることができました。人種のるつぼであるアメリカだからこそ、人々は自分の個性を持ちつつ、他者の考えに理解を示そうとします。私も、様々な人との出会いや異なる文化を体験し、新しいことや馴染みのないことを偏見に左右されず受け入れる大切さを学びました。
 まわりにダウンタウンも自然もあるUABの環境がとても好きでしたが、一番は勉強をする環境が整っているということでした。例えば、図書館は24時間営業、勉強スペースやコンセントがキャンパス内のどこにでもある等です。ミッドタームやファイナル近くになると無料のコーヒーやドーナツを配ってくれる生徒の組織もありましたし、図書館で寝袋を持ち込んで寝泊まりしている生徒もいました。このようなことは日本では経験しなかったため、とても刺激を受けました。私も、毎日の膨大な読書量やテスト勉強に苦しいと思ったときは何度もありましたが、勉強に真正面から向かえる環境があったからこそ、勉強の大事さや楽しさを改めて感じることができました。とくに、テストや大事なエッセイ提出を乗り切ったときは言葉で表せないほどの達成感を感じましたし、自信にもつながりました。UABでは、嬉しいことに、日本語を勉強している生徒が百人以上います。彼らとのコミュニケーションで気付いたことも多くあります。例えば、日本語のルール(尊敬語やオノマトペ)、日本人のものに対する考え方(わびさび)は日本人にとってはごく自然なことで、改めて考えることは少ないでしょう。アメリカ人の友達にこのようなことを質問されるたび、私も日本語や日本文化の面白さに改めて気づきました。また、自分が日本人であることにさらに誇りを持てるようにもなりました。留学ではその国の言語を学ぶことはもちろんですが、異なる言語や文化に触れることで、自国の言語や文化をもう一度見つめ直すことができます。
 UABでの留学で学んだこと、経験したことは人生の財産です。英語の勉強だけでなく、一期一会の出会いや、お金で買えない楽しいまたは苦しい経験、全てが今や将来の私を形成してくれるはずです。この交換留学を通してもっともっと多くのことを知りたい、学びたいと思うようになりました。また、夢を持つことや自分の可能性を決めつけないことの大切さを学びました。この向上心を胸に、これからも様々なことに挑戦していきたいと思います。
 
私の歓迎会の写真です。日本語を副専攻で勉強している生徒たちや、教授たちが、日本食レストランに連れて行ってくれました。最初は、初めての長期留学や交換留学生が私ひとり等の不安でいっぱいでしたが、いつも彼らがサポートしてくれ、すぐに慣れることができました。

2017年4月5日

あっという間に4月になり帰国まで1ヶ月を切りました。今日はアラバマ全域に気象警報が出され大学はお休みです。アラバマでは、3~5月頃が最も天気の不安定な時期で、さっきまで晴天だったのにいきなり嵐のような大雨に見舞われるときも度々あります。また、アメリカ南部といえば竜巻が発生することで有名で、日本でも大きなニュースになるときがあります。
さて、アメリカの大学では3月中旬に1週間の春休みがあります。ここでは多くの学生がビーチに行きます。フロリダはアラバマからそこまで遠くないので(遠くないといっても8~9時間ほど)、マイアミビーチに行ったりディズニーランドに行ったりする学生も多いです。一方私は、友人を訪ねにコロラド州に行ってきました。コロラド州はアメリカ西部にあり、自然の豊富な山岳地帯の州です。南北には有名なロッキー山脈もあります。この友人とは2年前に行ったカンボジアで偶然出会いました。去年彼女が日本へ旅行をしにきたときに再会し、今度は私がコロラドを訪れる約束をしました。偶然の出会いから、こんなに素敵な経験ができるとは思いもしなかったです。彼女は州都のDenverから約3時間半のSteamboat Springsという街に連れて行ってくれました。アメリカにはこのような面白い名前や可愛らしい名前の街がたくさんあります。私が今まで見た中でのお気に入りは、アラバマにあるPine Appleという街です。Steamboat Springsはスノーリゾートです。春休みには多くの学生がビーチに行くと言いましたが、スノースポーツをしにコロラドに来る学生も多いそうです。私も初めてのスノーボードを経験しました。また、ここにはStrawberry Hot Springsという有名な観光スポットがあります。とても大きな温泉で、雪の残る山の真ん中にあるので美しい景色を楽しむことができます。運がよければ野生動物にも出会えます。私はヘラジカを見ることができました。日本にはない自然に囲まれた温泉に私も大興奮でした。他にも、雪山の頂上のバーからサンセットを見たり、ダウンタウンでウィンドウショッピングをしたりと、素敵な思い出がたくさんできました。案内してくれた彼女に本当に感謝していますし、人との出会いは大切だな、と改めて実感しました。
 
