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留学・国際交流

ラッペンランタ大学 綿貫了輔さん

ラッペンランタ大学交換留学報告書

ルームメイトと相撲の勝負!

プラハで怪しい飲み物を乾杯!

サンタクロース村で暖をとる。後ろにはトナカイがいました!

ラッペーンランタにあるボルダリングジム。学生は安く利用できておすすめ!

私が留学を決めた理由は、おそらく皆さんが想像するものと違い、邪道なものです。私は、大学生活にあまり充実感を感じることができずに、無気力に過ごしていました。高校時代は部活に明け暮れ、辛くも楽しく過ごしていたのですが大学に進学するとともに、打ち込むことを見失ってしまいました。そこで選んだのが交換留学でした。なぜ交換留学を選んだのかというと、英語を話せたら楽しいだろうな、今までと違う環境に身を置けたら辛くも、得る物が多そうだなという物でした。このように私のような、とりあえずや、なんとなくで留学を目指そうと思っている方々にぜひ読んで欲しいような内容を書くことに努めます。よって、「私には、確固たるものを、アメリカ、またはヨーロッパで学びたいため、留学する」という方にとってはあまり有益なものにはならないかもしれません。そのような方は私のレポートよりも、もっと適したレポートがあるでしょう。しかし、留学をしようか迷っている、もしくはなんとなく英語を学びたく留学したい、大学生活に充実感を見出せず留学を考えている、そんな悩みを持っている方も多いように感じます。そのような方々に向けて、私が留学で感じたことを綴ります。
ここからの文章はこれから具体的になにを留学で学んだか、なにで苦しんだか、そして帰ってきた今留学前の準備はなにをするべきだったか、について巡に進んでいきます。まず日本でマーケティングを専攻していたためあちらではよりマーケティングの細部を学ぼうと考えていました。自分の興味のある分野がITと経営でしたのでCRMと、フィンランドで今大きく注目されていると前期で感じた、環境持続性(主にCSR)について学びました。しかし、CRMや環境持続性について、基本的なことは日本でも学べるため、わざわざヨーロッパで学ぶ価値は少ないように感じます。ただしそこから生まれる生徒たちの考え方は、興味深いものが入手できます。アフリカ出身の生徒が挙げたアフリカにおいての地雷撤去のビジネスに環境的持続性の可能性や、中国での児童従業者増加の問題と絡めた環境持続性の問題など、私の考えている自然環境問題と環境持続性の固定概念からくる違いには、目から鱗が落ちる思いでした。また直にその問題が起こっている地域の若者の意見が聞けると言うのは日本では難しいことであり、価値をおけるでしょう。またLUTでは実際に企業の立場になり、グループで考えてみる実践的な授業も受講でき、その分難易度も高かったですが、日本では実践的な形態の授業が少なかったため新鮮で楽しかったです。LUTでは大学院相当の授業が多く、年上の方々と過ごす時間が多かったためか、皆自分の意見をしっかり持ち、経験豊富な方が多かったです。
次に私が感じた英語力とビジネスについての知識の差について書いていきたいと思います。まず英語力は到着時の私と他の交換留学生たちでは天と地ほどの差がありました。私のように、とりあえずで決めた留学生は特に差が激しいでしょう。彼らは英語と言うツールを使って新しいことを学ぶために留学と言う手段を選ぶため、基本的に英語は不自由なく使えます(もちろん第2言語なので苦しむこともあります)。日本のように偏差値主義ではなく、得意分野を各々の大学で持っており、学びたいことに従って留学先を選んでいるのでここでも、英語力だけではない専門性の差が出ます。また自分の母国言語でない言葉で学問を学ぶ時は脳の60%のみしか働いてないという研究があります。このように私は、数々の難点が、準備不足や経験の差によって生まれると考えます。そこでどのようにこれらを埋めるか考えた結果、努力と支えてくれる仲間と考えます。私が取った単位のほとんどは、友人たちのサポートがあったからでした。私は、はじめは積極的に協力を仰げませんでした。それはプライドや「こいつは勉強できない、厄介者だ」と思われたくなかったためです。しかしどれだけ隠していても最後には結局迷惑をかけてしまいました。遅くなればなるほどチームの負担は大きくなるのです。それでしたら最初から協力を求む方がいいのではないかと考え、グループ結成時に「私は英語が書くのが遅い上に、あまりいい文章を書けない。なので締め切り日よりも早く仕上げるから私のレポートを確認してもらえないだろうか?」と尋ねると誰一人嫌な顔をせずに協力してくれました。この影響からか過ごした時間も初期の仲間より絆を深めることができました。もちろんこれを理由に自己学習を怠るのは、もってのほかですが、三人寄れば文殊の知恵で、一人で悩むよりも友人に相談して、協力を求めるのも理にかなった考えだと私は感じます。
日本とフィンランドの一番大きな環境の違いとして挙げられるのは、晴れの日が少ないことです。これは大変体に堪えました。フィンランドの冬は日が遅く上がり早く落ちるというのはもちろん、ヘルシンキで11月、ひと月で太陽が雲から顔をのぞかせたのはわずか18時間しかなかったのです。フィンランド人は基本ビタミンDの錠剤を所持しています。現地の環境に慣れているフィンランド人ですらこのような対応策を持っているので、しっかりとした準備、およびストレス発散方法を確立しておくべきだと感じました。
最後に私が感じた留学前に、準備しておくべきだった三つのものを挙げます。私が特に準備不足だと感じたのは、英会話力と長時間の英語についていける集中力、日本と留学先の情報です。英会話力というのは簡単な単語で、ゆっくりでもいいので、自分の気持ちを英語で表現するというのは大事だと気付かされました。英語を上手く話そうとすると、ついつい早口で話してしまいがちですが、それによって焦って、発音が間違え、分かりづらくごにょごにょと誤魔化して言ってしまうのはもってのほかです。英語も会話なのでまずは相手に伝わることが重要なんだと気づいた時私は、なんとかコミュニケーションを図れるようになったと感じました。
集中力とは、LUTでは三時間の授業というものが何の不思議もなく存在し、徐々に集中力が失われていき最初の授業内容は頭に残っているのですが、中、終盤の内容が抜け落ちていることが多々ありました。集中力というのはいかなるときにも使えるものですのでのばしておくべきでしょう。
最後の三番目としましては日本と最低限、滞在先の国の歴史や政治、経済については学んでおくと話が弾みます。英語がわかっても話すことがないという状況に私は初め何度か対面しました。このような事態に陥らないために、話の引き出しを滞在先の人々に合わせて持てば、きっと楽しい話ができるでしょう。
失敗してもいいからチャレンジしてみる、行動してみる。失敗をしない留学なんて、きっとつまらないです。その失敗をどのように乗り越えるか、それがこれからの人生で大事になってくるのではないでしょうか。恐らく留学と言うあえて困難な道に進む皆さんはチャレンジが好物だと思いますので、ぜひいろいろなことにチャレンジしてみて下さい。