勉強面はいつも通り忙しい日々が続いています。先週と先々週の2週間は3つのエッセイ提出があり、留学生活で一番頭の痛くなった週でした。ですが、最初の頃と比べると、書きたいことをよりスムーズに英語で書けるようになりましたし、友達から文章を褒めてもらうことも多くなったように感じます。私は、2人の日本語副専攻の生徒とそれぞれ1週間に1回のペースで言語交換レッスンをやっています。私はよく彼らにエッセイのチェックをお願いして、私は彼らの日本語の宿題やクイズの手伝いをしています。私は大学でも英文学専攻ですし、日本語の構造を深く考えたことはなかったのですが、レッスンを通して日本語の難しさを実感しました。英語もまた違う難しさがありますが、日本語はニュアンスの違いやこまかな助詞等、日本人の私も説明できないことが多いです。ネイティヴだからこそ説明が難しく、「それはそういうものなんだよ…」と言ってしまいそうなことも多いです。レッスンを通して、日本語の面白さにも気付き、言語の勉強って奥が深いなと改めて感じています。
あと残り1ヶ月を切りましたが、最後までしっかり勉強してしっかり楽しんで、この留学生活を締めくくりたいと思います。
先日誕生日だったので、友人たちが美味しいお寿司とケーキでお祝いしてくれました!

2017年3月10日

留学生活も残り2ヶ月弱となりました。アラバマは最近暖かい気候が続き、先日の日中は25度まで上がりました。こんなに暖かい気候はアラバマでもなかなかないらしく皆も驚いています。キャンパス内の芝生は生い茂り、花々が咲いてとても綺麗です。来週の土曜日にはキャンパス近くにある植物園の日本庭園で桜まつりも行われます。大学には日本人の生徒はほぼいないのですが、桜まつりのようにBirminghamに住んでいる日本人と交流できるイベントはたくさんあります。ここの日本人は主に日本の車会社で働いている人が多いです。Birminghamには日本アラバマ協会という団体があり、桜まつりのようなイベントを度々行っています。私も11月にOnigiri-Making、12月に忘年会に参加しました。現地の日本の方は皆優しいですし、レストランやスーパー等の情報交換ができたり、やはり日本語を話せるので落ち着きます。

勉強面では、忙しい毎日が続いています。私の場合、受講している4科目すべてが文学系なのでReadingとWritingの時間を消費する課題が多いです。特に2つの英文学の授業に一番苦労しています。どちらのクラスも学期内に2つのエッセイ提出と2つのテストがあります。エッセイとテストで良い結果を残すには毎日のReadingをこなして授業で理解することが不可欠です。先月書いたように2週間に1冊読むというとても速いペースなので、テスト前やエッセイ前に読んで理解することはほぼ不可能です。2つの英文学の授業は火曜日と木曜日にあるのですが、火曜日から木曜日の間に、合わせて200ページ近くのReadingが課されるときもあります。私は1年間の留学生であるということで、無理矢理に2つの英文学とEnglishCompositionを同時に受けているのですが(アメリカの生徒はこれらの授業は同時に受けられません)、課題の多い文学系だけでなくビジネスや実技系の授業も一緒に取ることによって少し楽になると思います。

しかし、文学の授業はただ大変なだけでなく、多くのことを教えてくれます。多くの本を読むことで、もちろん英語の勉強になりますし達成感も得られますし、何より知識がつきます。先日、留学する直前に日本大学の他の交換留学生たちとミーティングをしたことを思い出しました。私は、文学はなぜ教育に必要なのかについて話しました。今はっきりと思うことが、文学は絶対に必要だということです。今、本を通して、歴史、社会問題、言語等たくさんのことを学んでいます。特に私は日本人なので、アメリカ人の生徒が当たり前にわかること(宗教や人種問題)も私にとっては新しく興味深いです。教授や生徒の意見を聞くことによって、本の中のテーマがアメリカ人にどのように影響しているかもわかります。登場人物の心情や物事の描写は文面の意味だけでなく深い意味を持っています。英語ですから理解することが難しいときも多々ありますが、英語だからこそ表現できることもあります。このようなことは文学を通してしか学べないと思います。

文学系の授業を取らなくてもどの授業でもReadingは必須です。日本大学の英文学科の教授からも「わからない単語を全部調べようとせず要点を掴む読み方をしなさい」と言われましたが、その通りだと思います。私はわからないと徹底的に調べてしまう性格なのですが、ここではそれをしている時間はありません。要点を掴む読み方は練習が必要です。留学をするまでに、できる限り多くの本や文章に触れ、その練習をすることはとても役立つと思います。

さて、最後にBirminghamにある美味しいレストランを紹介しようと思います。さすがアメリカ、ファストフード店は本当にたくさんあります。いろいろなファストフードを試してみるのも文化の経験になりますし楽しいです。Birminghamはアラバマ州で一番大きい街なのでレストランも豊富です。インド、メキシコ、アフリカ、地中海、中華、韓国、ベトナム等様々な国のレストランがあります。私のおすすめをいくつか紹介したいと思います。

まず、中華のBlackPearlです。おすすめは火鍋です。Birminghamでも火鍋を提供しているレストランはほぼないので、ぜひ試してほしいです。余ったスープは持ち帰ることもできます。
次にインディアンのSitarです。キャンパスからとても近く歩いて行けます。ランチはビュッフェスタイルです。私はディナーに行きますが、今まで試したどのカレーもとても美味しかったです。
次にイタリアンのBettolaです。おすすめはピザです。ここのピザはもちもちで今まで食べたピザの中で一番です。
最後に地中海料理のAl’sです。Al’sはレストランというよりファストフード店です。24時間営業でキャンパスのすぐ隣にあるので、勉強後や友達と遊んだ後の遅い時間に行く場合が多いです。私はここのGyroというラム肉のラップが好きです。
食堂や自炊は飽きてしまうと思うので、是非いろいろなレストランを試してみて下さい。
火鍋
火鍋
インディアンレストラン
インディアンレストラン「Sitar」
イタリアンレストラン「Bettola」
おすすめのピザ

2017年2月5日

食堂(The Commons)
毎日ビュッフェスタイルです。
ある日の夕食はポークBBQとバナナフライを食べました。BBQは南部のソウルフードです。

アメリカに来て約6ヶ月が過ぎました。始めはここでは時間がゆっくり流れているように感じていましたが、実際日本にいた頃よりも時が過ぎるのが早いです。新しい環境のなかで、勉強を思いっきりして遊びも思いっきり楽しんで、毎日がとても充実しているからこそ、このように感じると思います。残り約3ヶ月の留学生活ですが、帰りたくない気持ちでいっぱいです。(家族と友達に会えないのはやはり寂しいですが。)
まず、勉強面の報告です。1月のレポートで報告しましたが、今学期は4科目を受講しています。前学期の科目と比べると、難しく課題量も多いです。まず、Language and Cultureは言語学が中心の授業です。初めて聞く専門用語ばかりなので授業は辞書で調べつつ受けています。また、外国語と比較する場合も多いのですが、基準はもちろん英語なので、日本人の私にとって理解することが難しい場合もあります。English composition IIは前回のIと同じようにエッセイを書くのが中心です。エッセイを書くのは授業内ではなく全て宿題となっていて、スケジュールに沿って自分で計画を立て書いていきます。毎回の授業ではDaily writingがあり、好きなテレビ番組、専攻、ペット等について数パラグラフ書き提出します。このようなカジュアルな話題を書くことは好きなので楽しんでいます。今回この授業のテーマはChange Projectといって社会問題を描くエッセイです。私はsexual equalityから派生してLGBTについて書いています。アメリカに来て多くのカルチャーショックを受けましたが、その1つが多くの人が自分の性についてオープンなところです。アメリカに来て6ヶ月ですが、何人かの友達はゲイですしレズビアンの知り合いもいます。アメリカでは、LGBTの人々を当たり前のように受け入れて、その人たちも隠すことなく自然に生活しています。文化的背景もありますが、日本はこの問題に後れをとっていると感じます。いつか日本もアメリカのようになれる日が来るといいなという想いも込めて、リサーチしエッセイを書いているところです。
最後に、2つの英文学のクラスについてです。とにかく読書量が多いのが特徴です。どちらのクラスも2週間で1冊読み終えるペースで進みます。Introduction to Literatureでは、今はショートストーリーを読んでいて1回の授業で1~2作品を扱います。同じテーマでも作品によって違った発想があり、それぞれの作者の特徴等を考えるのは興味深いです。American Literatureでは、1冊目は有名なMark TwainのThe Adventure of Huckleberry Finnを読みました。日本にいる間にも読みましたが、この授業でより深くテーマ等考え直すことができました。この本には様々なテーマがありますが、アメリカの人種問題や奴隷制度を濃く描いている作品なので、アメリカの歴史や社会問題を知るのにもとてもいい本です。1回の授業ですべてはカバーしきれないので、自分でしっかり読むことが重要になります。ですが、わからない単語を一つ一つ調べ上げることは時間的にも不可能なので、ポイントを絞って大事なところを深く読むようにしています。今読んでいる2冊目の本はHemingwayのThe Sun Also Risesです。そんなに難しい本ではありませんが、時代背景や作者の意図を考え、文章の裏に隠されている意味を考えるのはとても難しいです。ですが、これが文学を学ぶ一番の醍醐味だと思います。やはり英語な分理解するのに時間はかかりますが、本を読むことはずっと好きなので、ページをめくるときにワクワクする気持ちは変わりません。
今学期始まってすぐの週末は3連休だったので、ずっと行きたかった南部の街Gulf Shoresに行ってきました。Birminghamからは車で5時間ほどです。とても綺麗なビーチがあるので海が好きな方におすすめです。夏はとても混みあいますが、冬は人もそこまでいないのでゆったり過ごせます。1月でも昼間は暖かくなるので、冷たさに耐えれば海にも入れます。タイミングがよければとても綺麗な夕日も見られます。私も見ましたが、今まで見た夕日の中で一番壮大で綺麗な夕日でした。

2017年1月5日

明けましておめでとうございます。今日、ニューヨークからアラバマへ帰ってきました。この一か月はイベントが盛りだくさんで毎日とても充実していました。年越しをしたニューヨークはもちろんとても寒かったのですが、アラバマも今週末は雪の予報が出ています。南部のアラバマの人々は雪に慣れていないため、少しでも雪が降ると地元ではニュースになり学校が休みになることも多いです。クリスマスは長袖一枚で過ごせる気候だったので私もこの気候の変化に驚いています。
冬休みは12月17日から始まり、今学期の授業は1月9日からです。私が今学期受講するのは、English Composition II, Introduction to Literature, American Literature II:1865-Present, Language and Cultureです。前学期は私の専攻である英文学が条件等で受講できなかったため、今学期の英文学のクラスが特に楽しみです。UABは去年よりも留学生の選考基準が上がったため、このような問題は起きると思います。他大学でも必須条件等で自分の勉強したい教科が受講できないことはあるかもしれません。そのときは学科の教授に相談したり、アドバイザーと話してみてください。私の場合も友達に協力してもらい英文学科の教授と話して、受講できることになりました。English Composition IIの受講は、前学期のIを通してさらに自分のライティングを伸ばしたいと思ったためです。日本に帰ったら英語での卒論が待っているので、この授業で多くのことを学んで卒論で生かしたいと思います。Language and Cultureも、前学期のForeign Culturesの影響を受け、外国の文化や言語と文化のつながりを深く学びたいと思ったため受講します。英文学のクラスは課題やエッセイが多いと聞くので今学期はより忙しくなると思いますが、新しい勉強、教授、クラスメートに出会えることはとても楽しみです。
12月の月例報告で話したように、冬休み前の二週間は課題とテストに追われていました。12月9日に授業が終了し、12日から19日までの一週間はテストや最終エッセイの週でした。テストは受講していた四つのクラスのうち二つのみだったのでそこまで大変ではなかったのですが、その他の課題もあり二週間はストレスとの闘いでした。私の二つのテストは前回までのテストと同じ形式でしたが、クラスによって二時間半かかるようなエッセイつきのテストが課される場合もあります。最後のテストやエッセイは重要になるので、皆教授のオフィスアワーを訪れたり図書館も混みあいました。成績はクラスによって発表日が異なります。教授は成績を付け終わるとCANVASを通してメッセージを送り、生徒はCANVASで確認できます。私はA、B二つずつの成績で、自分なりに満足のいく結果でした。ちなみにアメリカにはS評価がないので90-100%がA、80-90%がBになります。D以下を取ると単位は取得できません。
さて、テスト週間が終わったら冬休みです。ほとんどの生徒が実家に帰るためキャンパスはとても静かになります。クリスマスは友人の実家に招待してもらい、年末年始はワシントンDCとニューヨークで過ごしました。日本ではクリスマスはカップルで過ごす場合も多いですが、アメリカでは家族の一大イベントです。ツリーやイルミネーション、ラッピングの種類の多さからアメリカ人がどれだけクリスマスを大事にしているのかがわかります。驚いたのは子どもが大学生になっても親がプレゼントを渡すことです。当日はクリスマス映画を観たり、豪華なディナー(私たちはラムを食べました)を楽しんだり、家族と共にゆったりと過ごします。また、アメリカ南部はキリスト教徒がとても多いため、イヴやクリスマスに教会に行きミサに参列する人も多いです。私もイヴはミサに連れて行ってもらいました。キリスト教徒でなくても参列することができるので、機会があればぜひ体験してみて下さい。

年末年始に一度は絶対経験したかったニューヨークでの年越しをしました。当初は飛行機で行くつもりだったのですが、友人が運転するとのことでロードトリップをすることになりました。アラバマからニューヨークまでは約15時間(休憩なし)のドライブです。私たちは途中でワシントンDCに二日間泊まる計画で出発しました。ロードトリップの醍醐味は地方のガスステーションに止まったり、その地域特有の綺麗な景色が見られることです。私たちは途中で有名な高地を見たりワイナリーを訪れました。ワシントンDCにはアメリカを代表する多くの名所があります。街は清潔で規制もしっかりしているので安全です。ホワイトハウスはもちろん、トーマス・ジェファーソンやマーティン・ルーサー・キング・ジュニア、エイブラハム・リンカーン等の多くの偉人のメモリアルを見ることができます。その他にも様々な戦争の記念碑やホロコースト記念館もあり、アメリカや世界の歴史を学ぶのに重要な場所だと思います。ニューヨークでの年越しはとても豪華でした。世界から何百万人もの人が年越しのためにやってくるので街はとても混みあいます。もしタイムズスクエアでカウントダウンをしたければ午前中に場所取りをしないと、交通規制で夕方からは入れなくなってしまうので注意が必要です。ニューヨークもさすが世界のビジネス、娯楽の中心地で、エンパイアステートビルや自由の女神、ブロードウェイ等様々な名所があります。最も印象的だったのは9/11ミュージアムと国連本部のツアーです。旅行に行くならただ楽しむだけでなく学びもしたかったので、とてもいい経験になりました。
あと半分弱になった残りの留学生活を、一日一日大切に過ごそうと思います。

2016年12月5日

大迫力のアラバマ戦艦

Fairhope PierよりDaphneの夕日

秋が来たと思ったらあっという間に12月、冬がやってきました。南部のアラバマは暖かいイメージが強いと思いますが、とても寒いです。今日の気温は最高12度最低11度。今週木曜日の気温は最高7度最低-2度の予報です。ここ一週間の天気は雨が多く現地の人たちは喜んでいます。実はアラバマではここ数か月雨が降っておらず、水不足で大学の噴水が止まり食堂の食洗器も動いていませんでした。アラバマで育った友達も、こんな干ばつは人生で初めてだと驚いていました。冬の雨はとても寒いですが、寮に住んでいる私としては、日本にいた頃のように電車の遅延等気にしなくていいのでそこまでストレスはありません。
11月は大きなイベントがいくつかありました。ひとつは、もちろん大統領選挙です。日本では若者の政治離れが問題になっていますが、キャンパス内でも多くの生徒が政治の話をしているのを耳にします。特に私が現在受講しているComparative PoliticsやForeign Culturesのクラスでは大統領選挙は大きなトピックになりました。アメリカの大学では生徒が発言することや互いにディスカッションすることは多々あるので、大統領選に対する様々な意見が聞けました。日本と大きく違うと感じたのは、教授さえもクラス内で政治に対する意見を率直に述べていたことです。「私は、こう思う」と他の意見を尊重しながらもデリケートな政治についての意見を述べていることには驚きました。教授や生徒たちの考えに刺激を受け、私ももっと深く日本の政治を学ばなければならないと思いました。11月8日大統領選の衝撃的な結果が出るとキャンパス近くでも大きなデモが起こりました。翌日の授業では、多くの授業が選挙の話で持ち切りだったそうです。私が受講しているEnglish Compositionのクラスでも、その日の授業課題はTrump氏の当選直後のスピーチを分析してペーパーを書き提出というものでした。アメリカにとって大きな転換点となったこの選挙の年に留学できてよかったと思いますし、興味深い経験ができました。
もう一つの大きなイベントはThanksgivingです。Thanksgivingはイギリスからプリマス植民地に移住してきたピルグリム・ファーザーズの最初の収穫を祝う祝日です。アメリカでは親族や友達が集まり食事会を開くのが伝統で、食事のメインディッシュは七面鳥の丸焼きです。この期間は学校も休みになります。UABでも一週間のThanksgiving Breakが設けられ、多くの生徒が実家に帰り家族や友達と過ごします。幸運にも私も二人の友達に誘われて、4日間ずつ彼女たちの実家にお邪魔させてもらいました。二人の実家はアラバマ州南部の海岸沿いの街、MobileとDaphneにあります。Birminghamからは車で4、5時間ほどです。特にMobileのダウンタウンは私の実家近くの街とよく似ていて懐かしい気持ちになりました。International festivalに行ったり、アラバマ戦艦を見に行ったり、ビーチで綺麗な夕日を見たり、初めての七面鳥を食べたり、とてもリラックスした時間を過ごすことができました。海外沿いの街で特におすすめしたいのはシーフードです。Birminghamではシーフードレストランを目にすることはなかなかありません。海岸から離れているので値段も高いです。MobileやDaphneでは美味しいシーフードを比較的手頃な価格で食べることができるのでとても嬉しかったです。私の一番のお気に入りは新鮮なクラブケーキです!

勉強面はというと、Winter Breakが二週間後に始まるので、どの生徒もFinal Examに向けて課題提出やテスト勉強に追われています。私のFinal ExamはPoliticsとForeign Culturesの二つだけですが、エッセイや他の課題の提出があります。この二週間は毎日図書館に通い詰めようと思っています。ところで、アメリカの大学生はパソコンを毎日使います。日本では課題を手書きで書く場合もありますが、ここではタイピングが主流です。UABの場合、生徒ひとりひとりがアカウントを持っており自分のUABホームページがあります。その中にCANVASというページがあり、受講しているクラスの授業計画、課題、資料、フィードバック等を見ることができます。課題もCANVASを通して提出します。日本大学には無いシステムなので最初は戸惑いましたが、管理しやすく便利なので今ではとても気に入っています。教授からの連絡や授業の資料等もCANVASを通して送られるので、PowerPoint等授業で使うときはパソコンを見ながら受講できます。私は授業中ノートをとっていますが、パソコンでタイプしている生徒も多いです。楽しいWinter Breakまで残り二週間、頑張ります!

2016年11月5日

11月になり本格的に秋が始まりました。東京と比べると日中はまだ暖かいですが、葉の色が変わり日の入りも早くなり街は秋の香りがしています。雨もなく過ごしやすくリラックスできる気候が続いています。四季のある日本と違い、南部のアラバマは夏と冬だけのような気候なので、この短い秋を楽しもうと思います。
まず、ハロウィーンについてお話します。日本でも今では多くの人が仮装を楽しんでいますが、こちらのハロウィーンも街全体が賑やかになり様々なイベントが開かれます。ハロウィーン関連の商品は9月頃から売られていました。スーパーマーケットには様々な種類のカボチャが並び、Trick or Treatをする子供たちに配る用のお菓子が売られていました。私も仮装をしたかったのでハロウィーン専門店に行きましたが、大量のコスチュームや豪華な飾りを見られてとても楽しかったです。UABでもこの時期はダンスパーティーやパンプキンカービング等のハロウィーンのイベントが行われます。私も友達の家で初めてのパンプキンカービングをしましたが、日本ではあんなに大きなカボチャを手に入れるのは難しいので貴重な経験ができたと思います。寮のエレベーターでも仮装をしてパーティーに行く生徒にばったり会ったり、クラスに仮装してくる生徒もいたり、とても賑やかでした。私も金曜日に友達のパーティーに行って本場のハロウィーンを思う存分楽しみました。(土曜日曜は宿題とテスト勉強に追われましたが、、、)そして、ハロウィーンの直後の11月1日と2日は、メキシコのDay of the Deadです。この日は死者を迎え称えるメキシコの祝日です。ハロウィーンほど盛大ではなかったのですが、UABでイベントも行われ、カラフルな骸骨や花やフルーツ等が飾られていました。日本でいうお盆に似ているかもしれませんが、人々はラテン音楽に合わせて踊ったり、メキシコ料理を食べたりして楽しく死者を迎え入れます。私にとっても初めての経験だったのでとても刺激的でした。

テネシー州にあるIncline Railway、とても綺麗な景色が頂上から見られます

姉妹都市茨城県日立市からの使節団の歓迎会

最後に南部の訛りについてお話しします。ご存知の通り、同じアメリカでも東部、西部、南部では話されている英語は大きく違います。アメリカ南部と聞くと訛りが強いから嫌だと思う方もいるかもしれませんが、その違いを楽しむことが大事だと思います。私もここの訛りに少しずつ慣れてきましたが、聞き取れないときはたびたびあります。特にアラバマ、バーミングハムはアフリカ系アメリカ人が多いです。キャンパス内でも生徒の半分ほどがアフリカ系アメリカ人だと感じます。日本人の私からすると、彼らの独特なアクセントと南部のアクセントが一体になると理解することが難しいです。ですが、興味深いのは、南部特有の訛りや言い回しにはアラバマの人々の性格や考え方が表れていることです。例えば、ma’am やsirを文章の最後につけて敬意を表す(ex. Yes, ma’am.)ことは南部の特徴で、北部の人はあまり使わないそうです。また、初めて会った店員さんや知らない人に、”Thank you, Dear.”や”You’re welcome, Sunshine.”等言われることもたびたびあります。これらはフレンドリーで温かい南部の人々の性格が表されている気がします。
アメリカに来てから、訛りに限らず、交通手段、食、授業の仕方等いろいろなカルチャーショックを受けましたが、その違いを受け入れ楽しむことが重要だと思います。また、日本人の考えを押し付けるのでなく、その場所の文化を理解し尊重することも、海外に行く際にとても大事なことだと思います。

2016年10月5日

アラバマの暑い夏も終わり秋が近づいてきました。昼はまだ30度ほどまで上がりますが朝と夜は15度ほどまで下がるときもあるので、羽織ものは必須です。葉の色もだんだんと変わってきてカフェやレストランではパンプキンスパイスの香りが漂っています。パンプキンスパイスはアメリカで秋になると人気商品として売られるフレーバーです。(私も大好きです!)
授業が始まって一か月経ちました。最初の週と比べると圧倒的に勉強量が増え、毎日のように宿題が出ます。クラスにはだんだんと慣れてきましたが、やはり言葉の壁がある分クラスメートより理解するのに時間がかかってしまいます。そのため、予習復習をして皆と同じスピードでついていけるように努力しています。前回の報告書にも書きましたが、今私が受講している授業はEnglish composition, Comparative politics, World history, Foreign culturesです。English compositionは大学一年生向けで、この授業でどのように正しいエッセイを書くか学んでからそれぞれの専攻の発展授業を受けます。実際どの生徒もエッセイの書き方は高校で学んでいます。なので、どのように説得力のあるエッセイを書けるかを様々な文書を読んで分析したり、その文書やスピーチの分析結果をエッセイにしたりしています。日本でも英語のエッセイを書いたことはありましたが、やはり綺麗な文体で説得力のあるエッセイを書くことはとても難しいです。でもとてもやりがいがありますし、クラスメートのエッセイを読むことによって刺激も受けます。Comparative politicsは今学期で一番の挑戦です。私の専攻である英文学が今学期は取れなかったのでこの授業を受講しましたが、大学で政治を学ばなかった私にとって新しいことだらけプラス英語なので毎週奮闘しています。政治の専門用語は大きな壁です。ですが、この授業の面白さはアメリカの目線から世界の政治を見ることができることです。例えば北朝鮮、フランス、もちろん日本も例として出てくるのでそれらを教授がどのように説明するのかが興味深いです。毎週何十ページも読まなければなりませんが、今までしっかりと学んでこなかった政治を学ぶのにいい機会だと思っています。World historyは比較的勉強しやすい授業です。理由の一つに私は高校で世界史を選択していたため習ったことがよく出てくるからです。日本の世界史の授業と違うのはやはりアメリカ視点というところです。アメリカの先住民やどのようにしてイギリスやフランスの植民地になったかなど深く学んでいます。もちろん授業や教科書は英語なので人物名や地名のスペルを正しく覚えることは苦労しますが、私は世界史が好きなので楽しく授業を受けています。最後はForeign culturesです。この授業ではその名の通り様々な国の文化を学び比較する授業です。私にとって今学期で一番面白い授業であり、一番宿題の多い授業でもあります。授業では記事やビデオ等様々なメディアを使い、ディスカッションも多いです。言いたいことを考えて英語で述べるまでに時間がかかってしまうのでディスカッションは私の課題です。クラスで日本人は私ひとりですが、ブラジル系インド系メキシコ系等様々なバックグラウンドを持ったクラスメートがいるのでいろいろな意見を聞くことができますし、もちろん皆外国に興味をもってこのクラスを受講しているので日本に興味のある子もいます。先日一人のクラスメートが「日本に8か月間住んでたんだよ。日本が恋しい!」と言ってくれてとても嬉しく思いました。
勉強は大変ですが息抜きも大事です。9月中旬にJapan Festがアトランタであったので、友達に連れて行ってもらいました。アトランタまでは車で3時間ほどです。毎年UABに来る日本の留学生を連れて行ってくれているそうです。久々に本物の日本食を食べ、日本人と日本語で話し、三味線のコンサートや空手のパフォーマンスを観て、とても有意義な時間を過ごせました。またその前にはSamuraiという日本レストランで私の歓迎会もしてくれました。多くの人が集まってくれて、ここの人たちの温かさを改めて感じました。そのほかにも釣りに行ったり、プールに行ったり、週末は一日空けて何か楽しいことをして息抜きをしています。だんだんと寒くなってくる気候に負けず頑張ります!

2016年9月5日

UABのシンボルのドラゴンです。キャンパス内にきれいな芝生があります。

バーミングハムで有名なColor tunnel。数千個のLEDが使われているそうです。

バーミングハムについて約2週間が経ち、こちらの生活にもだんだんと慣れてきました。着いた初日から思ったのがここの人々の優しさ、フレンドリーさです。初めてアメリカに来たのと、今年日本からの留学生は私一人だったので正直不安でしたが、特にUAB(アラバマ大学バーミングハム校)の日本語学科の生徒たちや日本に興味のある生徒、大学の先生がサポートしてくれています。例えば、交通機関の充実している日本と違って、ここでは車がないとほぼどこにも行けないのですが、必要なときは快く車を出してくれますし、週末には公園やプールに行こうと誘ってくれます。本当に周りの人に恵まれていると感じています。また、驚いたのが、スーパーマーケットやレストランでも知らない人が挨拶してくれたり話しかけてくれて、日本では味わえない南部だからこその温かさを感じます。
UABのキャンパスはとても広いです。バーミングハムのダウンタウン全体がUABから成り立っているくらいです。大学内の施設もとても充実しており、図書館、ジム、カフェ、レストラン等様々です。おそらく今年から図書館が24時間営業になり、勉強したいときはいつでも利用できます。大学内ではほぼ毎日のようにイベントが開催されており、先週はインド独立記念日イベントに参加しました。このような様々な国のイベントが行われるのもアメリカならではだと思います。
また、授業が始まって1週間が経ちました。やはり大変ですが、どのクラスもとても興味深いです。どの教授も工夫して時にはユーモアも交えて興味をそそるような授業を行ってくれます。私は今English Composition, World History, Comparative Politics, Foreign Culturesを受講しています。クラススケジュールは日本と違って、1つのクラスが授業時間によって週に2、3回行われています。
1週目なので宿題はそこまでありませんが、日本人の私にとって、難しい単語を調べる等の予習復習は必須です。また授業を1週間終えて感じたのが、TOEFL iBTの重要さです。まさにTOEFLそのものというような、TED Talkを見ながら10問の質問に答えるという授業がありました。TOEFL iBTを受けることがアメリカで授業を受ける際に大きな助けになると思います。今は授業についていくのに必死ですが、これからの8か月間しっかり勉強して大きく成長して日本に帰りたいと思います。